●豊かな言葉を持つこと +マダガスカルのことわざ2
ほとんどの人が、日常生活で使う言葉は、ほんの何千かの単語からなっているそうです。わたしたちは、広辞苑の第5版の収録語は、23万語といわれているのですが、わたしたちは、実は、豊かな言葉の数パーセントしか使っていないということなんです。(さらに、殆どの人は、日常的な感情を表現するのに、一ダースか、多くて二十単語くらいしか使っていない、というのです!)豊かなボキャブラリーを持つということは、自分の生活に彩を与え、またコミュニケーションも豊かにするのかもしれません。同じことを言うのにも、また、違った言い回しをすることで、新鮮な気持ちで、その意味をかみ締めることができますよね。という気持ちで、マダガスカルのことわざを集めてみました。「ボキャブラリーが豊かな人たちは、他人の人生まで多彩にできる、すばらしいパレットを持っている」■Tel un tissu du raphia, neuve, l'amitié fait du burit (il est raide), usé, il a des aspérités! ラフィアヤシで作った新しい布のように、友情はごわごわし、使い込まれ、そして、ざらざらしている。マダガスカルで取れるラフィアヤシからは、非常に強靭な繊維を作ることができます。見た目はよくなくても、その頑丈さを信頼できる、ということでしょうか。■Telle l'ecorce sèche du bananier, l'amitié casse quand on la tire, est si on la relâche, les fibres se séparent. バナナの乾いた葉のように、友情は引っ張れば壊れるが、緩めれば繊維は離れてしまう。↑親しき仲にも礼儀あり、といっても離れすぎると疎遠になる、適度な距離感が大事ですね。バナナの皮は、乾燥させて、かご細工などに使われます。なかなか丈夫そうです。■Les paroles sages sont comme du sucre du canne qu'on suce : la saveur ne peut en être épuisée. 分別のある言葉は。われわれが舐めるサトウキビのようだ、その味わいは尽きることがない↑フレッシュなサトウキビは、根元を切って、そのまま舐めたり、ジュースを作ったりできます。繊維っぽいのですが、そういえば、なかなか味がなくなりません。日本で言うと、スルメのように噛むほどに味わいがある、ということなんでしょうかね。■Traversez la rivière en foule, le crocodile ne vous mangera pas .川は大勢で渡れ、そうすればワニに食べられないだろうから↑赤信号、皆で渡れば・・・・と、どこかの国で聞いたことが・・・(笑。日本人だけかと思ったら、マダガスカル人も、そう考えていたのね。ちょっと安心か!?■Sept enfants ne parviennent pas à retenir un mari, mais beaucoup de sagesse le peut. 七人の子どもも、夫をつなぎとめることはできないが、豊かな賢明さをもってならできる↑マダガスカルはまだ子だくさんの家庭が多いです。■Les oiseaux peuvent oublier le piège, mais le piège n'oublie pas les oiseaux.小鳥は罠を忘れることができるが、罠は小鳥を忘れない↑これは、わたしも実感してます。■La corde est faite pour tenir les cornes du zébu, le verbe restaure l'esprit du sage.綱は水牛の角をつなぐために作られる、言葉は賢人の魂をよみがえらせる↑言葉は、人間にのみにおくられた、すばらしい宝物ですね。適材適所、ということ?綱と言葉の対比が不思議です。■La terre est une grande marmite, et les hommes sont la viande. 大地は巨大な鍋、そして人間は肉人間は、どんなにえらそうにしても、所詮、仏様の手の上にやっと到達する孫悟空みたいなものなんでしょう。鍋と、お肉、という組み合わせがマダガスカルらしいです。マダガスカルのお鍋↓■L'être humain n'est pas sec mais mouillé. Il est de chaire et de sang : il est donc de nature faible. 人間は乾燥していない、濡れているものだ。人間は肉と血でできている。人間は、元来弱いものなのだ。↑わたしたちは、限りのある物質からできているもの。人間は、すぐに傷つき、老いてしまう肉体を持っている弱いもの。その限界を知り尽くしたところに、マダガスカル人の芯の強さを感じます。 マダガスカルの文化は、知れば知るほど、尽きない豊かな知恵を感じます。そのマダガスカルの「哲学」、「時間観」。本当の、人間の豊かさや賢さは、もしかしたら今の時点の経済の発展だけでは測れないのかもしれませんね。7月にはまた行きます。・・・・・・・・・・・・・・ ↓参加してます。 ←クリック、メルシー! ぜひ、応援してね。南インド洋のMimi,がんばれ~。いろんな楽しいブログもたくさんあります。