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カテゴリ:日々
「指輪物語」が好きです。
第六巻まである小説は、挫折してしまったのですが、映画を見てすっかり心を掴まれました。 長い長い物語は、大変なことばかりで、けして愉快なストーリーではないけれど、 なぜか繰り返し見たくなります。 ![]() 主人公フロドは、指輪を譲り受けるという重い「運命」を背負い、過酷な旅に出ます。 のどかな生活を愛していたホビットの青年フロドが、様々な争いごとに巻き込まれ苦悩しつつ、愛や勇気を糧に、その使命を果たすのです。 そんな苛酷な物語なのに、彼に用意された最終章は、栄冠とか歓喜とか、そんな華々しいものではありません。 そこにあるのは、ただただ「深い安堵」なのです。 3月も明日で終わり。 長い冬を経て、ようやく春がきます。 枯葉と残雪の庭は、まだ美しいとは言えません。 茶色くて、湿っぽくて、地味そのもの。 薄緑のフキノトウが優しく芽吹いているだけ。 でも、そんな庭だけど、うろうろと歩き回るのが楽しい……。 ああ、やっと春が来るという気持ちに、ほっと安堵のため息がでるのです。 そして、ふと「指輪物語」の最終章を思い出します。 ![]() 毎年同じことしてるなぁ…と思います。 春の喜び、夏の輝き、秋の実り、そしてまた厳しい冬。 でも、この繰り返しが生きることなのだ、それも悪くない、と思えるようになりました。 そう思えるようになるまで、半世紀以上かかりましたが(笑) 4月から新しい生活が始まる方、多いと思います。 楽しいことばかりじゃないけれど、嫌なことばかりでもない。 精一杯、自分の道を歩んでいったなら、必ずほっと息をつける春の一日のような日も訪れます。 小さなごほうびは、あちらこちらに隠されています。 日日是好日。 だいじょうぶ、だいじょうぶ。
Last updated
2021.03.30 19:08:08
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