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Selfishly

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ACT 1「邂逅」


at the Truth in the Mirror Image



            H18,6/18 23:00





門から車で、屋敷の玄関に着くまでに しばらくの時間を要する庭。
一人で開閉できるのだろうかと疑うような玄関の重厚な扉。
扉に続くアーチの両脇には、ずらりと並んだ お仕着せを来た人々。

ロイは、そんな情景を ぼんやりと眺めていた。

そんなロイの傍らに立っていた白髪の男性が 
うやうやしくロイに頭を下げて告げてくる言葉を
呆然と聞いていた。

「お帰りなさいませ旦那様。
 今日からここが貴方様のお屋敷でございます。」




act1、「邂逅」



「兄さん、それでこれからどうするの?」

物珍しそうに周囲を見回しながら、アルフォンスが聞いてくる。
その表情には、これから先に不安も、心配も微塵も浮かべておらず、
心から、兄を信頼し 一緒に過ごせる事に喜んでいる。

「そうだな・・・。
 まぁ、取りあえずは 一旦 俺らが住んでいた部屋に戻るか・・・。」

晴れやかな弟の表情と裏腹の、
少々、困惑気味な表情を浮かべる「兄さん」と呼ばれる方の青年、
エドワードが重いため息と一緒に言葉を吐き出した。


アルフォンスがエドワードを追って、この世界に着いてやって来た事は、
エドワードにとっては、色々と複雑な思いを抱えている。
大切な自分に唯一の弟が 生身を取り戻して
元気な姿を見せてくれている事を確認できたのは
本当に嬉しかった。
4年間の記憶を失っているとは言え、兄弟である絆の深さの前では
特に問題にもならない。

だが、エドワードにしてみれば アルフォンスの無事な姿が確認出来れば、
その後は、あちらの世界で 幸せに過ごして欲しいと思う気持ちが強かったので
こうして、彼がやってきてしまった事を素直に喜べない。

自分は、自分の業のせいで 
こちらの世界で責任を取らねばならない事を負ったのだが、
それに 弟まで巻き込んでしまうのは、
兄として 悔恨が深くなったとしても仕方がない事だろう。

暗くなった兄の表情を見て、アルフォンスが首を振りながら
大げさな程のため息をつく。

「ま~た、兄さんは!
 来ちゃったものは仕方ないでしょう。

 何でも一人で背負い込むクセは、兄さんの悪い癖だよ。

 いいじゃん、一人より二人の方が 何とかなるって。」

明るく言い切るアルフォンスを あきれたように見ながら

「アル・・・、お前 なんかキャラ変ってないか?」

訝し気に言う。

「変って当たり前でしょ!
 苦労性の兄を持てば、開き直るしかないし。」

あっけらかんと言い放ちながら、笑っている。

「それとも何?
 兄さんは 僕と離れ離れの方が良かったわけ?」

少し拗ねたように、わざと子供っぽい仕草を見せながら
言ってくるアルフォンスに、
エドワードは 観念したと言うように
本音の1つを話す。

「んなわけないだろ。
 
 お前が居てくれて、本当に嬉しいよ。」

照れたように、そう言ってくるエドワードに
アルフォンスは 満足そうに頷いて嬉しそうな笑顔を見せる。


4年の歳月がアルフォンスの記憶からなくなり
アルフォンスは、昔の子供の頃の無邪気な面を取り戻している。
似たような面立ちに育った彼らだが、
雰囲気は 違う。

アルフォンスが陽光のような性格に対して、
エドワードは、月光のような憂いを見せるようになっていた。

過去の惨劇と、苦労した4年の歳月。
そして、異世界での焦燥感を抱いた日々が
エドワードの中に色濃く落ちて 今の彼を形度って居る。

背格好が やや小さくとも、今の二人を見れば
エドワードの方が、兄であることを間違う者はいないだろう。

6年の歳月は、エドワードを大人に変えるのに十分な月日だった。



父、ホーエンハイムと暮らしていた部屋に戻り
当座の生活は父親が残した貯金で何とかなるとしても、
これから先の事を考えると、真剣に この世界で生きていく方法も
考えなくてはいけない。
国家錬金術師で、潤沢な資金源があるわけでもなく
身元も保証されてないような子供二人が
生きていくには、厳しい時代だ。

