NZの学校(おしまい篇)
うんざりの方もおられましょうが、今回が最終回。 NCEA Level2 の結果が届きました。「いったいどんな失敗をやらかしたんだ?」と本人も予想外のところで単位を落とすなどという分野もありましたがおおむね成績は良好でした。今年の科目は希望通りに登録できることと思います。 日本の成績表も5段階評価が多いですが、息子の学校でも総評は5段階でつけられます。学校の成績はあくまでも学校の成績。国の統一試験 NCEAの成績でその科目の合否が決まるのです。Excellent, Merit, Achievement, Not-achievement要するに、優、良、可、不可の4段階で評価され不可だとその科目は次のレベルに登録できません。 そこでみんな希望の学科を希望の大学で学ぶためにがんばってEやMを目指すわけですが、この話を聞いていて思い出したのがやっぱりホグワーツ。(この脱線癖もどうやらDNAに組み込まれていたようです。) Excellent, Merit, Achievement, Not-achievementのパロディとして合格レベルがOutstanding, Exceeds Expectations, Acceptable. 不合格レベルも3段階あります。Poor, Dreadful, Troll. あ!不合格レベルの3つの頭文字をとって並べ替えると...。 なんかわかる気がする。 さて、2月から始まるYear13。こんどは、去年にも増して難しくなることは先輩から聞いてわかっているようですが、いったいどれほどのがんばりを見せてくれるのでしょうか。 日本の高校生にとって勉強とは辛くて苦しいものですから、ティーンエイジを思う存分楽しんでいる(ように見える)外国の高校は学業としてのレベルが低いようなイメージがあるらしく、息子もたまに日本人からそれらしきことを言われるそうです。確かに、計算などでも苦しい部分は計算機にすぐに頼っちゃうので楽といえば楽。でも、総じてレベルが低いかどうかは、どこを見るかだと思います。 3.25ドルの買い物をするときにコインがぴったり無ければおつりが楽なようにと、5.25ドル出すと、日本人なら即座に2ドルのおつりが返ってきます。でも、NZだと、ぱっと2ドルとわからない。むしろ混乱してしまうようです。これを数学のレベルが低いとみなすこともできますがだからといって、教育レベル全体が低いかというとそうとは言い切れないと思うわけです。 時間割は全て選択制なので、だんだん学年があがるにつれて本人に興味が無かったり、難しくてついてこれない科目は無くなり興味と関心と能力のある科目に絞られます。いわば、自分の得意分野の能力を伸ばすための時間割といえるでしょう。するとそれらの内容は「好きだし得意なんだから」これくらいできるよねこれくらいわかるよね...と、教わる内容はどんどんレベルアップ、課題の難易度もぐんぐん上昇。でも、興味もあって好きなんだからがんばれる。 実際、おととしはそのような事情も中途半端にしか理解していなかったため「音楽」を選択したらとんでもなくレベルが高くて非常に苦労したようです。 留学が良かったのか、悪かったのかその結果はおそらく何年も先にならないとわからないと思います。けれど、学校や勉強、友達づきあいなど日々の全てを全力で楽しんでいる息子を見ると「今は、これで良いんだ」と感じるのです。 迷いや不安だらけの子育でですが主体的に迷走&暴走するのが子ども自身の育つ力なのかもしれません。迷走と暴走を繰り返し、転んでは起き上がる力も身につけつつ自分の方向性を見出してもらいたいものです。 今年も元気にがんばっておいでね!