■白糸刺繍あれこれ white works
刺繍の中でも一番すきなのは、白糸刺繍、レース。自分で作ったり、家族にもらったり、蚤の市で古いものを見つけたり、いくらあってもいいくらい。一つ一つ違い、一つ一つ細かい手作業で、見るたびにため息が出るほど繊細で美しい。以下は日常で使っている小降りの作品たちの一部。白糸刺繍にふちはボビンレースを組み合わせたもの。モノグラムの入ったテーブルクロス。モノグラムの入ったリネン、コットンのシーツ、枕カバー、テーブルクロス、ナプキンは、かつて嫁入り道具だった。嫁入り前の娘は、最初は自分の苗字のイニシャルだけをいれ、結婚相手が決まったら、相手の苗字のイニシャルを入れていく。布ものが多いほど、豊かな嫁とされた。かつては10年ほどかけて、母と一緒に衣装箱いっぱいに布物を用意していたとう。こちらはなくなった夫の母方のおばあちゃま作ったクロッシェレース。細い糸を使っているので繊細。去年、おばあちゃまのレースをいくつも貰い受けた。かつて、家辺りの布類にはすべてイニシャルが入っていた。共同洗濯場で見分けがつくように。洗濯機が各家庭に設備されその必要なもうなくなったけれど、真っ白で清潔なリネンは、気持ちまでシャンとさせてくれる。一番のお気に入りのひとつ。白糸刺繍にボビンレース。テーブルすべてを覆うクロスは、2メートル以上の長さで洗うのも気を使うため特別なときにしか出さないけれど、1メートル以内の小さなものは、食事を終えたダイニングテーブルの真ん中に飾ったり、ティータイムのクロスにしたり使いやすく便利。刺繍もボビンレースも経験済みだからわかるけれど、毎回、新しいホワイトワークに出会うと、作り上げた人たちのその根気に脱帽する。感動するホワイトワークはモチーフのふちまで手が込んで美しい。作り手に思いをはせながら、大切に使いたいものたちです。『神は細部に宿る』ミース・ファン・デル・ローエ(建築家)ぱっとみて美しいものは、かならず最後までこだわった細部の美しい仕上がりがある。