考える事も、やらなくてはならない事も山積みで
戻ってきたエドワードが さらに衝撃を受けるハイデリヒの死。

エドワードが その現実から立ち直るまでは
かなりの日数を必要とした。
その間に、アルフォンスは ここでの生活に順応し
哀しみから立ち直れない兄を支え続けてくれていた。

少しづつ、笑顔を取り戻してきたエドワードが
ポツリとアルフォンスに言う。

「お前が ここに居てくれて、本当に良かった・・・。

 でなきゃ、立ち上がれなかったかも。」

「兄さん・・・。」

力なく微笑んで、そんな事をつぶやく兄を見て
アルフォンスは、その人が兄にとって 
どれだけ大切な存在だったかが窺える気がした。

この世界に落とされたエドワードが あきらめずに生きてこれたのは
この世界の弟、ハイデリヒが存在し 傍に居てくれたからだ。
彼はエドワードを元の世界に戻すために力を注いでくれた。

彼の最後の言葉は、エドワードの心の中に後悔という棘を残したままだった。
どうして、アルフォンスを通して彼を見るしか出来なかったのだろう。
彼個人を、彼自身として向き合っていけなかったのだろう。

失ってから始めて、エドワードは 自分が 
ハイデリヒに酷い事をしていた事に気づかされた。
そんなエドワードに、彼は最後まで親愛を崩すことはなかった。
優しい、誠実な彼の愛情のおかげで
エドワードは この世界で生き残る術を持てたというのに・・・。

『今度は、きちんと向き合おう。
 どんなに辛い現実を見る事になっても・・・。』

そんな想いが、エドワードの心の中で生まれていき
悲しみの中から、1歩づつ歩き出す事が出来るようになっていった。






「お待ちください、ロイ様。

 決裁書の処理が、まだ 終わっていません!」

美しい金髪を、きっちりと結い上げ
厳しい表情で、ロイを追いかけてくる美女に
ロイは、やれやれといった風に振り返る。

「リザ君。
 決裁書は 君の判断で行って構わないと言っただろう?」

「そんなわけには参りません。

 旦那様が居なかった時は仕方が無いとしても
 今は、きちんとご当主がおられますのに
 私が勝手に代行するわけには行きません。」

生真面目な性格が現れているように、背筋を伸ばし
女性らしい柔らかさを微塵も感じさせない厳しい表情で、
しっかりとロイを見据えて話してくる。

『せっかくの美人が台無しだな。』

ロイは、心の中で そんな事を考えながらため息をつく。

容姿も、性格もややきつくはあるが、
スタイルも抜群の彼女はロイの好みだ。

連れてこられた当初に秘書として紹介され、
早速とばかりに 口説こうと、
書類を説明するのに置かれていた手を握ろうとして
触れる寸前に、机にナイフを突き立てられてから
ロイは、決して彼女を口説こうとしなくなった。

『こう隙がないんでは、男性も近寄れないだろうに。』

リザが聞いたなら、それがどうしたと鼻で笑われるか
無視される事を考えながら、ロイは ひどくつまらなそうに
返事を返す。

「別に、まがりなりにも当主の私が良いと言ってるんだから
 構わないだろう。

 家業の事も何1つわからない私が口をだすより
 君たちが良いと思ったようにした方が
 はるかに時間もかからないし、良い業績が生まれるさ。」

「ロイ様!」

ロイは、自分を呼ぶリザに背中越しに ヒラヒラと手を振りながら
恭しく開けられた扉を出て行く。


ロイの連れてこられた屋敷は、ヨーロッパで有数の財閥で
多くの関連企業を持って、シュミット財団として名を知らしめていた。
ロイは ここの嫡男として、屋敷に連れて来られたのだ。

