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ODAI おまけ「3と4の月の間」



ODAIおまけ 「3と4の月の間」

             H17,12/25 21:00

『やっと ここまで~!!』
ロイは 今、感無量の喜びに打ち震えていた。
何故なら、右折左折どころか 全て、すっぽり通り抜けるような
恋の道行きの相手が、やっと我が家に一緒に住むことになったのだ。
これを喜ばずにして、どうする!
そして、ロイは 素直に手放しで大喜びしていた。

この数年のロイの努力は、涙ぐましくなるものを
見ている皆に与える程だった。
全く 色恋には疎い相手を選んでしまい、
あの手この手で伝えるのだが、ま~ったく伝わらない。
それどころか、弟分にまでされてしまい、
さらに、恋の道とは離れてしまう事もしばしば。

が、それでも耐えに耐え抜き、辛抱を重ねて
少しづつ エドワードとの距離を縮めていったロイは、
念願かなって、本日の今日
とうとう、家にエドワードを迎える事に相成ったのであった。

そして、曲がりなりにも 
エドワードに恋人と認識してもらえるまでに至ったのだ。
まぁ、エドワードにしてみれば
恋人の定義もあやふやな感があったのだが、
ロイの必死な押しに、『まぁ、こんなのも有りでいいのかも。』な
程度で始まったのだが・・・・。

それは、ある日転機を迎える事になったのだった。
旅を続けて日々を重ねるエドワードも、
年々、子供子供していた容貌から
段々と 青年に近づくにつれ、美しさを増していった。
気にしていた身長も、大きくは伸ばせなかったが
やや小柄なと言われるまでには伸び、
すらりとした肢体と 絶妙なバランスを保っており、
目にした者に、「どこのモデル?」と噂される事も多々あった。
軍に来た初めの頃は、
「エドワード君って、可愛いわね~。」なお姉さま達の感想も
「素敵! かっこいい~。 恋人にして欲しい~。」と
エドワードが 出頭する時には色めきたっつようになった。

今日も、
「久しぶりね、エドワード。」
受付で挨拶をしてくる彼女は、去年の春に軍属となり
勤めるようになった。
受付では、諸所の手続きもしてもらう事も多く
エドワードも 顔見知りになっている彼女に気軽に挨拶を返えす。
「やぁ、キャスリーン。
 久しぶり、元気そうだね。」
もともと、人見知りもしない上 遠慮もしない彼は
声を掛けられると、誰とでも気軽に話しをする。
「今度は いつまでこっちに?」
周囲の同僚の嫉みも快感に感じながら、エドワードとの会話を独占する。
「う~ん、今回は 結構早めにたつんだ。
 で、しばらく戻ってこれないかもしれないんで、
 皆も元気にしててくれよな。」
皆もに、反応した周囲は ここぞとばかりにエドワードの周囲に寄ってきて
話をかけようとする。
「えぇ~、しばらく来ないの~?」
「今度は だいぶん、遠くまで行くつもりなのかしら?」
口々に言われる質問にも、エドワードらしく律儀に返事を返していく。
「うん、そうなんだ。
 ちょっと、面白い情報が手に入ったんで
 それに集中しようかと。」

「寂しくなるわ~、そうだ 出る前に
 一緒にお食事にでも行かない?
 旅の無事を祝わせて欲しいの。」
一人の先手の行動に、他の面々も負けじと言い募る。
「そうよね~、皆で! 行きましょうよ。」
(抜け駆け禁止!)と牽制をかけると、
(いいじゃない、私が先に声をかけたんだから!)と
睨み返される。
周囲の女性達が、火花を散らして睨みあっているのだが、
中心の当人は至って真面目に返事を返す。
「気持ちは嬉しいんだけど、
 多分、こっちにいる間は 少将の面倒を見てやる事になるから
 時間が空かないと思うんだよな。」
済まなさそうに断ってくるエドワードに、
尚も食い下がってみせる。

