夫が亡くなった!そのとき年金はどうなる!?
LDC ライフデザイン・クリエーション 中野克彦 池田孝行Question.82私にはずっと自営業を営んでいる夫がいます。万が一、夫が亡くなった場合どのくらい年金が支給されるのでしょうか?Answer.82自営業を営んでいる夫が亡くなった場合、国民年金から遺族基礎年金が支給されます。しかし、遺族基礎年金を受給するためには、亡くなったご主人、そして遺族である奥様それそれ一定の要件を満たすことが必要です。● 一定の要件を満たさないと遺族基礎年金はもらえない!保険料滞納が命取り!遺族基礎年金を受給するための、ご主人の要件は「国民年金の加入状況」と「保険料の納付要件」の2つを満たす必要があります。国民年金の加入状況として、以下の3つのうちいずれかに該当する必要があります。 1.国民年金に加入している人 2.国民年金の加入していた人で、日本国内に住んでいる60歳~65歳の人 3.老齢基礎年金をもらっている人、またはもらう資格のある人また、ご主人が納めていた保険料についても、以下の2つのうちどちらかに該当していなければなりません。 1.国民年金を納めている人が亡くなった月の前々月の段階で、国民年金 の保険料を納めた期間または免除申請した期間等の合計が、本来納め るべき期間の3分の2以上あること 2.国民年金保険料を納めている人が亡くなった月の前々月までの1年間 に保険料の滞納がないこと例えば、国民年金保険料を納めていた人が8月に亡くなった場合、その前々月である6月を基準に保険料の滞納があるかないかを判断します。● 奥様も要件を満たすことが必要!お子様は何歳ですか?遺族基礎年金を受給するにはまだ条件があります。今度は受給する遺族側です。 1.18歳未満の子供がいる妻 2.18歳未満の子供仮に、妻に18歳未満の子供がいない妻であった場合、遺族基礎年金は1円も受給できないということです。その代わりに、寡婦年金というものをもらうことになります。● 遺族基礎年金の受給額は子供の人数で増額!お子様は何人ですか?以上のすべての要件を満たした場合、遺族基礎年金が支給されます。では、2007年現在、年間でどのくらいもらえるのでしょうか?遺族基礎年金は18歳未満の子供の数によって支給額が変わってきます。老齢基礎年金と同額の金額792,100円にプラスして子供1人につき227,900円です。ただし3人目以降は、1人につき75,900円になります。例えば、18歳未満の子供のいる妻の場合、以下のようになります。 ・妻+子供1人 792,100円+227,900円 =1,020,000円 ・妻+子供2人 792,100円+227,900円+227,900円 =1,247,900円 ・妻+子供3人 792,100円+227,900円+227,900円+75,900円=1,323,800円月ベースに直すと、およそ8万円~11万円程度になります。子供のいない妻に支給される寡婦年金の金額は、ご主人が受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3になります。例えば、国民年金に25年間(300ヶ月)加入していた夫が亡くなった場合の寡婦年金の額は、年間でおよそ37万円、月ベースに直せばおよそ3万円になります。自営業を営んでいた夫が亡くなった場合、国民年金より遺族基礎年金が支給されますが、ご主人、奥様ともに一定の要件を満たしていないと受給できません。年金の支給要件を満たしたとしても、受給金額はお子様の年齢によって大きく異なります。もしもの時に備えて、どのくらいの遺族年金をもらうことができるのかを把握されることをお勧めします。足りない場合など、民間の生命保険等を見直すことで対応できるかもしれないからです。事前準備をしっかりと行うことが大切です。