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2018年08月16日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
・紹介したいブログ記事を以下にあげていきます。


[2336]
 今、世界で何か起きているか。
 これからどうなるか。
(重たい掲示板)
 投稿者:副島隆彦
 投稿日:2018-08-0716 11:35:11
 http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

 副島隆彦です。
 今日は、2018年8月15日(水。敗戦記念日)です。
 あ、もう、16日になったよ。 

 世界の動きが、
 急に、慌ただしくなった。
 この秋の動きが、分かってきた。

 トランプ大統領が、
 諸外国(米国以外のすべて)を虐めて、
 お金をぶったくって、
 アメリカに、持って帰るか、
 資金がアメリカに流入するように、
 強引な、外交をやるものだから。

 世界中を怒らせている。
 トランプにしてみれば、
 国内優先、自国民優先で、
 デブの白人労働者階級を、喜ばせて、
 彼らの仕事が来るようにしてあげることが、
 最優先だ
 これは、当然のことで、
 これが、「アメリカ・ファースト!」だ。

 副島隆彦が、
 いくら、コトバを、
「バカども!
 アメリカ第1主義などと訳し続けるな、
「アメリカ国内優先主義」と訳せ」と、
 テレビ、新聞の記者たちに、言っても、
 まだ、やろうとしない。
 ようやく、「自国優先」と、
 訳しだした記者どもがいる。

 彼ら、白人の下層階級の半分、
 失業しているような連中が、
 従来は民主党支持だったのだが、
 これを、トランプ支持にして、
 この11月6日の、中間選挙で、
 トランプ共和党が、勝たなければいけないからだ。
 下院議員で、235議席は、
 最低でも取らなければいけない。
 そうしたら、民主党は、200議席だ。
 今が、これぐらいだ。

 そうやって、トランプが、勝って、
 そのあとは、もう、12月のクリスマス商戦だ。
 アメリカ人は、子供に、
 300ドルとかの贈り物をしないと、
 立つ瀬が無い国民だ。
 だから、トランプは、
 クリスマスまでは、何とか、景気をもたせて、
「景気、いいだろ。いいだろ。オレの努力なんだぞ」と、
 ツウィッターでも、書き続ける。

 そして、一月になったら、
 がらっと、株価を落とすだろう。
 それが、目に見えている。
 次は、その2年後の、次の大統領選挙に向かって、
 自分の再選のために、闘う。

 しかし、もうすぐ、9月に入ったら、
 どうも金融、経済が、
 世界的におかしくなってゆく。
 トルコ・リラの4割急落、と
 トルコ国債が、9%の利回り上昇で、
 つまり、国債暴落が、始まっている。
 アルゼンチンは、政策金が、45%になっており、
 すでに、破綻国家だ。

 この動きが、
 ヨーロッパの銀行に、波及して行く。
 ヨーロッパの銀行が、
 トルコやらに、貸し込んでいる。
 メルケル首相は、
 ドイツ銀行の破綻危機を、
 なんとか回避しようと、必死だ。
 トランプは、
 ヨーロッパ危機までなら、知らん顔を出来る。
「オレの知ったことか」と。

 ところが、
 日本国債10年物が、
 0.17%とかになっていて、
 アメリカの大物投資家(ヘッジファンド)たちが、
 肝を冷やし始めている。
 日本国債が、0.2%までに、なると、
 おかしな動きが起きる。
 国債暴落が、
 一国の経済破綻を引き起こしそうだ。
 国債=長期金利のところに、
 大きな、打撃、ひずみが、起きそうだ。
 これが、これからの
 世界危機、世界恐慌への道だ。

 日銀の黒田は、今年もまた、
 すでに、30兆円(3000億ドル)を、
 日本国債の形で、
 アメリカ財務省に差し出したようだ。
 それで、黒田は、死んだような顔をしている。
 QE(緩和マネー)を、まだまだ、やらされる。
 アメリカの命令に、
 安倍政権は、ひと言も逆らえない。