「エドワードって、本当に面倒見が良いわね~。
 でも、少将だって子供じゃないんだから
 1日位~。」
ネッとお願いポーズをする彼女に、
困ったな~と悩むエドワード。
『ここは もう1押しね!』
周囲の面々と目配せしあって、確約を取るために
連携を取る姿勢をみせようとした矢先。

「鋼の!」
声高に自分を呼ぶ声に振り返る。
「よぉ、少将。久しぶり。」

少将の出現で、傍にいた女性達も さっと敬礼をする。
後ろで取り巻く女性達に、にこやかに
だが、決して目は笑っていない表情で、
「いつも、忙しい中をありがとう。
 皆が 勤務中にしっかりと働いてくれるおかげで、
 我々も 本当に助けられているよ。
 現場は、一分一秒が命取りになるので、
 迅速な処理をしてくれる君たちは
 我々の誇りだよ。」と
にこやかに、そして目では『速やかに仕事に戻りたまえ』の
指示を伝える。
そんな少将には慣れているのか、
『また、今回も邪魔が入ったわね・・・。』と
あきらめて仕事場に戻っていく。

「では、鋼の 報告を聞こうか。」
「あぁ、司令室で良いか?
 じゃぁ、キャスリーン ごめんな~。」
と断って、その場を離れていく。

二人の姿が見えなくなると、
先ほど集まっていた女性達は また頭を寄せ合い、
「今回も また少将に邪魔されたわね。」
「せっかくの機会だったのに~。」
「でも、少将。
 どこかで見てるとしか思えないタイミングで
 いつも現れるのよねー、不思議だわ。」
う~んと頭を傾げあう女性達であった。


その日の夕食は、近来はずっと続いている少将の家で
過ごすエドワードに手料理を振舞ってもらう。
大佐を弟分として扱うようになったエドワードは
イーストから、セントラルに大佐が栄転してからも
変わらず 戻ったときは、せっせと世話を焼いていた。

いつもは、上機嫌で料理を食べるロイが
今日は だんまりを決めて、黙々と料理を食べていく。
「なぁ、どうしたんだよ?
 なんか、嫌な事でもあったのか?」
気に掛けるエドワードにも、だんまりを決め込んでいる少将に
少しムッとしたままで、エドワードも口をつぐんで
食事を続ける事にした。

「今日は、宿に帰るから。」
いつもなら、戻った時はロイと出来るだけ一緒に居てやるという
約束を守って、寝泊りをするのだが、
今日のロイの態度に腹をたてているのもあり、
アルフォンスの宿に戻る事を伝える。
「えっ!
 何故? 泊まって行くんじゃないのかい?」
急に帰り支度をするエドワードに、焦って声をかける。

そんなロイにムッとした表情を崩さずに
「邪魔だろ?」とそっけなく返す。
「邪魔? 君が?
 そんな事があるわけないじゃないか!」
だんまりを決めていた自分の行動に負い目もあり、
必死に返事を返す。
「でも、あんた。
 今日は機嫌が悪そうだった。
 俺が 話しかけても全然返事もしないし。」
傷ついた表情を浮かべるエドワードに、
後悔が押し寄せる。

「すまない・・・、
 怒っていたのは確かだ。
 でも、それは君にじゃない。」
素直に反省するロイの言葉に、エドワードも少し
怒りのテンションを下げる。
「えっ、じゃぁ誰に腹立ててたんだ?」
敵の多い少将の事だ、また 上部のお偉いさんに
嫌味でも言われたのかと、気の毒に思う。

『彼女達。」
ポツリとロイが言葉を吐き出す。
「彼女達?」
ロイのつぶやいた言葉の意味が解らず聞き返す。

「そうだよ、昼間に君に群がっていた彼女達だ。」
思いも付かない方向での話しの進みに
エドワードが、とまどいながら返事を返す。
「群がって・・・って、虫じゃあるまいし。
 それに、何も 仕事をさぼってたばかりじゃーないぜ。」
仕事をサボっていた事に腹を立てているのかと思い、
彼女達を庇ってやる。
「違う、仕事の事はどうでもいい!
 君にかまうのが嫌だったんだ。
 私にとっては、彼女達は害虫に等しい。」

