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人間には「不安」が付きまといます。 その不安の根源は、フロイトのいう「寄る辺なき存在」にあります。 生まれたばかりの赤ちゃんは自分一人では何もできず、養育者(母)の世話に頼らなければ、一時も生きられない。 だから、常に誰かの助けと支えが必要で、依存しなければ生きていけません。
そこに適切な世話をしてくれる母がいれば心は成長し、依存から自律に向えるのですが、適切な世話をし、いつも関心を向けまなざしと声をかけ、愛着してくれる母はほぼいません。 すると、年齢は重ねていき肉体は成長しても、心・精神はいつまでも赤ちゃんのままです。 それは、依然として寄る辺無く、弱く、何もできない「無力」な存在です。 これは屈辱的で、劣等感を抱きます。 自分が無力であるとは思いたくない、認めたくありません。
無力・無能な自分を否認する
一人では何もできず生きていけない、無能で無力な人間であることを否認して生きていきます。 無能で無力な自分を認めてしまうと、他者に頼り、「支えて助けて欲しい」と頼み、泣きつかなければなりません。 これをしたくない、言いたくないので否認して、死んでも人に頼むものかと意地をはって生きています。 人に頼むくらいなら死んだ方がましだと思い、人に弱みを見せたら負け、という勝ち負けの中で生きています。勝ち負けは自己の存在に優劣を付けます。 「劣っている」と言われたくないと、必死で歯を食いしばり生きます。こういう人は、睡眠時に歯ぎしりをしている可能性があります。 歯を食いしばり、歯ぎしりするため、歯は擦り減りボロボロになってやがて失ってしまいます。
母に守られ、助けられ、支えられたことが無いため、独りで生きて、他者と共に生きるということがありません。そもそも「共生」を知りません。
これまで、自分は何でもできる、何でも知っている、自分は優秀だと思っていました。 ところが、自分が無力でできないことを、無意識は知っています。 無力、無能、劣等な自分が顔を出さないように抑圧します。
威嚇と支配で防衛する
そのためには対人関係で、“力”を使い誇示ます。 他者を脅し、威嚇し、言うことをきかせ、支配し服従させる。 そうすれば、寄る辺なき存在で無力な自分ではないことを証明できます。自分は力がある、凄いと自己愛を保てます。 無力感の強い人ほど、常にそれを証明し続けなければなりません。
相手が弱いほど自分の言いなりにできるため、その対象に子供が選ばれます。 幼いほど脅しが効き、「ご飯を食べさせない」、「追い出すぞ」の一言で支配できます。 実際に、子供を家から追い出して入れないように鍵を掛けます。山に置き去りにする事件まであります。 これに言葉は要りません。行動で脅し、見捨て、暴力まで使えば簡単です。 守るべき子供を犠牲にしてまで、自分の力を示し自己愛を保ちたい。しかし、それに気づかないようにしている。 これでは人間ではありません。人間なら言葉を使って、子供を尊重し、説明し説得し、正しい方向へ導きます。 本来は愛を育むはずの家庭が、閉鎖空間であるため、中で何が行われているか見えない危険な場所になります。
勝ち負けにこだわる
もう一つ、力・無能の防衛のためによく使うのは、自分より優秀な人とは付き合わないことです。 そうすれば、自分は劣等感を持たず、優秀な自分として生き延びていけます。 例えば、自分より学歴の低い人、収入が低い人、能力が下と自分が思う人と付き合います。 競争して勝てる相手を選び、自己愛の傷つきを防衛します。 勝ち負けにこだわり、競争し勝つことに価値を置く生き方をしていきます。 そのために、人を排除し、蹴落とし、引きずり下ろし、あげくの果てには亡き者にしたい、消えて欲しいとまで思います。 そこで失われるのは、「共に」ということ。協力したり、思いやりを掛け合ったり、他人の立場に立って考えることなど、仲間という意識が持てません。孤立します。
愛は平等
人間は無力な存在であることから人生はスタートしました。 「人間は生まれると同時に、その絶対的無力をあらわにする。ところがそこにちゃんと母という 救いの手が用意されている。」 (『精神病の構造』 藤田博史 著 より引用)
平等の「平」の文字は頭を揃え、出しゃばらないで一列に並ぶこと。平等とは差別が無く、皆同じということです。 「愛は平等、愛の根本には平等観が必要だ」と、師は言います。
ライト.a精神科学研究所 登張豊実
(LAFAERO1 大澤秀行 『メタ言語』テキスト1より筆者まとめ) 参考文献『精神病の構造』 藤田博史 著
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2025.12.24 06:50:10
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