 トランプは、
「オレが、外国から、資金を、取り上げ的だぞ。
 だから、21兆ドル(2400兆円)ある
 連邦政府の債務の利払いが、
 ようやく出来るようになったゾ」と、
 ツウイッターに、正直に、ペロリと書いた。 
「一年間の、国家の財政赤城の、利払い分だけでも、
 その資金の、2兆ドル(22兆円)だけでも
 オレが、稼いで来てやる」、
「それと、司法省を使った、
 CIAの産業スパイとの連動の、
 世界中の大企業、ぶったくり、の脅しでの、
 資金奪い取りだ。

 これらの、生臭い、
 本当の、政治の裏側の、一番、大きな動きを、
 私、副島隆彦以外は、
 誰も、書かない。知らない。 
 アメリカ政府は、
 60兆ドル(6600兆円)の財政赤字を、
 抱えているのだ。 
 新興国のドルだけの債務が、
 3.4兆ドル(400兆円)あって、
 これが、どんどん、アメリカに還流している。
 これには、中国からの資金流出も、含まれる。

 ところが、
 新興国の財政赤字、国債残高のひどさ、
 と言っても、
 そんなもの、世界の1割だ。
 本当に、ヒドいのは、
 先進故国に、隠れ財政赤字、大借金だ。
 9割は、先進国に決まっている。
 アメリカと、ヨーロッパEUと、日本だ。

 日本は、すでに、アメリカに、
 裏から、1400兆円から、1600兆円の資金を、
 脅迫されて、この40年間で、貢いでいる。
 黒田のあの顔を見ていたら、分かるだろ。

 私、副島隆彦が、
 この1400兆円(14兆ドル)の、
 アメリカへの、
「食えないカネ」「コンクリートで出来たカネ」の 
 朝貢(ちょうこう)、差し出しを、書いてきた。

 この大きな真実を抜きで、
 金融や、経済の専門家、エコノミストぶるな。
 私、副島隆彦と本気で、
 この大きな真実を巡(めぐ)って、
 対決できると思っているのか。

 ついに、ドイツのメルケルが、
 本気で、トランプに怒り出して、
 トランプが、
「ドイツを、ロシアの侵略からまもってやっているのは、
 アメリカだ。
 もっとドイツは、国防予算を、
 GDPの4%まで、増やせ」と、
 脅しあげるものだから。

 メルケルは、
 ドイツ第4帝国(クワトロ・ライヒQuatro Reihi) の
 意地に掛けて、動き出した。 
「よくも、トランプ、言ったわね。
 ドイツを、怒らせて、
 軍備増強しろ、などど、言って、
 本当に、ドイツが、軍事国家になったら、どうなるか、
 見せてあげるわよ。
 これまでは遠慮してきたけど。

 ドイツ人は、団結しているのよ。
 アメリカにバレないように、じわじわと、
 しっかりお国からね」と、
 なりつつある。

 イギリスと、フランスは、
 上品に気取った、貴族様のようにして、
 もう、貧乏のくせに、バカにされながらも、
 アメリカにしっかりくっつくようだ。

 ドイツは、
 他の弱小の、ヨーロッパ諸国を率いて、 
 ロシアのプーチンと、組む。
 そして、中国の習近平とも組む。 
 そうやって、ユーラシア同盟が、出来て行く。 
 ユーラシア大陸に、
 世界覇権(ワールド・ヘジェモニー)が、
 移って行くのである。
 私、副島隆彦は、
 すでに、何冊もの本で、
「ユーラシアの時代が来る」と
 書いたとおりになる。

 アメリカが、諸外国をぶったくって、
 資金を奪い取っても、
 どうせ、その跳ね返り(ブローバック)が、
 アメリカを襲う。
 隠れている、巨額の、
 その米国債発行残高(かくれの財政赤字)の
 60兆ドルの重荷が、崩れだす。

 この紙切れの、ドル札と、米国債を、
 今、アメリカは、
 必死で、長期債30年ものを、 
 50年者、80年者、
 なんと100年ものに、洗い替え、
 ロールオヴァー、しつつある。
 金利分を組み込んで、
 100年債に切り替えれば、文句ないだろう、
 という魂胆だ。

