2006/03/02(木)07:35
インファナル・アフェア/無間道
全世界の人の度肝を抜いた香港ノワール映画の金字塔「インファナル・アフェア」シリーズ3部作。
頑張ってトリロジーボックスを買ってしまいました。
まずは「傑作」と巷で噂の1作目を観ました。
ところで、はて?ノワール映画とは?
人間の暗い欲望が描かれ、重厚でぎとぎとした人間臭い、
どこかやるせない雰囲気を持つ犯罪映画みたいなものを言うらしいよ。
あくまで雰囲気が大事らしい。
さて本作の内容は、麻薬組織と警察のW潜入捜査合戦。
主演の二人の警官が歩む数奇な人生に魅せられる作品です。
腹の探り合い、ギリギリの駆け引き、仁義ある闘い。
スタイリッシュで緊迫感ある演出は観ていてぐんぐんひきこまれますねぇ。
ところどころ荘厳な映像や音楽が使用されており、これがまた映画の雰囲気を引締める。
これは面白かった!確かにノワールだわ。
以下はネタバレの内容です。ご注意を。
自分は善人なのか?悪人なのか?
正義感の強いヤン警官は、潜入捜査官として麻薬組織に属しており、
犯罪者としての生活することに激しい葛藤を感じる。
麻薬組織からの信頼を得ながら、偽りの自分を演じ続けるのはどんな気分だ?
麻薬組織の仲間キョンが死に際にヤンに向かってこう言う。
「いいか覚えておけ。そ知らぬ顔をしてこっちを見ているやつが居たら、そいつはデカだ。」
警察でありながらそ知らぬ顔で見ていられないヤンの表情が印象に残る。
一方のラウ警官は麻薬組織からボスの指示で警官学校へ潜入。
警察では、成果を挙げて信頼を得た末に情報課課長にまで出世していた。
麻薬組織と警察組織の両方に通じ、全てをコントロールできる立場に、
ラストは多くの犠牲者を出しながらも自らの立場を守り通す機転は圧巻。
「無数の兵の死の上に将軍は立つ」という。
彼は最後に同じ麻薬組織の潜入者を殺害したことから、
善人としての道を行く道を選んだのだように見えるが・・・。
≪涅槃経≫第十九巻
「八大地獄の最たるを『無間地獄』という "絶え間なく責め苦にあう" ゆえにそう呼ばれる」
仏陀曰く、「無間地獄に死は無い 長寿は無間地獄 最大の苦しみなり」
果たして生き残った彼が幸せなのか?死んだヤンが幸せに思えるのか・・・。
前もって3部作とわかっていると、今後どんな展開になるんだって気になってしまい、
全てのシーンでこれは何かの複線か?などと疑いながら観てました。
DVDには、中国劇場公開版(アナザーエンディング・ヴァージョン)を収録してあり、
結末は異なった方向へ・・・、どちらにしろ次回作が気になる展開!
【ストーリー】
マフィアの組員ラウ(アンディ・ラウ)は、ボスであるサム(エリック・ツァン)の指示で警察に潜り込み、
10年で内部調査課の課長に昇進していた。
一方、ラウと同じ警察学校に通っていたヤン(トニー・レオン)は、
組織犯罪課のウォン警視(アンソニー・ウォン)の指示で、サム率いるマフィアに潜入。
今では麻薬取引を任されるまでになっていた。
ある夜、大きな麻薬取引が行われるとの情報を、マフィアに潜入するヤンから受けた警察は、
覚せい剤勢力の一斉検挙をもくろんでいた。
緊張感みなぎる中、現場の追跡が展開したが警察に潜入するラウはその情報をマフィアに流す。
麻薬取引は、検挙も取引も失敗に終わってしまった。
やがて二人を待ち受けていたその後の運命とは・・・。
2002年/中国(香港)/本編102/原題:INFERNAL AFFAIRS/無間道
監督・撮影・制作:アンドリュー・ラウ
監督・脚本:アラン・マック
脚本:フェリックス・チョン
音楽:チャン・クォンウィン
編集:ダニー・パン、パン・チンヘイ
出演:アンディ・ラウ、トニー・レオン、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、ケリー・チャン