ブルゴーニュ地方の拠点であるディジョンに到着したのは1月9日の夕方だった。2010年にも滞在した中心市街地にある2つ星ホテルに地図なしで向かったところ、道に迷った。いったん途中まで元に戻り、記憶を頼りに違う道を選んでいくと、前にクリスマスのイベントをしていた広場や、見覚えのある教会に突き当たり、何とか無事につくことができた。このディジョンのホテルだけ、日本で地図をプリントしないで出発したのだが、慢心は災いのもとだと痛感した。
7年ぶりにディジョンの駅前に立って驚いたのは、駅前からトラムが出ていたことだった。新婚旅行で最初に訪れた時はタクシーがたくさん待っている乗り場だったのだが、前回2010年には狭くなっており、今回はそこにトラムの駅が誕生し、景色が一変していた。
正味24時間の滞在時間しかないため、この日も生産者の直売所やワインショップめぐりをしようと意気込んでいたが、到着してから急きょ予定を変更してブザンソンまで足を伸ばすことにした。
ブザンソンでは、筑波大学から留学している女子大生の黒崎愛海さんが大学の寮から失踪したことが話題になっていた。お金を使ってワインを買いあさりたい気持ちより、事件の現場を見たいという野次馬根性が上回った。また、滞在日数より長い日数のものしか販売がなかった乗り放題のフランスレイルパスを有効に使いたいという思いもあった。
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