母を幼い時に亡くしたが、代わりに育ててくれた養父が
ロイに愛情を賭けて育ててくれた為、不自由はしていなかった。
特に金持ちというわけではないが、困ることもなく
ロイ自身、自分の素性を気にもせずに過ごしてきた。

もともと優秀な方だった為、学校の成績も良く
養父の勧めに従って、難関のシュミット財団の企業に就職し
ごくごく普通の生活と、能力を発揮した働きで
若くして出世コースを進んで、自分の人生を謳歌していた。

そんな中、シュミット財団の一粒種の跡継ぎが亡くなり、
そのショックで相次いで、当主の妻が亡くなる事が起きた後、
ロイの生活が激変する事が起きた。



「マイヤー課長、社長がお呼びだ、至急 社長室に行きたまえ。」

焦ったように小太りの上司が、ロイを呼び出し早口で話しかける。

「は? 社長がですか?
 一体、どのような用件で?」

ロイとて社長に面識がないわけではないが、
直接呼ばれる事等、到底ありえない。
周囲で様子を窺っている同僚・部下達も、驚くような表情をしている。

せっかちな上司は、イライラとした様子を隠さず
ロイを急かす。

「そんな事は 私が知ってるわけがないだろう!
 とにかく、お待たせするわけにはいかない。

 早急に向かいたまえ。」

「はぁ・・・。」

重役専用のフロアーを通り抜け、さらに上のフロアーにつくと
そこでは、秘書なのだろう女性が案内に出てきていた。

案内された扉を開けると、社長の他に二人の客人がソファーに座っていた。
一人は 身なりの良い上品な紳士で、
もう一人は・・・。

「お養父さん!
 何故、ここに?」

ロイは、驚きを隠さずに声を上げる。

社長は、入ってきて挨拶もせずに驚いているロイを叱る事もなく
ニコニコと手招きして、ソファーに座るように示唆する。

戸惑いながらも、腰をかけたロイに 養父が話しかけてくる。

「ロイ・・・、いや シュミット様。
 時が参りました。
 私の役目も これで終わりです。」

潔い態度で養父が語る言葉を、ロイは困惑を深くして聞く。

「貴方様は、シュミット当主 カイザー様よりのお預かりもの。
 こうして無事に役目を終えて、お返しできる事は
 私にとっての喜びです。」

静かに感慨深く語られる瞳には、薄く透明な水が揺らいでいる。

「この後の事は、こちらの執事の方にお聞きください。」

それではと、席を立ち上がり出て行こうとする養父を
ロイは 追う様に立ち上がり近づく。

「お養父さん!
 一体どうしたんですか?
 何があったと言うんです?」

詰め寄ってくるロイにも動揺する事もなく
ロイに礼を1つすると、「元気で」と一言告げると
扉の外に出て行ってしまった。

呆然と 閉められた扉を見ているロイに
再度、座るようにかけた賭けられた言葉に頷いて座ると
おもむろに執事と紹介された男が語りだす自分の事を
他人事のように聞いていた。

ロイは所謂隠し子で、父親が職場で見初めた女性との間にできた子供だった。
それまで、当主のカイザーには 正妻と長い間、子供がなく
当主が 愛人を持つことも仕方が無いとあきらめていた妻が懐妊した。
その時に すでにロイの母親はロイを身篭っていたが、
それまで傍観をしていた正妻が、迫害に転じるようになった。
正妻の実家も旧家の権勢を誇る一族だったため、
身篭った妻を蔑ろにする事も出来ず、
当主は ロイの母親に暇を出し、手切れ金を渡して捨てたのだった。

その後、ロイを出産したまま心身を弱らせていた母親は還らぬ人となり
養父が育ててくれる事となったが、
養父はカイザーに雇われていた監視役だった。
ロイが 自分の素性を知って、よからぬ事を考えないようにさせ
もしもの場合は、それを押さえる役目も背負っていた。
どのような手段で、押さえる話になっていたのかは
聞きたくもない事だった。

