バッグの中身は何ですか-MOMOのバッグ

2007/08/05(日)15:54

コピー商品じゃないのよ

デザインの話(62)

無心になるとき。 頭の中に、なんとなく「好ましい」ものがあって 手を動かしてスケッチをすると それがきれいな曲線だったり、 タックを寄せた形だったり、 小さな紐結びだったり、する。 自分のイメージする「何か」と実際に出来上がる「何か」が 近ければ近いほど、良いモノになる わけだが、 バッグについては、頭に浮かんだものが、形になってゆく過程は、 わりあいすっきりとしている。 プロですからね。 ところで、ファッションデザインの世界で 「小野さんは、芸術家だからね~」 と言われたら、それはあまりほめ言葉ともいえないのね。 次々にあふれ出す「流行」のモノたち。 それを、ちゃちゃちゃっ、とアレンジして、 さっさとモノを作ることが利益をうむしくみ だったりする。 悲しいことに。 頭に何にも浮かばない人でも、 現実のヴィトンやグッチや、もろもろの良い商品を見れば、 その力は感じられる。 そこで、それを持って、ちょっとだけ、素材を変えて、ハンドルの形を変えれば、 誰も文句は言わないし、安くてトレンドで売れる商品 がすぐ、出来る。 直接それを求められる仕事もある。 良いデザインのバッグが一つあれば、3つも4つもデザインを出せるのも、 また「プロ」なんである。 時間と、コストと、デザイン。 その中で食べている。 でも、 ゆっくり、ああでもないこうでもない、と 小学生の工作のようなことをして、 自分の頭の中からモノを吐き出してゆくことの満足感は 何ものにも変え難い。 コピー商品じゃ、ないんだよっ。

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