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カテゴリ:わたしの本
東京には週いち以上来ているものの、いっつもバタバタ忙しくてちゃんとした書店に寄る暇がなかった、ここ1か月。
今日、ひさびさに新宿のジュンク堂へ。 エスカレーターをのぼっていくと、次第にドキドキしてきた。 いまを去ること2か月前―。 ジュンク堂に自分の本のチラシを持ってやってきた。 「あと少しでこんな本が出ます!」 店員さんの様子を覗き込むように上目づかいで、どぎまぎしながら言ったっけ。 あ、その時、緊張しながらこう言ったっけ。 「あの!さきほどこちらで最近のサーカスの本を見たんですけど、漫才演芸のコーナーにあったんです。でもその…現代サーカスは漫才演芸よりはコンテンポラリーダンスとかに近くて…。もし置いていただけるときには、ダンスの横にしていただきたいんです!」 その言葉に店員さんは、あ、そうですか、わかりました、 と言っていた。 しかるに今日、検索機を使ってドッキドキで「サーカスに逢いたい」を検索してみたところ 「7階 漫才・演芸」 だって。 ガクっ。 あーあやっぱり。 そうですか。 肩を落としつつ7階にあがり、書棚にたどりつく。 サーカスの場所、それは漫才演芸の中でも下の下、いちばん地面に近いところにあるのですよ、私は知っている。 なので自分の足元から順にみてみた。 あれ?ない。 つつつーっと視線をゆっくりあげてみると、私の胸のあたりの高さに、私の本が正面を向いて、しかも10冊くらい奥まで、きれいに並べられていた。 しばらく息がとまりそうになる。 実は数日前友人から「今日、うれしいことがありました」というメールが入り、なんと渋谷の本屋で私の本が正面を向けて並んでいたというのである。 その言葉を聞いて飛びあがらんばかりに喜んだ私。 でもでもジュンク堂がそうとは限らない。 下のほうに1冊あれば御の字だと思ってた。 いま、目の前に並ぶ、私の本の表紙。銀色の文字が輝いてる、ぴかぴかと。 ああ、写メールしたい! バカみたいだけどしたい! そう思ったけど、やっぱり「カシャ」って音をたてる勇気がなく、私は他の本を手にとってレジに進み、購入した。 それは「田楽」の本だった。とっても良い本だけど、ほとんど自分の本を買いそうな衝動にかられていた。 このまま数日誰も買わなかったら、きっと一番下にもどされて、一冊だけになってしまう・・・。 ほとんど恐怖に近い感情だ。 結局、本が出版されたって平安の日はやってこない! 出版されたらされたなりの、不安のタネは続くのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年06月01日 21時30分58秒
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