 この違法な、
 隠れの通貨と国債の過剰発行で、
 一部が、株式市場に流れて、
 それで、株高を作って、
 それで、
「アメリカは景気がいい、景気がいい」とやってきた。
 が、それがいつまでも続くことはない。
 ドル暴落と、米国債暴落(長期金利の暴騰)が、
 起きることが、
 だんだん、はっきりしてきた。 

 トランプは、国内政治では、
 自分の敵の、ヒラリー派の
 Moonie ムーニー、統一教会の、反共人間の、
 FBIとCIAの高官たちを、
 叩き潰す、仕事で、大変だ。
 それでも、11月の選挙のあと、勝ったら、
 いよいよ、頭目のヒラリーを、
 米議会が、召喚して、
 議会裁判に掛けて、
 有罪で、投獄する、という
 動きになっている。

 こういうことが、
 世界と、日本の目の前の動きだ。

 それで、私は、個人的なことだが、
 1昨日、尿道が詰まって、
 痛くて、痛くて、大騒ぎで、
 尿漏れも激しく起こして、
 昨日、東京の逓信病院に
 血相を変えて駆け込んだ。
 そこで、3月に、
 前立腺肥大の削り取りの呪術を
 してもらったからだ。 
 そうしたら、
「どうして、もっと早く、来なかったのですか」と、
 叱られたあと、
 若い女医さんが、私のペニスの尿道に、
 金属の棒を、直径1ミリのものから、
 順番に、突っ込んで、
 最後は、直径1センチぐらいの金属棒を
「ズズズ」と、突っ込んでくれて、
 そして、
「はい。通りました。
 カテーテルは、入れなくていいでしょう」と、
 にっこり笑ってくれた。
 これで、私の悲劇は、
 一瞬で、喜劇になってしまった。
 ことなきを得た。
 尿道狭窄症と言うのだろう。 
 私の人生の みっともない危機のひとつだった。
 ああ、よかった。
 歳を取ると、
 いろんな、体の問題の、
 恥を晒さなくてはいけなくなるものなのだ。
 みんな、きっと、
 自分のいろいろな、体の問題を抱えているんだろう。
 歳を取って、老人になるとは、
 こういうことか。

 私が、去年書いた、
『老人一年生』(幻冬舎新書)を買って読みなさい。  
 いろいろ、すごいことが書いてありますから。
「老人は、痛いんだよ」から始まって。

 それで、以下に、長々と載せるのは、
 私の弟子の中の優秀な人間が、訳してくれた、
 世界戦略家の、ヘンリー・キッシンジャーについて、
 論じた英文だ。
 重要な、戦略が書いてある。
 これは、CIAの理論部門が、運営している、 
 ストラッドフォー Stradofore という研究所が、
 出していて、
 そこに女の戦略家が、書いた文だ。

 翻訳文は、
 私が、後日、あれこれ、手直ししますから、
 とにかく、以下の分を、読みなさい。

 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

・‘Trump, Kissinger and the Search for a New World Order“
(「トランプとキッシンジャー、新しい世界秩序の探求」)

 By Reva Goujon(レヴァ・グージョン)
 VP of Global Analysis, Stratfor
(ストラットフォー、国際分析副総長(Vice President)

 On Geopolitics 地政学

 Stratfor Jun 22, 2018 | 07:00 GMT
 ストラットフォー(Stratfor)  2018年6月22日
 https://worldview.stratfor.com/article/trump-kissinger-and-search-new-world-order

 概要

 アメリカは、
(国外のことに)無関心な態度に戻った。
 そして、中国がさらに勃興し、ヨーロッパは分裂し、
 モスクワと北京との戦略的な協力関係は
 ますます強化されている。
 すべては、国際関係を不安定なものにしている。

 ベテラン外交官のヘンリー・キッシンジャーによると、
 新しい競合する国際(グローバル)システムに、
 柔軟性と実用性を持たせるためには、
「ウエストファリア(ヴェストファーレン)条約」
(訳者注:近代の国際法の始まりとなった、
 ヨーロッパの宗教大戦(三十年戦争)を終結させた、
 ヨーロッパ諸国による平和条約。1648年締結)の原則を、
 基本とすることが必要である。

