尊い密室を食らう人-3
-----------不自然ですか?これが? でしたら、私も調べてくださいな、もちろん白ですよ。-------■ △現場「どうです?師匠!これは”密室”ですよね?」と僕は意気揚々と聞く。「ん~、たしかにね・・・。でも”密室殺人”でしょう?」「えっ?」何を言っているんだろう先生は?そう思ったが師匠とこれ以上話しても、論議は平行線だ。「でも、誰が犯人なんでしょうね?この事件は。」「それを解くために私は来ているのだよ、踵君。」「僕のことを片方の名前で呼ばないでと言ってるでしょう!」「すまないね、踵踵君。」と、まぁいつも通りの挨拶をし、僕達は現場を調べ始めた。-------------10分後--------------「ふむ、こんなものかな?引き上げようか、踵君。」「そうですね、これ以上は無理でしょうし、・・・それと名前!」「すまない、すまない。」結局現場から発見されたのは血痕のみ。何らかの毒物を入れられた様子も無く、只純粋に血が飛んでいた。ふと疑問に思ったのは、何故病院で亡くなってしまったのか?それだけだ。「どうです?師匠!解決出来そうですか?」「ん?そうだね・・・。」なんだか険悪な顔をする師匠は見ていて心地がいい。不謹慎ではあるが、僕は笑みがこぼれてしまう。「ん~、解決かぁ・・・。ん~。」「どうしたんです?師匠。」「この事件、いや、事件ともいえない出来事はとっくに解決しているのだよ、踵君。」「えっ・・・。」そうして、先生はいつも通りに僕の名前を片方の名で読み、それに謝りも気づきもせずに、淡々と解決を始める。「では、解き明かして見せましょう。この事件を、警部さんたちを読んできてくださいな。」そうして、僕はいつも通りに警部たちを呼んでくる。「だぁ、お前さん解決なさったんでぇ?」「えぇ、解決しましたとも、事件は解決、フィナーレです。至って簡単なことですよ。」師匠は無表情のまま、僕と警部の前で謎解きを始める。そこには、何たることも無い、美学も哲学も感じられない、只の事件しかなかった。