●ロマンの南十字星
北半球に住んでいる人たちが、あこがれる南半球の星空といったら、やっぱり「南十字星、サウザンクロス」ですよね。はじめて、フランス海外県、レユニオン島で、この星をみたときは、「これが、あの、南十字星なんだ!」と、とても感慨深かったのです。なんとまぁ、遠くまで来たものだろうと・・・。南十字星、Southern Cross、Cruz del Sur, Croix du Sud・・・・・わたしの大好きな、宮沢賢治も、「銀河鉄道の夜」で、南十字星を、銀河鉄道の終着駅として、描きました。大航海時代には、南半球の、大海原をわたっていく、海の男たちの道標でも、ありました。その強く輝く荘厳な姿ともあいまって、いつの時代も、わたしたちの、ロマンと、想像力をかき立てる星座です。 <インド洋に浮かぶ、フランス海外県、レユニオン島での、6月13日ごろ、午後7時半の南の空。ほぼ、真南の空に、ちいさく南十字星(Croix du Sud)が、見えるでしょうか?レユニオン島は、南緯21度。>南十字星は、正確には、「南十字座」というそうです。はじめてみると、大きな星が四つ、きらめいていますが、大きさは、想像よりもずっと小さいのです。南十字星は、星座の中でも、もっとも小さな面積の星座でもあるのだそうです。この星は、古くは、メソポタミアでは、「エリドウ市の星」と言われていたそうです。プトレマイオスも、2世紀に、この星について、言及しているそうです。ギリシアでは、ケンタウルス座 (南十字星のすぐ上)、の一部、後ろ足の部分といわれていました。その後、ケンタウルスからは切り離した、みなみじゅうじ座としたのは、1589年のプランキウスとも、1624年、バルチウスとも、言われます。正式に星座としたのは、フランス人の、ロワーエで、1679年のことでした。 <南十字座と、ケンタウロス座画像は、「HP2 !」より、お借りしたもの。>大航海時代、南半球を旅した男たちは、はじめてみる、真南方面を、強く輝く美しい十字型に感銘し、思わず十字を切ったとも、言われています。漆黒の、ビロードのような明かりのない、木造の船の上、真南の方面に輝く、美しい十字・・・・。想像しただけでも、彼らの感動が伝わってくるようです。この南十字座は、十字を形づくる星が1等星2個,2等星1個,3等星1個と明るいため、とてもはっきりと見えます。十字の長軸を南に約4倍延ばすと天の南極を見つけられるので,南天の指極星としても知られています。 南半球には、北極星のような軸になる星がありません。だから、大航海時代では、南の位置を見つけるのには、とても大切な星座だったことが、とてもよく分かりますね。文字道理、船人を、導く星だったのです。<南の字句の見つけ方。十字の縦軸の、約4倍、南に下ろし、左側のポイントを、平行に下ろした地点。> <南十字座と、天の南極。サンドニ市では、「天の南極」を見るのは、難しいです。南の大きな山があるからです。画像は、「HP2 !」より、お借りしたもの。>さて、最初触れた、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」では、この星では、タイタニック号の遭難者が、列車を下りる所となっています。更に、コールサック(石炭袋)という暗黒星雲で、ジョバンニはカンパネルラと別れ、銀河鉄道の旅も、終わりとなるのです。 コールサックとは、南十字座の左の脇に、星がなく黒く見えている部分のこと。ここは、ガスが渦巻いており、背後の星が、ガスにさえぎられて見えなくなっているそうなのです。このガスの渦巻きは、おそらく新しい星の誕生されるであろうと、予測されています。始まりと終わりが、同時にある場所、南十字星。仏教の輪廻、生死を思い出してしまいます。ロマンがあふれる、すばらしい星座です。残念ながら、日本では見られませんが、この日記を読んだ方、まだ見ていらっしゃらない方、いつか、かならず南半球で、この美しい、小さな星座を見上げてくださいね。(それまで、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」で、ロマンを感じてくださいネ)さ~、皆さん、今日もよい一日を!参考・BOURGE (P.) Miniciel austral, carte celeste tournante Association astronomique de la Réunion, "Le ciel a la Réunion" Observation des Makes ・・・・・・・・・・・・・・参加してみました。↓ 今、何位かな? ←クリック、ありがとう毎日、クリックしてくださる皆様、本当にありがとうございます。とても励まされます。