鴨志田穣氏死去(フリーライター、カメラマン)
また一つ有為な才能が行ってしまった。
鴨志田といって判らない人には「サイバラの元夫」。
私はサイバラ(西原理恵子)氏の始めての単行本から読んできた。
竹書房という麻雀好きしか読まない出版社から出たその漫画は、底に流れる強靭さと自分によく似たいい加減さが大好きだった。
漫画に回す書籍代は殆どないけれど、この人のものは数冊持っている。
カモのがんばらないぞも自分自身の癌について書いた「頑張らない」になぞらえて読んできた。
しかし、本当に頑張らなかった私は生き延び、懸命に生き、幼い子供を遺さなければならなかったカモちゃんは逝ってしまった。
どういう順番で生き死にが決まるのかは判らないが、しかし私はどうして生き残ったのだろうと改めて考えている。
私が生き残っても世の中や世界に何ほども役に立たないのにねえ。