「害虫・・・、おい それは酷いんじゃないか?」
女性には優しいエドワードなので、ロイの暴言が聞き逃せない。
「酷い?
 酷いのは君じゃないか。
 そいれとも あの中に好きな女性でもいるのかね。」
ソファーに腰掛けていたエドワードに詰め寄るように聞いてくる。

「好きな女性? 
 いや、別に あの中には居ないけど・・・。」
目が据わっているロイの迫力に たじたじになりながら返事を返す。
「あの中に居ない?
 じゃぁ、他にはいるのか!
 一体、どこの誰なんだ。」
エドワードの肩を掴んで揺さぶり、返事を聞こうとするロイに
「ちょぉ、ちょっと待てよ~!
 別に あそこにも どこにも居ないってば~。」
あまりに強く揺さぶられて、目の前がくらくらするエドワードが
必死に叫び返す。

「あっそうなのか、なんだ・・・。」
と力が抜けたように肩から手を放して ほっと一息つく。

しゅんとしているロイの姿に、エドワードの兄貴気質が刺激されて
優しく聞いてやる。
「どうしたんだよ?
 なんだ、少将。
 あの中に 好きな女性でもいたのか?」
的外れなエドワードの見解に、はぁ~とまた深くため息をつき、
非難がましくエドワードを見る。
「な、なんだよ、その顔は。
 俺が、なんか悪いことしたみたいじゃーないかよ。」

「いや。」と返事を答えてから、
エドワードに向き直る。
「エドワード、君に聞きたい事があるんだが。」
急に まじめな顔をして、姿勢まで正して問うてくるロイに
エドワードも姿勢を正す。
「な、なんだ?」

「君は 好きな女性はいないのかい?」
何を聞かれるのかと身構えていた分、ロイの質問に拍子抜けした。
「へっ? 好きな・・・女性?」
「そうだ、好きなでも愛しているでも良いが、
 特別に思う女性は?」
何を聞くんだーと言い返したくなったが、
真剣なロイの雰囲気に、言い出せず 素直に返事を返す。
「いや、いないけど・・。」
「そうか、では 過去いたことは?」

「・・・ない。」
「では、好きなタイプは?」
「特に考えた事はないけど・・・。」
「そうか、なら別にタイプには拘らないと言うわけだな?」
強く念を押されて聞いてくるので、
そうかもしれないな~と弱気になり違うとも言いにくくなる。
「まぁ、そうかも・・・。」

「わかった、ではエドワード私を恋人にしたまえ!」
高らかに宣言するロイの言葉が 上手く理解できない。
「はぁ、恋人・・・、あんたを。
 なんで??」
「好きな人はいないのだろ!」
凄い迫力で責めるように聞いてくる、
「いや、確かに今は居ないけど・・・でも、この先・・・。」
「い・ま・は! 居ないんだな?」
そう聞かれると 確かにその通りなのだから、
「う、うん」としか返事が出来なくなる。
「なら、問題はないな。
 タイプにもこだわらないと言ったのだから、
 別に私でも構わないだろう。」

「いや、確かにタイプは そんなに考えた事とかないけど、
 あんたは男だし・・・、無理じゃ・・・。」
「タイプには、拘らないんだろ!」
「タイプと性別はちがうんじゃ・・・。」

「性別もタイプの1種類だ!」
そう言い切られると、絶対に違うとも言えなくなる。
まぁ、そうかもしれないとぼんやりと考えてしまう。
すでに、この時 エドワードは洗脳され始めていたのだが、
本人には気づけない。
「という事で、私と君が付き合っても何も問題ないな。
 
 いやなに、君にタイプが決まって その時に私と違うようなら
 その時は断ればすむ事だしね。」
「あっ、そうか・・・。」
なるほどと、すっかり相手の術中にはまってしまっているエドワードには
今、どんな事が決められそうになっているのかは
わかっていないまま返事を返していく。

「じゃぁ、決まりだな。
 君と私は恋人同士だ。」
「あ、うん。」
そうなのかな? これでよかったんだっけ?と
頭をよぎる疑問も、目の前で晴れやかに微笑む男を見ていると
間違ってないような気もしてくる。

