2010/12/30(木)02:44
【恋愛小説】赤い国の女
あくまで小説です。。。
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自称功夫師匠のボウインは何時ものようにデロデロで女酒精酒家に寄った。
目当ては看板若娘菲菲(フェイフェイ)だ。
「阿菲(アフェイ)、我唱男兒當自強(ウォーショーダンイエーダジーkカン)」
(フェイちゃん、俺は男兒當自強を歌うぞ)
男兒當自強' - 'A Man of Determination
男儿当自? 成龍(ジャッキー・チェン版)
「凄い凄いボウイン。上手」
喜ぶフェイフェイ。拳を入れて一緒に歌う。
中国人はこの将軍令という民謡が好きなのかな?
「俺は成龍と共演したんだぜ」
「本当?!」
「嘘だ」
ガクッ
「正確に言えば、俺が彼の映画でエキストラをしていた時
待ち時間が暇でエキストラ仲間を笑わせていたら、
俺の背にもたれていて広東語で怒鳴っている奴が居て、
で、互いに剥きになって大声で彼は香港スタッフ、俺は日本人に話していたら・・・
“ヘイ”
と言って俺の肩に手を置いて親指をぐっと出して去っていった男が成龍だったんだ」
「?害(凄い)」
「彼は俺が日本スタッフを説教していたと勘違いしていたようだ」
「凄い・・・のかな???」
「分からん。だが感動して何も言えなかった。俺がだぜ。いい笑顔だったな」
「本当なの?」
「ああ、彼は案外背が高い。俺と変わらないくらいなんだよ」
「博英(ボウイン)参加成龍的電影口馬」(ジャッキーの映画に出たの?)
「不出」(出てない)
ガクッ
「私、ボウインと歌う」
「将軍令か」
「違う。菲王(フェイ・ウォン)」
恋する惑星 Faye Wong フェイ・ウォン 夢中人
かつて加藤恋する惑星とあだ名がつけられた男がいた。
「ボウイン、中国の可愛い子を紹介するよ」
フェイフェイが言った。
「俺はフェイフェイが良いんだ」
「・・・・」
「お前、蛇頭なのか?」
ニコリとする彼女。
「スネークの上のドラゴンヘッドか?ブルーフッド??」
「分からない、日本語」
「英語だけどな」
そろそろ怒るはずだ・・・が、今日は怒らない。
「もう一曲ね」
我願意-
中古CD 天空 / 王菲 フェイ・ウォン 王靖雨文 FAYE WONG / 輸入盤
「アフェイ、ニーアイゥオーマ?(俺を愛しているか)」
ボウインは酔うといつも言う。フェイフェイは何時も困るのだ。
「ウォーアイニー」
フェイフェイは小声で言った。
だが、朴念仁なボウインは発音を直されていると思い
「違うのか。俺の発音おかしいかな、ニーアイウォーマ?」
と言い直した。
「分からないの。ウォーアイニー」
「駄目なのかな。ウォーアイニー、アフェイ、ニーアイウォーマ」
(愛しているよ可愛いフェイ、なあ君は俺を愛しているか)
フェイフェイは俯いた。
「もう一回言わせるの。ウォー・・・アイ・・・ニー」
鈍いボウイン、鈍すぎる・・・というかはっきり言われているぞ。
「あっ、アフェイ、ニ、ニ、ニー・アイ・ウォー」
「うん。ウォーアイニー
ね、次も歌うね。私、こんなに歌うの初めて」
フェイフェイが歌いだした。
そこへ女店主のメイメイが来た。
「ボウイン、意味憧僅的歌?(歌の意味分かるの)」
「漢字だもの。大体分かる」
多分題名は「あなただけ」という意味だ。
「そう、一途っていう」
フェイフェイ、こいつ突然難しい日本語分かるんだよな。
カラオケも鼻歌交じりで普通に歌っている時あるし。
何か隠しているのは分かる、そうボウインは思った。
歌は離れていてもあなただけを愛しているという内容だった。
ボウインはそれをメイメイに伝えた。
「フェイフェイ本当?ボウイン正しいの?」
歌い終わった時、俺の訳が正しいかメイメイはフェイフェイに訊いた。
「その通り。ボウインは凄い。中国人」
って、フェイフェイ赤い国に帰ってしまった
“フェイ、菲・・・小さく咲く芳しい香りの花という意味”
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