|
カテゴリ:カテゴリ未分類
巨匠、小津安二郎監督の作品の中でも、特に有名で人気の高い作品・・・それが「東京物語」ではないでしょうか?☆
私も何度も見ている作品ですが、見る度に自分の視点が変わって来ている・・・その事に気付かされます・・・☆ 尾道で生活する老夫婦は、今は独立して、様々な地で生活している子供達に会いに、旅に出ますが・・・☆ それぞれ歓迎してくれるものの、自分達の生活で精一杯の子供達は、懐かしい親子の再会を落ち着いて楽しむ余裕も無く・・・☆ 心寂しく思いながらも、どこかで悟り、どこかで諦め、どこかで納得している老夫婦の面影・・・☆ そんな二人を、心から歓迎してくれるのは、戦死した次男の嫁だけ・・・☆ なんとも寂しくなる様な・・・そんな実際の生活の中でも、よく見られる光景を、小津監督はひたすら優しい視点から、そんな世界を描いています・・・☆ 初めてこの作品を見た時、私は次女・京子の視点から、この作品を見ていました・・・☆ 冷たい(と、当時は思いましたw)子供達に憤り、悲しむ若き女性・・・☆ けれど時間が過ぎ、色々な経験も積む内、これも仕方の無いこと・・・みんな自分のことで精一杯・・・それが決して正しいこと、肯定できることでは無くても、それもまた人生・・・そう思える様になりました・・・☆ 帰省した老母の容態が、急に悪くなり、突然の死・・・☆ 嘆き悲しむ子供達・・・けれど嘆きながらも、淡々と葬式やら形見分けの準備をする子供達・・・☆ 思わず笑ってしまいました・・・☆ その様な光景は、これまで私も何度と無く見て来たものですから・・・☆ 京子の気持ちが解りつつ・・・それでも視点は杉村春子の方へ・・・w☆ それが悪い事ではない・・・酷い事でも、冷たい事でも無い・・・☆ 唯・・・京子の立場にいられる事は、実は幸せで恵まれていることなのだ・・・そう思います☆ 小津安二郎のカメラは、淡々と優しく映画を撮りながら、そんなことを呟いている様に思います・・・☆ それも人生なのだと・・・☆ ラスト・シーンの、笠智衆さんの演技と存在感が、頭から離れません・・・☆ 追記・・・戦争未亡人で、老夫婦に優しく接する、義理の娘役を演じた原節子さん・・・☆ 映画史に残る、品の良さと優しさ、そして美しさを残した原さん、当時32歳か33歳・・・☆ この作品で次女・京子役を演じた香川京子さん(当時21か22歳)が、インタビューで語っていた事ですが・・・☆ 原さんが香川さんに「あなた若くて良いわね・・・」と、呟いたとか・・・☆ 自分も若くて、それだけ美しい原さんが、何故その様な事を自分に言ったのか・・・香川さんは不思議に思われたそうです・・・☆ この作品から9年後、原さんは映画界から去る事に・・・☆ 少しづつ、原さんは自分の中で、映画界を去る準備を初めていた・・・のでしょうか?☆ 追記2・・・老母役の東山千栄子さん・・・☆「東京物語」では、日本のおっ母さん・・・と言った風情でしたが、元々は黒澤明監督の「白痴」で見せた演技の方が、彼女の得意技・・・w(舞台でも彼女の当たり役だったとか・・・☆) まだ「東京物語」の東山さんしか知らない方が、「白痴」をご覧になったら、ビックリするでしょうね・・・w☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|