soul-eye

2008/12/29(月)11:45

【極道と外道の狭間21】

【小説】不動明王(24)

「やれ」 うっうっっと吐き気をもよおしながら菅谷は言った その声で鉄と竜は藤田の携帯を取りあげた 「出た出た出た。こいつら意外と間抜けですよ」 竜が言った。藤田は鉄に抑えられている 「何しとるんや。乱暴な真似したらいかん」 栞が言った。やはり同級生の父親だと思ったのだろう 「大丈夫だ。喜んでいる喜んでいる」 菅谷はタバコに火をつけた。吐き気が止まったようだ 「何が喜んでいるんや」 栞の質問に答えず 「普通の電話もパソコンも持っていくぞ。携帯も別にある?あるんだな。あ・る・ん・だ・な」 菅谷は藤田を恫喝した 「ない。何者なんだ。乱暴は止めろ」 「安心しろ。あんたには危害をくわえねえ、俺はな(点々)」 その時、茶を入れてきた家政婦がこの異常事態を見て 「警察を」 と叫んだが 「呼ぶな」 と言ったのは藤田だった 「大丈夫だから。お前は二階へ行っていなさい」 その言葉を聞くと、菅谷は 「二階だってよ。ちゃんと話を聞いて来い」 と竜に言った。竜は家政婦を連れて二階へ上がって行った

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