 朝鮮半島の運命について、
 アメリカと中国が理解をしあえるかどうかの可能性(見込み)が、
 いま新たに出現しつつある新しい世界秩序の
 実験場となるだろう。

 ドナルド・トランプは、
 まったくもって予測不可能な大統領である。
 しかし、外交の話となると、
 それはまさにトランプにとって、
 最も有効な外交の資質となる可能性がある。

 結局、アメリカが、
 無関心と過剰な反応を交互に使い分けられる能力は、
 生来の強力な地政学の基盤に基づいた、
 その遺伝子のなかに埋め込まれているのだ。

 ホワイトハウスの
 機知に富んで柔軟な(変わりやすい)精神は、
 荒波を引き起こすこともあるが、
 少なくともいくつかの環境においては、
 機会を生み出すことにも使われうるだろう。

 キッシンジャーのような戦略家の大御所は、
 トランプにも時折アドバイスをしていることで知られるが、
 トランプ大統領政権のなかに
 そのような機会を見出しているようだ。

 キッシンジャーは、現在95歳であるが
 頭脳明晰であり、
 多数の大統領と大統領候補に対して
 外交政策の立案を手伝い、
 また、密かに(他国の要人との)
 定期往復外交を行うことで仕えてきた。

 キッシンジャーの、
 しゃがれ声で長々と独白される外交指導は、
 世紀の国際的な課題とうまく渡り合えるような
「新しい世界秩序」を構築するという、
 彼の探求を中心としている。

 冷戦期には中ソ関係を引き裂き、
「ニクソン中国へ行く」というキャッチフレーズを
 生み出した人物として、
 キッシンジャーは、その人生の大部分を、
 中国を勃興させることに費やしてきた。

 現在、ベテラン外交官は、
 急激に変化を続ける環境の中で、
 新しい秩序を構築しようと尽力している。―
 それは、今日のアメリカにとって
 最大の頭痛の種である
 北朝鮮問題への解決策に始まる。

 ------------------------------------------------------------------

 概要、全体像、大局

 これからの数年間で、
 アメリカとロシア、中国のあいだで
 展開される覇権争いが、
 国際システムを決定するだろう。

 この覇権争いがさらに加速すると、
 朝鮮半島が、
 帝国のあいだにくさびを打ち込む形で、
 必然的に作用し始める。

 ドナルド・トランプ大統領の戦術は
 深く分裂しているが、
 彼の北朝鮮への提案は、
 北東アジアにおける中国との
「力の均衡(バランス・オブ・パワー)」を
 先導しようとする、
 より深い戦略に基づいている。

(See 2018 Third-Quarter Forecast See Coping With a Nuclear North Korea)

 ------------------------------------------------------------------

 衝突の避けられない針路にあって

 キッシンジャーの最新の著作
「世界秩序(ワールド・オーダー)」において、
 ベテラン外交官は、
 世界秩序を形成しようとするこれまでの試みの中で、
 どのようなタイミングで、
 またどのような環境において、
 成功したり失敗してきたのか説明するように、
 歴史に問いかけている。

 キッシンジャーの見解では、
 世界秩序のひな型は、
 1648年に「30年戦争」が終結した際に出現した
「ウエストファリア型の勢力均衡(バランス・オブ・パワー)」であった。

 それは、
 他国を打ち負かしてしまうほど強力ではない、
 お互いに同格の覇権国どうしによる国際システムである。
 ヨーロッパ大陸における、
 相対的で柔軟な均衡を維持することが正当であるという
 意識(観念、感覚)を分かち合い、
「国家の主権(統治権、支配権、sovereignty)」という考え方を
 抱擁するモデルに基づいていた。

 もしある一カ国が、
 単独の覇権を獲得しようとしたり、
 二流の準覇権国が、
 秩序を乱すような行動で
 主要覇権国のランクに強引に入り込もうとした場合は、
 世界秩序の暗黙のルールによって、
 新興してきた脅威に対抗するための
 実質的な同盟が発動される。

 キッシンジャーは、
 このウエストファリアの国際秩序を、
 最終的には崩壊させてしまうほどの強力で
(おそらく避けられない)力があったことも認識している。
 それは、ナショナリズムであり、
 ドイツの統一であり、
 またイギリスの無関心、
 それから、ロシアによる
 ヨーロッパ大陸のあら捜しであった。