当主の相次ぐ不幸が、ロイの存在を思い出させ
今の現状に至ったわけだが、
その頃になると、ロイの中では 
全ての事がどうでもよく感じられるようになっていた。
自分自身が、都合よく動かされる駒の1つで
そこに自分の意志など、微塵も入る余地もない。
そして、恵まれたとは言えない生い立ちだっただろうが、
自分自身、不幸ではなかったと思っている思い出や人生が
全て 嘘で作られた虚像の中の出来事に思えてくる虚無感に捕らわれていた。

今のロイにとって、真実は一欠けらも魅力がなく
今の自分にも、何一つ関心が持てない。
ふらふらと、その刹那の快楽と惰性に身を委ね
日々を生きているのか、死んでいるのかがわからぬまま過ごしている。



「なんだよアンタ。
 生きてんのか、死んでんのかわかんない顔して。

 馬っ鹿じゃねーの!」

公園のベンチにぼんやりと座っているロイに、
突然 かけられた言葉。
驚いて声をかけた相手を見ようと顔をあげてみると
逆行が 眩しくて、良く見えない。
戸惑うように、数度 目をしばたかせていると
光そのままに感じた相手が、ストンと横に座る。

「んだよ、何かあったのか?

 その面で、そんな顔されてたら 知らん顔で通り過ぎようと
 思ってたのに、出来なくなったじゃねえか。」

不機嫌そうに告げる本人をまじまじと見る。

『少年・・・、いや 青年か?』

ロイは、見上げたときに逆行で眩しいと思ったのだが
そうでなはくて、この青年自身が 眩しかったのだろうと気づく。

輝くような金髪に、光を凝縮したような輝きを持つ双眸。
そして、驚くような美貌を持っている。
まるで宗教画に描かれている 天上人のようだ。

「何 ジロジロ見てるんだよ?
 俺は 忙しいんだよ。
 話したい事は、さっさと話せよ。」

その言葉に、ロイは再度驚いた。
彼は 一体、何者なんだ?
そんな想いが浮かんで、口から出る。

「君は 一体、何者なんだい?
 私とは、初対面なはずだが・・・。」

そう戸惑いがちにロイが告げると、相手はあっさりと頷く。

「ああ、俺らは初対面だ。
 ただ、俺が あんたのもう一人を良く知っているだけだ。」

とロイに意味不明な事を言う。
ロイが 訝しそうに首を傾げると、相手は じれったそうに
話を促す。

「いいから、そこん所は あんたが気にする事じゃない。

 あんた、何か悩んでる・・・ってんでもないか、
 何か自暴自棄になってるように見えるぜ。

 どうせ、周りの人間には話さないんだろう?

 だったら、通りすがりの俺に話してスッとしろよ。

 うざいぜ、あんたの そんな顔見せられてる周囲は。」

ロイは、言いたい放題に言う青年に ア然とする。

まるで自分を良く知っているような話し振りをするクセに
自分とは 初対面だと言う。
そして、信じられないのだが
この青年が、自分自身の事を理解している事を感じられる。


そんな不思議な感覚が、思わずロイに妙な事を口走らせる。

「君は、天使か? 
 最後の時に懺悔を聞くと言う?」

この容姿なら、それも有り得るのではと非現実的な思いが心を占める。

「天使~?
 ああ、こっちで言う宗教の使いだっけ?

 まぁ、違う世界からやってくるってとこは そうかもな。
 でも、そんなご大層な者でもないぜ。

 まぁ、壁に向かってると思って話せばいいさ。
 どうせ、俺には何もしてやれないからな。」

そう自嘲気味に苦笑を浮かべる姿が、ロイを酷く安心させる。
これは、傷に慣れている人間だ。
無力をしっている者の笑みだ。

ロイは、自然と言葉が吐き出されて行くのを止めることもせず
本当に、壁に話しかけているように無反応な相手に
長くなる話を続けていく。




温かな日差しが、翳ってきた頃に ロイは話し終えて放心したように
動かずに座っていた。
横に座っていただけの人物が、ふらりと立ち上がった。

ロイもつられたように、見上げる。

「んで、あんたは これからどうしたいんだ?」

いきなりかけられた質問の内容が、頭に入ってこない。

「これ・・か・・ら?」

ぼんやりと言葉を繰り返すロイに、青年は 仕方ないなと言うように苦笑を向ける。

「そうだよ、こ・れ・か・ら。

 だって、アンタはアンタ自身の人生を生きてるんだぜ。

 まぁ、環境は ハードに変ったかもしれないけど、
 あんた自身が変ったわけじゃないだろ?

