「言いたいことが言えることが、心の健康と自我の発達です」 ブログNo.68
心とは 一般的に、心とは他者からの働きかけ、言葉と行為に反応することです。だから、一人でいる時は心は無く、ただ生存しているだけです。ところが、他者が目の前に現れ、自分に何か言ってくると心が動きます。例えば、親しい友人が来れば喜び、現金書留が届けば喜びます。貶されれば腹が立ちます。 心とは他者もしくは外界の刺激によってしか生まれないもので、何の刺激もなければ、自発的に存在することはありません。 妄想 ただ、何の刺激もないのに勝手に動きだすものが1つあります。それは妄想です。頭の中にありもしなストーリーをあれこれ作り、結果、不安になります。心とは違い、自発的に浮かびあがってきます。心は他者によって作られ、他者がいない時は生まれません。 成長 成長とは、刺激に対する反応の仕方が変わっていくことです。 例えば、子供はおもちゃを買ってもらうと喜びますが、大人は喜びません。子供はジュースを好みますが、大人はお茶やお酒、ワインを好みます。これが刺激と反応の変化、成長です。成長させるのは知識と経験で、これが広がらない人は依然として子供のままです。知識を経験によって、心全体が成長していきます。 子供時代にはおもちゃ、例えばミニカーが欲しくて、買ってもらって喜んで遊びました。大人になると、おもちゃではなく本物の車が欲しくなります。私の欲しいものを言語にする役割機能を「自我」と定義します。「欲しい」と言えないことは、自我がないということになります。心の中で思っていても、言語化できない人は自我がありません。子供に言いたいことが言える環境を作ります。それには、子供の言うことを否定しないで無条件に受け容れることです。 言えない 子供時代に遡って、常に欲しいもの、したいこと、行きたいところを言えたでしょうか。言えない基本は遠慮と我慢、そして最後は恐怖です。この三つが揃うと発言できなくなります。 言いたいことが言えないと心の中では、「こう言いたい」、「ああ言いたい」が渦を巻き、妄想が自発的に始まります。周りが静かで何もないと、今まで我慢してきた言葉がざわめき出します。ずっと我慢していた言葉が、毎日スピーカーから流れているようなものです。邪魔になるので、大人なら仕事を隙間なく入れてその声を聞かないようにします。周りからは、真面目な仕事人間と見られますが、実は全く違う動機で仕事をしています。 言えることが自我でした。言えた時、自我が生まれます。しかし、沈黙し、遠慮し我慢し恐怖で言えなかった瞬間、自我は消滅します。自我が無いと、行動の動機となる、ああしたい、、こうしたい、食べたい、遊びたい、眠りたいが作れません。 恐怖とは例えば、「残すんじゃないよ」、「きれいに食べなさい」、「こばさずにね」などと言われるから怖くて食べられません。美味しいものも美味しく食べられなくなります。夕食のおかずを見て、食べようか食べまいか考えます。もし、不味かったら途中で箸を止められない。「不味い」とは言えない。無理やり口に押し込むしかない、それならいっそ最初から食べない方がましです。しかしまた、食べないと食べないで「お母さんの作ったご飯は食べないの」と言われます。行くも引くもできず、どちらにしても従うしかなくなります。こういう厳しい状況に自我は置かれ、凍りついて何も言えなくなり、黙って食べるしかありません。 「どうせ」 自分がしたいことがなく、動機を作る経験がなくなり、作れなくなります。こういう人が言うセリフは「どうせ」。言いたいことが言えない人は「どうせ言っても無駄だ」、「どうせ言っても聞いてくれない」、「どうせ応えてくれない」と思い、言っても仕方ないので言いません。言えません。これでは発達や成長から外れてしまう。こういう運命に晒されているのが自我です。言いたいことが言えることが心の健康には必要です。言えないことが全ての病理の元にあります。 遠慮と我慢と恐怖で言いたいことが言えなかった場合は、当然右肩上がりの発達の階段は上れず、横ばいのまま進みます。これが肉体だけが時間と共に成長しても心は止まる、子供の、いえ赤ちゃんのままの自我状態ということです。すると、体と心の齟齬から、様々な問題が起きます。 自我の発達 普通の育ちかた、つまり言いたいことを言い、適切な世話をされ、正常は発達をした場合は、自我は階段を上っていき、その差が自分でわかります。自分がどこから来て、どこにまで来たかを自覚できます。これを「発達」と言います。発達には必ず目標があります。自我の発達には、目標・目的が明確にあり、そこを目指して階段を上っていきます。 どのように自我は発達してきたか、また発達していくものだったのか、これを『精神発達論』は教えてくれます、フロイトとエリクソンが体系化した理論です。ここに、まず口唇期、肛門期、エディプス期という発達の段階があります。育児・子育てするために、また自分を知るためにこの理論は活用できます。 ライト.a精神科学研究所 登張豊実 (LAFAERO1 大澤秀行 『こころの科学』テキスト1 より筆者まとめ) ライト.a精神科学研究所では、毎月一回メールマガジンを発行しています。2025年9月メルマガNo.186 のテーマは、「独占・優先を経て、譲る・尊重の心を育てる母は女神です」興味・関心のあるか方はこちら http://www.mag2.com/m/0001106260.html から登録してください。 *我が師、大澤秀行氏 LAFAERO1では個人セラピー、各種講座があります。著書:大澤秀行 著 『病気は心がつくる』論創社『令和の徒然草』論創社『こころの科学』講座 テキスト1~3『メタ言語』講座 テキスト1~9『夢分析』講座 テキスト1~9『蝉成阿縷』講座 テキスト1~8詳しくは、LAFAERO1ホームページ:https://lafaero1.com/ をご覧ください。 *ライト.a精神科学研究所、登張豊実へのセラピー、講座、その他の問い合わせや依頼は下記までください。メアド:laito.a.msl☆gmail.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパム対策) セラピーの他に、『オールOK』子育て法等、個人講座もあります。 メールの件名に「セラピー・講座の問い合わせ、依頼」と入れてください。