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☆★終わりなき旅★☆~世界の旅行記~★☆   ☆☆~Endless Journey~☆☆     

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ハルピン-北京-丹東

『中国・旧満州国周辺旅行記』 ~ハルピン-北京、北朝鮮との国境・丹東~


満州里からは夜行列車でハルピンへ向かった。私の近くの寝台には3人組のビジネスマン風の男達がいたのだが、マナーが悪かった。消灯後も酒盛りしながらトランプをし、挙句に人が寝てる中にタバコを吸う始末。列車内はデッキ以外は禁煙なのに、奴らはルールを守らない。嫌煙家の私は、仕方なく毛布に顔をうずめて寝た。

中国の経済はかなり発展したが、中国人のマナーは依然として発展しない.......。

さて、朝方ハルピンに到着。ハルピンの次は、黒河というかなり北に行った所にある、これまたロシアとの国境の街に行く予定のため、黒河行き列車専用の切符売り場に並んだ。しかし、朝早いせいか、この窓口だけ開いていなかった。3・40分後にやっとオープン。その日の切符は無いらしく、翌日の切符を手に入れた。

その後、早速宿探しをした。歩き方には安宿らしきものがなく、事前に楽天トラベルでリサーチした結果、駅近くに1軒そこそこ安い宿をマークしていた。通りの名前と宿の名前をもとに10分弱歩くと、見つかった。
『遠東賓館』シングルで確か100元位だった。まあ仕方ない。

一休みして、市バスで市内観光に出かけた。
目指すは『中央大街』。帝政ロシア時代の建築物が並ぶ、ハルピン随一の繁華街である。確かに立派な欧風な建物が多く並んでいた。また、多くの現地人がショッピングを楽しんでいた。ロシアの土産物屋も結構あったが、ロシア人と思われる人々は見かけなかった。現地人に紛れながら写真をたくさん撮っていたのだが、特に白めで見られることも無く、外国人に興味が無いのか、或いは中国人と思われていたのか。
一昔前の中国なら、街中で写真を撮っているだけで、珍しがられていたものだが。これも近代化の影響だろうか。

ハルピン中央大街
ハルピン中央大街

結構歩き周り、写真も撮ったところで昼食にした。『和風拉麺』という日式拉麺と日式定食の店に入った。そういえば、中国入国以来、まともな食事をしていなかった。
この店で和風拉麺を食べ、ロシア風の教会を見学した後、宿に戻った。

ハルピンのロシア風教会
ハルピンのロシア風教会



ベッドに横になって夜まで仮眠を取ろうとすると、非常に寝つきが悪い。次第に頭痛を感じ、痛みが増していく中、突如高熱に襲われた。多少寒気も覚え、嫌な汗も噴出し始めた。
初日からの夜行列車続きに、長距離移動。日夜の寒暖の変化。栄養不足も多分に影響したと考えられる。
薬を飲んだりして、数時間が経ったが、熱は一向に下がらなかった。苦しむであろう夜に備え、近くの商店で水とスポーツドリンク、バナナを買い込んだ。

そんな中、冴えない頭で今後のことを考えた。
明日の黒河行きは断念しよう。あんな辺境地に行く途中で何かあったら、ヤバい。黒河の街にもロクな病院なんてある訳がない。
そうだ、北京に避難しよう!

こうなったら、何とか起きれるようになった体で、駅まで行き、黒河までの切符をキャンセル。そして、日に4便前後ある北京行きの列車の切符を買おう!運良く、また予想通り朝一番の列車のみ空席があり、購入出来た。

この瞬時の判断は、結果として正解だった。朝一番の北京行きの特快列車に乗り込み、その日の20時前には北京駅に到着し、駅前のユースホステルにチェックイン出来た。

7年前には無かった、北京駅前の立派なユースホステル。以前は、北京西駅から離れた、京華飯店に泊まっていたものだ。
このユースは、ユースホステルの会員カードも発行出来て、しかも70元と日本で発行する価格の半額以下だ。しかも、部屋は綺麗でテレビ・エアコン付。公共の24時間ホットシャワーと、無料で使える洗濯機と乾燥機。隣にはスーパーがあり、吉野家も徒歩2分。今までは孤独だったが、ここには色んな旅行者がいる。

しばらく、このユースでゆっくりすることにした。

滞在中には、中国好きな京大生、初めての個人旅行で中国に来た、私と同じ大学に通っている翼、青島生まれで日本語より中国語が堪能?なカツ、中国東方航空で北京経由でヨーロッパを周遊し、再び北京に戻ってきた東大生の4人と知り合った。

そして同じ部屋のマレーシア人のおじさんは、弁護士をやっていて、北京には何をするべくもなく滞在しているようだった。このおじさんは親切にも、色々と私の体調を心配してくれたり、気遣いを頂いた。
ある日、古びたパンをゴミ箱に捨てたら、おじさんが

「外にいる貧しい人達に、このパンをあげたいんだけど。」
と言ってきた。思わず自分が恥ずかしくなってきた......。そして彼の態度には非常に感心させられた。

結局、この『北京城市青年酒店』には4泊した。

前半の2泊はひたすら休養した。後半の2泊は、カツと翼と一緒に、天安門・盧溝橋・抗日戦争記念館・胡同(北京の歴史ある古いエリア)等に行き、私の誕生日祝いに王府井でワンタンを食べながら1杯やった。

そして、私が北京の次は北朝鮮との国境の街・丹東に行く旨を話すと、2人とも便乗して同行することになった。
「行く行く!こりゃー面白そうだ。」「しかし、満州里といい丹東といい変わった所好きだねぇー」
彼らは口々にこう言った。

