最近、マイケル・ルイスの著書を続けて読んだので、紹介します。
ちなみにルイスはソロモンのセールスマンから作家に転向したという変わった経歴の持ち主です。
ライアーズ・ポーカー ウォール街は巨大な幼稚園
自らの体験を中心に、80年代のソロモン(およびウォール街)の実情について明かした本です。
当時のウォール街の最先端だった、モーゲージ債やジャンク・ボンドの誕生についても詳しく述べられています。
また、グットフレンド、メリウェザーなどの有名人に関するエピソードも豊富で、大変面白かったです。
なお、具体的に投資に役立つ本ではないです。ただ、投資に携わる以上、こういった歴史を知っておくことも重要だと思っています。
マネー・ボール
MLBのアスレチックスを少ない予算で屈指の強豪チームに育てたGMビリー・ビーンの物語です。
野球の話なのですが、やっていることは完全にバリュー投資です。
例えば選手選考に関し、打率・打点・足の速さなど誰もが重視する指標が実は重要ではなく、出塁率こそが地味だが最も重要なデータであるということをあらゆるデータ分析から発見し、他球団が見向きもしない選手を安く買い集めます。そして、結果が出て市場価値が上がると売却し、再度隠れた好選手を雇います(まさにバリュー投資!)。
他人の意見を意に介さず、自分の信念のままにチームを作っていく様は投資家のPF構築そのものです(感情のある人間を相手に機械的にそれをやってしまうところが怖いですが)。
野球に興味がない方でも全く問題なく読むことができるので、お勧めです。逆に野球が好きな人の方が選手を完全に駒として扱うやり方に違和感を感じるかもしれませんね。