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カテゴリ:【小説】鴉組
「すでに怨嗟の種は植えられておるのじゃ。福島や会津でのお主らの所業、しっかり見させて貰ったぞ」
美和姉さんの言葉、痛い、痛いぞ。 美和姉さんの言う会津での所業というのは、戦死者を弔うことならずという西軍の仕打ちの事であった。賊軍兵は野ざらしという触れを美和姉さんは聞いたのだった。 これは退助、苦しかった。 必殺の技を持つであろう二人の武士と鬼男、不思議な技を持っていそうな異形の二人、そして良く分からない一人と、おっかない女房にと、西軍兵はすっかり気を飲まれていた。 退助が見渡すと、懐かしいステの顔があった。 少年退助である猪之助は実は無口なステが好きで懐いていた。ステも自分の弟のように可愛がって無宿人街特製の“鍋”を食わせていた。 ステは目が合うと、ちょっと口角を上げたようだった。 「ステ殿」 小声で退助はステに呟いた。 無表情のステは退助に近寄った。 「うまく逃げて下さい。何、追っ手は適当にしか出しません」 そうして、ステに紙を一枚渡した。 「兄貴に話す」 ステは緊張した声で言ったが、顔は笑っていた。 「お願いします」 退助からステに渡されたのは西軍の配置図であった。これを避ければ江戸までなんの問題もなく行けるのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/30 09:28:45 AM
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