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カテゴリ:モリの大冒険~金曜の夜と土曜の朝~(完)
盛川。今から10年ほど前だったかな。会社でよ。
盛川は徹夜予定。俺は最終で帰るときだったかな。 「菅原さん。僕、来週一杯エジプトなんですよ」 「おお。もりちゃん、凄いな」 「ええ、だから今の仕事を徹夜で仕上げて頑張るんですよ」 嬉々として疲れを知らない、もとアイスホッケー日本代表クラスの選手。 「そうか。俺は帰るからね。無理するなよ」 「はい」 その翌日、午前中までぎりぎり仕事をした盛川は、11時頃に、 「いやあ、13時の飛行機ですよ。じゃあ、いってきます」 と走り出す盛川。 「気をつけてな」 その頃俺は週末も趣味のように仕事をしていたから、お客さんのいる浅草に朝からだべっていた。盛川がエジプトなら、俺は外国人の観光地である浅草でも楽しむかってなものでな。その日はそのまま浅草で飲んで、日曜日は浅草で起きてぶらぶら。 そして月曜日。 俺は朝が早かったんだよ、当時は。 いつも俺と掃除のおばちゃんだけ。 だけど広いオフィスの向こうの方に人影が。 「あれれ、もりちゃん」 俺の声は響くんだよ。響きが終わらないうちに俺は盛川の側に行った。 「ああ、菅原さん。おはようございます」 「エジプトはどうした」 「とんぼ返りですよ」 うつむき加減にそう言った盛川。 その時俺はなぜかこれ以上聞いてはいけないと思い、 「まあ、無事で良かったな」とだけ言った。 その事実を知ったのはそれから3年後。 盛川の度胸と不幸の旅行記をきかされるまで、つまり奴自身が消化するまでそれだけ時間がかかった事件があったのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/12/21 09:30:22 AM
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