 んなら、自分の生きたい方法で生きればいいじゃん。

 あんたのお養父さんも、それを望んでるはずだぜ。」

ロイは、そう語る青年から目が離せないでいた。
その瞳には、自分に向けられる真摯な情愛が見える。

震える唇で、誰にも告げられなかった想いが語られる。

「でも、養父は・・・監視役だっただけで・・。」


そう語ると、青年は 怒ったような表情を浮かべる。

「バ~カ!
 それだけで、子供を育てていけるわけないだろ?

 あんたが話したように、自分の今までは不幸でなかったってんなら、
 間違いなく あんたを愛して育ててくれたって証だ。

 確かに 普通の親子とは違った関係で始まったかもしれないけど、
 でも、結果オーライだろ?
 あんたは、不幸だったんじゃなくて 幸せに育ってきたんだろ?

 実の親に育てられても、不幸だと思っている奴は 五万といる。
 あんた、ラッキーだったんだよ、そんな良い人に育ててもらって。」

そう言いながら、ロイの心に染み渡るような優しい笑顔を見せる。

「なぁ、しっかりしろよ ロイ。
 あんた、今は ちょっと混乱して戸惑ってるだけなんだよ。

 大切な真実は、ちゃんと自分の中にあるんだぜ。
 哀しみと憎しみの目じゃ、全部が見通せなくなるぜ。



 大丈夫、あんたは ちゃんと 行くべき道を見つけれるさ。

 ・・・いや、あんたの事だから もう、わかってるんだろ?」

にやりと悪戯小僧のような笑顔をロイに向けて、
その青年は クルリと向きを変える。

ロイは 慌てて、その青年を追おうと立ち上がり、声をかける。

「待ってくれ、君は、君は何者なんだ?」

青年は、少しだけ身体を返して短く答える。

「俺? エドワード。
 エドワード・エルリック、それだけ。」

バイバイと言う様に、後ろ向きに手を振り 足早に去って行く。

ロイは、縫い付けられたように動かない足をもどかしく思いながら
青年が語った名前をつぶやく。

「エドワード・エルリック・・・。

 エドワードか。」

一体、今日は 何があってこんな日になったんだろう。
身元もわからぬ人間に、スキャンダルに繋がるような話をして、
自分の頭が おかしくなったのかと思わせられる。

『そう・・・、そうだな。
 私の頭は、少々 おかしくなってたんだ。』

激変した環境に、自分自身が戸惑い自信を無くしていた。
だから、全ての事に懐疑的になって 物事を見誤ってしまっていた。

「馬鹿だな・・・、本当に 馬鹿だ。」

くっくっくと上げた笑い声が、どんどん大きくなっていく。
それは、自嘲の笑いではなく
心底、馬鹿だった自分が おかしくてしかたなくて
そんな自分に笑いが生まれてくる。

ひとしきり笑うと、ロイは すっきりしたように顔を上げて
その場を離れる。

『さて、ロスした時間分を取り戻さないとな。
 
 まずは、これからの事を考えて味方を集めるところからか。


 そして・・・、あの青年を探し出す事が第一優先だな。』

ロイは、立ち直った自分を現すように しっかりとした足取りで屋敷に戻る道を進む。
これから忙しくなるだろう日々に思いを馳せながら。




[ あとがき ]

え~っと、ロイエド ミュンヘン捏造編です。
映画の終わりには、とても不満な私は 
いつか この先を書きたいと思って駄文を書くことを始めました。
まずは、その中から 1つのストーリーを書いてみる事に・・・。
でも、資料とか調べる暇がないので
色々と おかしな事が満載です。
その辺は、お許しください!!






 
 






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