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カテゴリ:【小説】加藤英雄無頼控え
怪談無頼控えで単純な怪談を書いたことはあるが、今度は神や仏が出てくる話だ。
これまで書けなかったのは、英雄がどうしてそのような行動をとって、どうしてそういう状況であれたのかということが、今ひとつ、というか、さっぱり当時は分からなかったから。 話を聞いたばかりのときは、まずは嘘だと思った。というか、現実感が全く無かった。 それが最近の意識の世界の研究の成果(別に本格的に研究しているわけではないが、たまたま類似した話が載っていた本を読んだこと)によって、なんとなく書けそうな気がした。これまでの何篇かと同じで、俺(菅原)は事件には携わってはいない。英雄が酔っ払って話した事から物語を再構築したものだ。 ビュン、ビュッ、スー。 英雄の安アパートに遊びに行くと駐車場で英雄が木刀を振っていた。ここ一ヶ月ほど、英雄は近所の農家のおばさんから貰った鍬の柄を、「普通の木刀じゃ軽いんだよ」ということで、通常の木刀の1.5倍ある鍬の柄を太いほうじゃなく先のほうを持つようにして木刀代わりに振っている。 まず腰に据えた木刀を抜刀してビュン。 そのまま大上段に振り上げ振り下ろしてビュッ。 それを斜め正眼に腰を落としてスー。 何故かそれを左右交互にやっている。 左右交互・・・当然自己流だが、元々いろんな拳法や格闘技をかじっている(ご存知のように対抗策として)英雄は、何となくこなれている感じがする。 英雄が木刀振りを始めた頃、 「お前、喧嘩は素手じゃなかったっけ」と俺がからかったら、 「別に自転車でもビールのジョッキでも良いんだけどな」と英雄は変な答えを返してきた。 「そりゃ、お前の加藤流自転車術は凄いからな」 とにかく自転車は凸凹しているので、ぶつけられた方は必ず怪我をするという優れた武器だ。というか、それを普通の武器並に振れる英雄の力は半端ではない。 しかし、木刀を振っている英雄には、何となく力が入っている感がしない。 「今度は武器術とやるのか」と、俺ははっと気付いて言った。 もう木刀振りを止めて英雄は俺を部屋に誘いながら言った。 「そんなことはないと思うけどな」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/03/13 09:35:44 PM
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