 同時に、キッシンジャーは、
 20世紀の(戦争による)大量虐殺は、
 国家の指導者たちが、
 自分たちの地政学的な環境を読み間違った、
 計算間違いによる結果であったのだと、
 深く嘆いている。

 キッシンジャーの多くの執筆や証言が示しているように、
 キッシンジャーはリタイアした人間ではない。
 この大胆で勇敢な90代の老人の使命は、
 新しい力の均衡を築くことによって、
 地球規模の悲劇を防ぐことである。

 今日の世界を調査(測量)してみると、
 冷戦後の世界秩序における緊張関係が、
 容易に指摘される。

 アメリカは、
 これまでどおり強力であるが
 もう無敵ではない。
 中国が、アメリカと同格のライバルとして
 急激に勃興している。
 より力は弱いが、抜け目なく慎重なロシアは、
「アメリカによる世界秩序」を
 弱体化させようという目論見に誘われて、
(今のところは)中国の北京政府と
 戦略的に連携している。

 これら(米中の)二極の板挟みとなって、
 ヨーロッパ諸国は分断されており、
 効果的な仲介者としての役割を担えずにいる。
 いっぽうで、
 日本やトルコ、インドなどの地域大国は、
 これら(米中露)の覇権大国のあいだの流動的な空間に、
 いまでも自分たちの立ち位置を見つけようとしている。

 言い方を変えると、
 世界は拡大する不均衡の中にいるのだ。
 中国とアメリカという、
 地球の正反対に位置する二つの国家は、
「歴史的な例外主義」をそれぞれに主張しながら、
 現在の国際システムの中心を形成している。

 自らの世界における中心として
 何世紀も君臨してきたあと、
 中国は西洋諸国が先導する国際秩序にねじ込まれた。
 中国は、その国際システムを決定する役割も
 はたしていないのにだ。
 キッシンジャーが警告するように、
 やがて中国が、
 現代のニーズに見合うような、
 いまの時代にふさわしい国際ルールに改定することを
 期待されるようになるだろう。

 トランプがホワイトハウスにとどまろうと、
 習近平が終身の国家主席を続けようとそうでなかろうと、
 経済的な安全を確保しようとする中国の進撃は、
 国際的な経済の独占を維持することを責務と考える
 アメリカとの衝突が、避けられない。

 そして、もしアメリカが、
 勃興する中国と共存して
 勢力のバランスをとる方法を見出せなければ、
 今世紀はまた、
 世界覇権をめぐる政治のなかで、
 新たな、そしておそらくずっと悲惨な悲劇を
 目撃することになるだろう。


 北朝鮮という、リトマス試験紙

 朝鮮半島の運命が、
 新たに出現しつつある世界秩序の実証となるのだ。
(米中という)二つの帝国のはざまにくぎ付けにされて、
 韓国は、いよいよ大国の餌食となりつつある。

 もし韓国が、
 より強力な近隣諸国とのバランスを維持しているという
 体面を保ちたいならば、
(朝鮮半島の)統一の道を探さなければならない。
 それがたとえ過去70年間のもっと良かった時期でさえも、
 障害だらけの道のりであったとしてでもである。

 最初の朝鮮半島統一の企ては、
 大国どうしの引き分けに終わった。
 金日成が、ソビエトと、
 彼らの同盟国である中国とのあいだの、
 相互の疑心暗鬼(被害妄想)をうまく利用して、
 1950年に、
 南部(韓国)に侵攻するという承認を
 取り付けている。

 しかし、
 アメリカの予測不可能さを見せつける他の事例として、
 アメリカは、ためらい迷いがちだった態度から急転して、
 冷戦の戦略的な計算から、
 中国との国境にある鴨緑江(おうりょくこう)に
 北朝鮮人を押しやるという断固とした決断をした。
 これによって、朝鮮半島の統一を
 ワシントン政府の管轄下に収めたのだ。