「では、エドワード。
 恋人の第1段階で、キスをしても?」
がっちりと肩を掴んで、そう聞いてくるロイに
「え・・ええ~!
 キス~!?」
現実問題に突きつけられると、頭が正常に動き出す。
「ちょぉ、ちょっと少将!!」
「少将ではない。 ロイと。」
さらに近づいて、エドワードを抱きこむ手を強めてくる。
「いや、そんな急に名前とかでよべないし。
 じゃなくて、なんで 俺があんたとキスしなくちゃーいけないんだよ!」
放せとばかりに、もがくエドワードに
「君と私は 恋人だろう?
 君が「うん」といったんだろう?
 君は 言った言葉に責任を持たない人間なのか。」
「うっ。」
そう言われると、さっき言ったような言わなかったような・・。
「いや・・・、でも さっきは何を言われてるのか
 いまいち解ってなかったし・・・。」

「男らしくないぞ エドワード。
 男なら、兄なら 自分の言動に責任を持つべきじゃないのか!」
そう発破をかけられると、
『そうか、そうだよな。
 男として、兄として 言動には責任を持つべきだよな』
責任という言葉に弱いエドワードは そうかと思い直す。

「では!」と顔を寄せてくるロイに、
決意も強く受ける姿勢をみせる。
初めは軽く唇に触れる。
ガチガチになって、目を見開いているエドワードの目蓋を
優しく嘗めてやり、
「キスの時は、目をつぶるものだよ。」と
ささやいて教えてやる。
今度は、きゅっと目をつむる初心な仕草が可愛くて仕方が無い。
エドワードの緊張を解いてやるために、
おでこ、頬、鼻の頭、耳たぶと 色々な所にキスを降り注ぐ。
回していた手で背中をあやすように撫で続けていると、
少しづつエドワードの緊張が溶けていく。

そして、また唇に。
今度は ゆっくりと、じっくりと互いの唇を楽しみあう。
「う・・・うんっ。」
息が苦しくなってきたのか、薄く口を開けるエドワード。
その時を狙っていたように、エドワードの口内に忍び込ませる。
先ほどまでは、背を撫でていた手がエドワードの顎と、
もう片方は頭を支える。
わずかに上向きにさせて、エドワードにかぶさる様に
膝立ちになって上からキスを深くする。

「あふ・・、あっ うぅ・・ん。」
感じやすい口内を、縦横無尽にロイの舌がかすめて行く。
だんだんと、意識が遠のいてきて 力が抜けていく。
いったん、唇を離して ロイに「気持ちいい?」と聞かれる。
朦朧としているエドワードには、羞恥心が失せており
コクコクとうなずいて返事を返す。
そう、もっと気持ちよくなろうねと囁かれて
さらに、深く口付けされていく。
薄れていく意識の中で、これで良かったんだっけ?と
浮かんできた想いも、快感の中では肯定の気分に塗り替えられて
消えていった。


こうして、ほとんど悪徳商法なみの手段でエドワードを
懐柔したロイは、
その後も 『なんか、おかしくないか?』とエドワードが
疑問を浮かべる度に、洗脳を繰り返し
そして、少しづつ そして しっかりと快感を教えこんで
エドワードの疑問を消して行った。

生身の身体を取り戻した二人は、今では それぞれの道を歩み始めている。
一緒にリゼンブールに帰ろうとしたエドワードを、
懇願に懇願を重ねて、自宅に住むことを決めさせて、
ロイは、晴れて今日という日を迎える事になった。

