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テーマ:携帯電話のこと(2528)
カテゴリ:ケータイ半可通
結論から書く。
携帯電話に影響を与えるコンピュータ・ウィルスとしては、最近1例報道されたが、ごく限られた機種にしか影響を与えない(少なくとも現状では)。携帯電話もプログラムをダウンロードして動かすことがきるようになってきたので、将来的には、無視できないコンピュータ・ウィルスが登場するかもしれないが。少なくとも、現在のところは「存在しない」と考えてよい。 しかし、「友達の携帯電話からウィルス・メールが来た」とか、「自分の携帯電話からウィルス・メールが送信されていると、他の人から警告された」とか、そういう話を最近聞くことがある。やっぱり、存在するのか? 私の見解は同じだ。存在しない。この現象は、最近のウィルスの動作に関係している。 以前のコンピュータ・ウィルスは、たとえば、AさんのPCが感染している場合、Aさんのメールアドレスを発信元として、ウィルス・メールを送信していた。送信先は、Aさんのメール・ソフト(たとえば、OutlookExpress)のアドレス帳から無作為に選んでいた。 だから、ウィルスを受け取った人は、Aさんが「感染者」だと比較的容易に推定できた。メール・ソフトにもそのような不正送信の痕跡が残る場合が多かったため、Aさん自身も自分のPCが感染していることを早期に気づくことができた。 ところが、最近のNetSkyウィルスなどの動作は、もっと巧妙だ。同じくAさんのPCが感染している場合を想定してみよう。ウィルスは、まずAさんのPCに保管されているアドレス(もっと、正確には、アドレスと見なされる文字列全部)を収集する。そして、ウィルスを外部に送信し始めるのだが、その際の送信先だけでなく、発信元のアドレスまで、その収集したアドレスの中から、無作為に選ぶのである。 つまり、AさんのPCから発信されているにも関わらず、発信元Bさん→送信先Cさんというメールが送信されていくわけだ。 Cさんは、Bさんからウィルス・メールが来たと思ってBさんに注意するし、Bさんは身に覚えのないことで注意されて不愉快に思うということになる。Cさんのアドレスがすでに使われていなかったり、Cさんがプロバイダ(@niftyとか)でのウィルスチェックサービスを受けていたりすると、Bさんには、送信した覚えのないメールに対するエラーメッセージがリターンされるわけだ。やっかいなことに、そのような不正送信の痕跡はAさんのPCに残らないので、Aさんがウィルス対策ソフトで自分のPCのウィルスチェックをしてくれるまで、永久に続くことになる。 さて、携帯電話の件に話を戻そう。 問題は、ウィルスのアドレス収集方法なのだ。(収集する対象となるファイル種類と言ってもよい。) 過去のウィルスは、アドレス帳の中からだけ収集するものが多かったため、携帯電話のアドレスがアドレス帳に登録されていない限り、収集されることはなかった。(PCのアドレス帳に携帯電話のアドレスまで登録している人は、あまり多くないと思う。私は登録しているが(笑)) ところが、最新のウィルスは、もっといろいろなファイルからアドレスを収集する。たとえば、PCの中にあるWORD文書なども対照になる。そこに、Dさんの携帯電話のアドレスがあって、それが(偽装された)発信元にされたらどうだろう?そのメールを受信したEさんは、Dさんの携帯電話から、ウィルス・メールが来たように見えるから、Dさんの携帯電話が感染していると誤解するわけだ。 はっきり言って対策はない。 PCを使う全員が、ウィルス対策ソフトを導入して定期的にチェックをするようにならない限り、この種のウィルスが収まることはないと思う。(しかも、ウィルス対策ソフトに使用する、いわゆる「定義ファイル」を常に最新版にしておいてもらわないといけない。) 暴論かもしれないが、「ウィルスって何?」というレベルの人には、PCを売るな!と言いたいくらいだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/07/26 04:30:04 PM
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