 キッシンジャー元国務長官が解説するように、
 1953年当時、
 中国を侵略していた日本占領軍を、
 鴨緑江(おうりょくこう)の国境から撤退させるために、
 毛沢東が、
 やむをえずアメリカの侵入に応じたのと
 おなじような必要性が、
 現在の北朝鮮問題にもあるのだ。

 ソビエト連邦が
(アメリカにとって)最優先課題だった時に、
 中国を飛び越えて首を突っ込むことを
 望まなかったアメリカは、
 戦略的な抑制を実行した。
 朝鮮半島における米軍の規模を縮小し、
 北緯38度の緩衝線に配慮(順守)した。

 中国とアメリカは、もう一度、
 お互いの覇権争いをうまくまとめるために、
 朝鮮についての合意に達することができるだろうか。
 米中両国とも、
 北朝鮮の核兵器庫を無力化させることで
 利益を得ることができる。

 どちらも、
 アメリカによる朝鮮半島への軍事介入が、
 どうして中国を簡単に戦争へ引きずり込んでしまうのか、
 歴史から理解している。
 そして、両国とも、
 朝鮮の統一への道のりに影響を与えることができる
 防衛や経済、政治的な手段を
 十分に持つ立場にあるのだ。

 朝鮮半島が、これからも長期にわたり、
 アメリカと中国の対立の舞台となるだろう。
 しかし同時に、この場所が、
 ワシントンと北京の、
 北東アジアにおける「力の均衡(バランス・オブ・パワー)」が、
 どのように展開するかという将来性(可能性)を
 示してくれることにもなる。

 トランプ大統領の、
 北朝鮮に対する型破りな取り組みは、
 この戦略的なパラダイム(枠踏み)に適合する。
 トランプによる、
 7月12日の北朝鮮との会談を中止するという、
 無作法で性急な宣言が、
 平壌政府に、
 予測不能なことを
 米大統領に対しての外交のカードにすることを
 止めさせたように見える(今のところだが)。

(米朝会談において)
 非核化についてまったく詳細を欠いており、
 また、最終的な宣言で
 人権についての話し合いも欠如していたことに
 憤慨している批評家(コメンテーター)たちは、
 北朝鮮のような、
「核を保有するならず者国家」に対する、
 伝統的で数十年も前の時代遅れの
 核封じ込めのアプローチ方法が、
 これまで見事に失敗してきたことを
 思い出すべきである。

 もしアメリカのワシントン政府が、
 人権問題はともかく、
 北朝鮮の非核化について、
 技術的な高官どうしの対話・協議を始めていたら、
 すぐに壁に突き当たっていただろう。
 その代わり、シンガポール会談は、
 硬直化して(詰んで)いた現状を打開するという、
 米朝両方の政治的な意思を示したことにはなる。
 それ以上でも、それ以下でもないが。

 米朝合意が崩壊するという恐れ(亡霊)は、
 どちらもともに過激で気の短い、
 アメリカと北朝鮮のリーダーたちによるこれからの交渉で、
 やっかいで傷つきやすい非核化の問題のなかで、
 必然的に立ち現れてくるだろう。
 しかし、彼らの対話の戦略的な基盤として不可欠だ。
 実際のところ、この事実が、
 これらの交渉を後押ししている。

 トランプは、近代のアメリカの歴史上、
 最も過激な大統領だろう。
 過激な戦術というのは、
 アメリカ国内の伝統(保守)主義者を
 当惑させるものだ。
 結局、機敏に同盟を組んで行くことが、
「力の均衡(バランス・オブ・パワーという現実主義=リアリストの)」政治には、
 必要条件である。
 だから、トランプ大統領の強硬な(タカ派の)経済協議が、
 多くの同盟諸国を恐れさせ、
 分裂・対立させているが、
 この世界的な覇権争いでは、
 機敏に同盟を組むことが、
 必要な要素なのだ

 しかし、トランプ大統領のすべての動きが、
 完全に戦略を失ったものであるということではない。
 キッシンジャーのように、
 古参の外交政策の指導者の助力で、
 朝鮮半島での調停(合意)は、
「新しい世界秩序」を構築するための
 数ある「設計図(青写真)」の一つとして、
 役割を果たすのだろう

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦拝 












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最終更新日  2018年08月16日 20時35分16秒
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