「ようやく、ここまでー!!」
感無量と家を前に、立ち尽くし感動に浸るロイ。
「ちょっお、何さぼってんだよ!
 そこ邪魔だから、さっさと入れよ。」
後ろから、荷物を手に入ろうとしているエドワードに
邪険にあしらわれるが、それさえも喜びを感じる。
「エドワード~。」と満面の喜びを湛えてエドワードに
近寄ろうとするロイに、
「ほれ、これ持ってさっさと入る。」
とすげなく荷物を渡される。
「皆~、ごめん。
 もう、邪魔なのは退けたんで、頼むー。」
「おう、じゃあ運ぶぞ~。」
今日のお手伝いにと、軍の面々も荷物を持っては家にやってくる。
邪魔物扱いに すっかりとしょげたロイは、隅でいじけている。
そんな上司の姿を見て、
『いじめられるのも、幸せの一つなんですよね。と微笑ましく
意見を言うフュリーの言葉に、他の面々は
『そうか~?』とは思ったが、違うとも言いにくかったので
コメントは控える事にした。


手伝ってくれた皆に食事を振る舞い、
帰りの挨拶をして見送った後は ロイとエドワードの二人になった。
「エドワード、今日から ずっと一緒に過ごせるね。」
後ろから 優しく抱きしめてくる手を掴んで、
「そうだな~、まさか 一緒に住むようにまでなるとは
 思わなかったな。」
と苦笑を浮かべて返事を返す。
「これから、宜しく頼むよ。」
頬にキスをしながらロイが そう言葉を掛けてくる。
くすぐったそうに身をよじりながら、
「ああ、俺も宜しくな。」と
同じように頬にキスを返してやる。

ロイにとっては、こうやってエドワードがキスを返してくれるほど
成長した事にも喜びを隠せなかった。
最初の頃こそは 快感に意識が奪われる事もあったが、
自制心の強いエドワードは、慣れるに従って、ガードが硬くなり、
なかなか ロイの思うようにはさせてもくれず、進みもしなかった。
そこでも、辛抱・忍耐・努力で乗り切り
最近では こうして、エドワードからキスや それ以上のお誘いも
もらえるようになり、
ロイにとっては、幸せこの上ない今なのであった。

手の中で、愛しい人が ふぁ~とあくびをする。
「エドワード、疲れたのかい?」
「そっだな・・・、引越しも結構重労働だよな。
 今日は、さっさと寝るか~。」
う~ん、と背伸びをするとエドワードは さっさかと2階に
上がっていく。
「え、あれ?
 エドワード、どこに・・・。」
「どこって、俺の部屋。」
「俺のって、なんで2階に部屋なんか?」
てっきり、自分と同じ部屋に入るだろうと思っていたエドワードが
自分用に部屋を作るとは思ってもいなかった。
「何今頃言ってんだよ。
 だって、荷物2階に運んでたじゃんか皆。」
「えっ、そ・そうだったかな?」
邪魔モノ扱いに、しょげていたので復活した時には
荷運びは終わっていたので、
エドワードが どこの部屋に入ったのかまで覚えていなかった。
「でも、何も部屋を分けなくても・・・。」
不満顔なロイに、はっきりきっぱりと返事を返す。
「ダ~メ!
 あんた、俺と二人きりで何もしなかった事なかっただろ。
 俺は、寝るときくらいは ゆっくりと休みたいの!
 んじゃ~、お休み~。」と とっとと階段を登りきって
しばらくすると、パタン・ガチャンと 扉と鍵の閉まる音が
静かな家の中に響いていった。
「エドワ~ド~。」
下では情けなさそうに置いていかれてロイが
べそをかいていた。

こうして、エドワードとロイの 同棲初夜は過ぎていく。

結局、エドワードにメロメロのロイは
この先も、尻に敷かれっぱなしになって過ごす事になる。

『いじめられるのも、幸せの1つなんですよね。』
そう、それも幸せのスパイスの1要素。
甘いばかりで 幸せを構成しているのではありません。


[あとがき]
終わりました~。
ロイエド1年間のおまけ、「ロイの幸せバージョン」です。
ODAIでは 長い道のりを1歩進んで2歩下がるロイさんですが、
ようやく幸せを手に入れれる事ができたようです。
ロマンチックで アニバーサリー大好きロイと
全く無関心で、すっぱり忘れているエドとでは
色々と問題が持ち上がるでしょうが、
ガックリするロイの情けなさに ほだされるエドワード。
そうやって、二人は上手くやっていくと思います。
いつまでも、幸せであって欲しいものですね!


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