Lake Moraine ~Book Cafe~

2009/06/09(火)21:20

尻啖え孫市 by 司馬遼太郎

本の感想 作家別-さ行(19)

数十年振りの司馬遼太郎作品 尻啖え[くわえ]孫市  なのに   ずっと 尻吠え[ほえ]孫市だと思い込んでました おまけに 孫市が 雑賀孫市のことだと            つい最近気がついた、、、 といっても 雑賀孫市の名前を知ったのは  ミラのコミック版   「CLAWLESS HAWK」だったんですが、、、 織田信長の岐阜城下に、真っ赤な袖無羽織に二尺の大鉄扇、 「日本一」と書いた旗を従者に持たせた偉丈夫がふらりと姿を現した。その名は雑賀孫市。鉄砲三千挺の威力を誇る紀州雑賀衆の若き頭目だった。無類の女好きが、信長の妹を見初めてやってきたのだ。孫市を何とか織田方に引き入れようと、木下藤吉郎は策を巡らす。はたしてその姫君とは…。戦国を駆け抜けた破天荒な快男児を描く痛快長編! いや~ やっぱり 司馬作品は 主人公が かっこいいです! 2~3ページ読むだけで 陽気でさばけた気性の孫市に 惚れ込んでしまいました。 部類の女好きながら 女性を馬鹿にしていない  肩に触れて挨拶しても セクハラ扱いされないタイプ 対する女性陣も秀吉の正妻ねねしかり、  びしっと筋が通った人物描写で 男女問わず登場人物の存在感のバランスの良さが  司馬作品の魅力のひとつだったな~と ほっこり 「講釈師見てきたような嘘をつき♪」 よろしく 戦に火縄銃を持ち込んだ戦略 合戦の様子が迫力一杯に描写され 雑賀衆はもちろん、根来、織田群の  火縄銃を含めた戦力図 当時の一向宗の存在の意味、勢い等 物語を楽しみながらしっかり日本史に対する 興味も再燃させてくれました。

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