Lake Moraine ~Book Cafe~

2010/12/15(水)23:08

ゴーストハント 悪霊だってヘイキ! by 小野 不由美

本の感想 作家別-あ行(61)

リンが消え、綾子が消え、そして、ナルも消えた。朽ち果てた校舎の中で、麻衣はひとりぼっち?。ちがう、麻衣の手を握る小さな手が、ひとつ、ふたつ…7つ。「渋谷サイキック・リサーチ」の8人がやって来た廃校は、そこだけ時間が止まり、5年前のまま。生徒も5年前のままで、自分たちの生命がなくなったことも知らず、仲間をふやし続けている。メンバーを取り戻すため、闘う麻衣は、ひとり?ナルは、いない。~上巻~             「……やっと、見つけた……」                 ナルは湖畔にたたずみ、呟く。日本じゅうを旅しながら、             ナルが探していたものは、何?なぜ、             わずか17歳にして“渋谷サイキック・リサーチ”の所長なの?             夢の中のナルは、いつも麻衣に優しく微笑むのに、現実のナルは             微笑わないのは、なぜ?唯我独尊(ゆいがどくそん)、謎だらけ             のナルの秘密が1つずつ明かされ、残された言葉は「さよなら」?             でも、そのまえに言わせて、「好きだった」。~下巻~ 39・40冊目   十二国記で一切を風靡した小野主上の人気作品です。 ティーンズ向けですが去年の秋から今年の春にかけて アニメ化されて観ていて、ものの見事にはまりました。 どれくらいはまったかというと毎月DVDを 予約して買っているほどに。 本放送みてたしレンタルして○ビ○ングすりゃ~いいことなのに 珍しく欲しくってそろえている最中! ついでに”精霊の守り人”も買い出したので結構な出費  もう増やさないようにしなきゃ さて本作品、シリーズものですが文庫で発刊された後、 小野さん直々に同人誌を発表していたいなだ詩穂さんを 指名しての漫画化作品があり  昨年はアニメ化にいたったものです。 ちなみに漫画もアニメも”悪霊とよばないで”までで シリーズ最後の今作は小説以外では まだ発表されていません。 内容は “渋谷サイキック・リサーチ”という心霊現象 を調査する研究所(にしては規模は小さいか)に つどう愉快な仲間達 いやさ、仕事の協力を依頼された  霊媒師やら巫女さん、坊さん、エクソシスト、 探偵顔負けの調査能力をもつ大学生(初登場時は高校生)に、 はては中国の陰陽道師の助手、 そして そんなごたまぜの霊能者達をたばねて えらそうに指示を与える眉目秀麗、頭脳明晰 ただし性格に難ありの所長(たしか17才)が 依頼される事件調査にあたる様を   何の能力ももたない普通の(シリーズが進む中で徐々に開花) アルバイト高校生の麻衣の目を通して語られます。 最初、観た時は正直めんくらいました。 心霊現象などは全然興味がないのでよくわかりませんが、 仏教に神道に、キリスト教に霊媒   こんなごたまぜで事にあたるのか       と興味津々、あきれ半分  出会った経緯も寄せ集められたといった状態で 険悪モードですが 話がすすむうちに 仲良くなって心霊現象にあたる時も絶妙な     コンビネーションを発揮していくのも楽しいです。 心霊現象の説明や日本のマスコミの反応など考えされたり、 人の業の深さに戦慄したり、情愛に涙したりと面白いです。 キャラも魅力的(私の一押しは、ぼーさん) アニメよりは漫画が心霊現象などの説明が詳しく         原作はもっと細かいのでしょうね。 残念なのが漫画は購入できますが(作品名ゴーストハント) シリーズ原作8冊は絶版状態、アニメも結構好評で コミックは至る所で目にするようになったので 密かに小説の方も再販 (こんな時はなんというのでしょう語彙が足りないです) はないかとおもってたのですが、その兆候一切なし なんたってオークションで1万円下りません。 一冊がです。(プルプル)  出版社に対してすんごいビジネスチャンスなのに~馬鹿~と と自分の財布がふくれるわけでもないのに 再販がないのにキーキーしてました。     (原作者の小野さんの意向かもしれませんが) そんなことぼやいてたら友人が 「図書館にないの?ネットで検索して予約すれば分館でも 取り寄せしてもらえるよ」と啓示を   きまぐれにしか図書館いかず目についた本しか     借りたことのない私が無知でした。 悪霊シリーズは(アニメ化のせいか)ほとんど貸し出し中なので 1作目から読むのは無理とアニメでも漫画でも未見の シリーズ最終話を借りる事にしました。 よそうしていたように心霊現象などの説明は 小説の方がゆったりして分かりやすいなと納得 上・下巻ですが 調査にあたった心霊現象は上巻の終わりで クライマックスを迎え下巻の1/3位の所で解決をします。 残りはなにかというとずっとシリーズ全体の 謎解き、解説です。さすが小野主上! 実に大胆な構成です。 所長のナルの素性やら事務所開設の経緯等  ちゃっかりウィキみてしまった私はナルの本名を 知っていたのですが  それ以上の秘密があってというか 秘密でもなんでもないだろうと気にもしていなかったことが  大きな謎をかかえてたとかさすがだな~とうなることしかり。  麻衣の恋の行方にもほろりとさせられました。 反面、ナルの性格の悪さにはお墨付きがつきました。 地道に 今度こそ正真正銘の第一作から借りて読む事にします。

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