2008/09/21(日)06:39
Near the Beginning / Vanilla Fudge
古さを感じる音と楽曲ですが、なぜか手放す気にはなれないアルバムです。
1曲目は、モータウンのジュニア・ウォーカー&ザ・オールスターズの'65年のヒット曲のカバーでBB&Aのライブでもおなじみですが、
ヴァニラ・ファッジもヘビーにアレンジしていて、このアルバムの最大の聴き物になっています。
ジェフ・ベックがこれを聴いてボガートとアピスを気に入ったのがBB&A結成の動機だそうです。
ギターはワウワウ掛けっぱなしで派手な印象があり一聴すると上手そうに聞こえますが、良く聴くとそうでもないです。
当時の技術レベルがそうなのかと錯覚しますが、
のちにボガートとアピスが結成するカクタスのギターのジム・マッカーティーはとてもテクニシャンなので、時代の問題ではないようです。
2~3曲目は映画のオースティンパワーズのサイケでポップな感覚の、
ダークな部分に特化したような楽曲ですが、
当時の世の中のセンスがそうなので、わざと狙ったということはないでしょう。
当時同様に人気のあったアイアン・バタフライよりも、後にプログレッシブロックと呼ばれる音に近い感じがします。
4曲目の23分におよぶライブ演奏でカーマイン・アピスとティム・ボガートのソロがフューチャーされており、メンバーの中でもパワーと技量が突出していて、当時からただものではないことをアピールしています。
ボガートのクレージーなファズをかけたベースソロはヴァニラ・ファッジ時代からのものであることがこのCDでわかります。まるでBB&Aのライブを聴いているような錯覚をしてしまいます。
5~7曲目はボーナストラックで、5曲目ではのちのカクタスに通じる、ヘビーなリフで強引に押しとおすハードロックのスタイルを確立しています。ショット・ガンのシングルレコードのB面に収録されていたものの無編集バージョンですがボガートとアピスがカクタス以上にクレージーでパワフルな演奏をしているのがとても印象的です。
マーク・ボランスキーさんのレビュー Amazonより抜粋
まったく、私も同感です。
尚、私のはLPでボーナストラックは聞いたことがありません。
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