そもそも、カツとは中国好き、しかもアメリカ人の彼女がいるという奇遇な共通点があり、翼も私の大学の後輩に当たる。
この度重なる偶然と、北朝鮮が見れるというシュチエーションに、我々は、大いに盛り上がらずにはいられなかった。

そういえば、盧溝橋・抗日戦争記念館を見た帰り、北京駅に向かう地下鉄でこんなことがあった。

我々が偶然乗り合わせた車両に、アメリカ人の若い男の人がいた。どうやら北京発上海行きの列車に乗り遅れそうだ、ということだった。
そこで中国人の血を持つ青島生まれの、熱血漢であるカツが、彼をサポートすると言ってきた。時間的には、走れば間に合うだろう位のタイミングだった。彼は上海人の彼女がいて、日本語・中国語も堪能。なぜなら、日本企業のゲーム会社・スクウェアに勤めているからだ。なかなか面白い出会いもあるものだ。

どうやら無事に、彼は上海行きの列車に飛び乗ったらしい。

さて、我々3人は北朝鮮の首都・平壌行き車両も連結された夜行列車で、丹東へと向かった。北京駅のホームでは、北朝鮮行きの車両と乗務員を発見し、写真撮影をした。まさか、平壌行きの国際列車が連結されているなんて、しかも北朝鮮人の酔っ払い乗務員(カツ曰く、乗車前にビール飲んでいた.....)と一緒に記念撮影とは。

北朝鮮へ............
北朝鮮の平壌行き列車も連結されていた。。。


翌朝、毛沢東像が駅前にそびえ立つ丹東に着き、近くの安宿・江城旅社(3人で120元)にチェックインした。その後、朝食をすませ早速に北朝鮮が望める国境の川へ向かった。

いきなり、『見た目脱北者』な子どもの物乞いと遭遇。強引に腕を引っ張ることから、切迫した状況が想像出来たが、身元は分からなかった。

その後、我々は川沿いの公園から北朝鮮を眺めた。

北朝鮮の第一印象は、寂れてるなー.......。

丹東から北朝鮮に続く鉄橋
丹東から北朝鮮へと続く鉄橋(列車や車が通っている)

そして、北朝鮮の新義州まで伸びている列車の橋と平行している観光用の橋を渡った。当然有料だった。また、北朝鮮までは行けず、途中で途切れていた。そこには、朝鮮戦争中に米軍が落とした爆弾の跡が残っており、それが橋を破壊したと思われる。橋上からも北朝鮮を眺めた。ちっぽけな観覧車が見えた。双眼鏡を使うと、人々の姿も確認出来た。歩いている人、自転車に乗っている人。。。
橋上では、土産物屋があった。そこには何と、サダム・フセインが描かれたイラク紙幣が売られていた。おそらく偽札であろうが、こんな所でも『悪の連携』ぶりが垣間見られた。

イラク紙幣
イラク紙幣(偽物か!?)をゲット

また、川沿いの道沿いに北朝鮮グッズ売りのおばちゃんがいて、私とカツは北朝鮮の紙幣と、古切手アルバムを買った。アルバムの表紙はもちろん金正日である。
これはイイ土産物を手に入れた。

北朝鮮紙幣
北朝鮮紙幣をゲット!(恐らく本物)

夜はネットカフェに行き、その帰りに路上で売ってた羊肉の串焼きを食べ、2件目としてワンタンスープがメインの屋台で食事をした。

屋台のワンタンスープ屋

このワンタンがボリュームたっぷりで美味しく、しかも安かった。30代位の夫婦が一所懸命にやっていた。

翌日は、いよいよ遊覧船に乗り至近距離から北朝鮮を取材した。

裸の子ども達が何か叫んでいる。何やら挑発的なポーズを取っている子供もいた。

北朝鮮の子供
川で泳ぐ北朝鮮の子供

北朝鮮の門番
中国へ目を向ける北朝鮮の門番

工場だか倉庫だか得体の知れない建物や、無数に浮かぶサビだらけの船。そこらで釣りをする人、ただボーッと川を眺めている人、銃を持ってる軍人らしき人。中には、手を振っている人達もいた。

対岸の北朝鮮1
何をするわけでもない北朝鮮人たち

対岸の北朝鮮2
中国との貿易船か

中国と北朝鮮は友好関係にあるのだろう。国境といってもやはり緊張感は無かった。渡ろうと思えば渡れそうな川だった。

対岸の北朝鮮3
さびだらけの北朝鮮船

夕方、翼が北京へ向かった。カツと私はもう1泊だ。最後の夜ということもあり、昨日の屋台でワンタンスープを食べた後、駅に隣接するホテルのディスコに行った。ビール1杯20元。2時間位いたが、払ったお金はそれだけだ。客層は金持ちの大学生風がメインだった。音響・雰囲気・ビジュアルともなかなか良かった。

翌朝、私は長春に向かった。カツは夜行で北京へ向かった。彼は北京発のシベリア鉄道でモンゴル経由でロシアへ。その後ポーランド等の東欧から欧州各地を周り、アメリカへ行く予定だという。そういえば、丹東ではお互いアメリカへ国際電話をかけていた。カツはデンバーへ、私はラスベガスへ。お互いの彼女に電話したのだ。料金は忘れたが、北京の郵政局でかけたより断然安かった。

ハルピンでの発熱の影響で急遽北京へ。そこで知り合った旅人と一緒に北朝鮮国境への旅。偶然が偶然の出会いを呼び、有意義な時間を過ごす。

これだから、旅は辞められない。

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