2007年12月05日

介護施設で虐待

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 12月4日の読売新聞に
 「介護施設で虐待498件 自治体把握の10倍」

 という見出しで、
 全国の特別養護老人ホームと老人保健施設
 計9082施設の現場責任者と介護職員に対して行なった
 調査内容の報告記事が載りました。

 詳しくは以下の、読売新聞のHPをご覧下さい。
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20071204-OYT8T00105.htm

 有効回答率は約2割なので、498件というのは
 まさに、氷山の一角です。

 昨年、「高齢者虐待防止法」という法律ができて
 虐待の定義や職員の通報義務を定めていますが
 介護職員の7割が内容を把握していなかったということです。

 高齢者施設で働いている職員が、「高齢者虐待防止法」の内容を
 知らない…これをどう考えたらいいのでしょうか。

 私は、この記事を読んで、いろんなことを感じました。

 まずは、施設のトップの怠慢です。
 虐待という問題は、高齢者施設だけの問題ではなく
 私の勤めていた知的障害を持つ人の施設でも
 どんな福祉施設にでも起こる「施設問題」だと思います。

 だからこそ、経営・運営トップの人たちが
 職員の研修・資質向上に努めるべきです。

 私がいた知的障害を持つ人の通所施設では、
 トップの意識が高く
 職員の新人研修、部門別研修、管理職研修など
 さまざまな研修プログラムを策定し
 外部研修・見学も積極的に行なっていました。

 制度や法律のことも勉強しました。
 障害を持つ当事者からの声に学びました。

 それでも、当然職員の意識には幅があります。
 同じ内容を見たり、聴いたりたりしても、
 人の理解・受けとめ方は千差万別です。

 その点は、現場単位のグループ・部門などで
 リーダーが部下の一人ひとりの性格や現状を
 しっかりと把握する必要があります。

 ですから、リーダー(主任)というのは
 大変な役割だと思います。

 人は誰でも弱い面を持っているし、孤独になると
 どんなことが起こっても不思議ではありません。

 どの施設でも、職員は権力を持っており
 利用者は非常に弱い立場におかれています。

 職員はそのことと、次のことを肝に銘じなければ
 ならないと思います。
 自分の言葉、態度が利用者からは
 どのように見えているのか。
 利用者は、本心では職員のことをどう思っているのかを。 

 これは、何もいつもガチガチに緊張して
 利用者に気を遣う、ということではありません。

 全く反対です。

 自分と利用者のあり方を素直に見つめることです。
 いつも、もう一人の自分が天井から見ているとすれば
 今のあの言葉は、
 さっきの介助仕方は
 どのように見えるのだろう。


 リラックスした自然な態度で利用者と関わることで
 自分の中にある利用者への愛情や想いが
 介護や関わりという形になるということです。

 介護技術や知識はもちろん重要です。
 プロなのですから、たえず最新の技術や知識に敏感で
 向上心を持つことが問われます。

 しかし、対人援助職の人には
 技術や知識以前の
 こころのあり方が一番大切だと、私は思います。

 援助をしたいと思う人に対する想い
 それがなければ、対人援助職に就く資格はないはずです。

 最初に戻りますが、だからこそ
 トップは、
  「私は高齢者(障害を持つ人、子ども)が好きなんです」
 という素朴な想いで出発する一人ひとりの職員が
 施設勤務という経験の中で、どんな風に成長していくのか
 そのことに最大の関心を持つことが必要だと思います。

 そして、それは当然のことなのですが
 「職員に厳しい」ということなのです。

 施設の職員は、すぐに職員同士がかばい合い、
 それが結局、関わりや支援の問題をあいまいにしたり
 隠蔽したりしてしまいます。

 職員は未熟で、問題を起こすものです。
 だから、ちゃんとした話し合いが必要です。
 絶対にごまかしたりしてはいけません。

 それが、その問題を起こした人を助ける
 最良の方法なのですから。

 そして、施設職員に届けたいのは
 疲れたら、ちょっと休もうよ!

 あなたの本当の優しさ、
 あなたの本当のつよさ
 あなたの本当の賢さ(ユニークさ)

 これが、なんかどこかに行っちゃって
 自分でも、なぜ、こんなことをしているのか
 分からなくなったら、ちょっと休みましょう。

 こんな時は、良い援助、よい介護はできません。
 リフレッシュしましょう。
 思い切って、休みを取って旅行に行ったり
 なんでも聴いてくれる友だちと会ったりして
 自分の良いところを
 生きていることの素晴らしさを
 たくさん感じましょう。

 そして、自分はなぜ、この仕事をしているのか
 本当に続けたいのか
 その答えを見つけましょう。

 私は施設職員の心のケアを
 もっともっと進めたいと思いました。

 

 

 






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最終更新日  2007年12月05日 23時50分56秒
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