流れ
行き着いた所がどんなところでも、いま、幸せだと感じることが出来る。それが大切だと思う。しかし、私は思う。おっと、こんな読み物で一人称を私と称するのはおかしいかな?言い換えまして、自分は思う。世界に現在いる人が幸せになるための手段はいくつあるのだろうか?戦争を無くす?それはない、争いがあるからこその平和である。差別を無くす?それもない、差別こそが人を喜ばせるための手段である。幸せじゃないものを殺す?これもだめ、幸せの定義が不明である。こんなことを言うのもなんだが、今も流行っているのかは不明だが、人類の精神をひとつにする。これが結論だと言うのは、ある種のSFによって言われているだろう。ところが、ある研究機関にはそんな幸せの定義も戦争も平和も関係なしに、ひたすらある研究をする機関があった。通称”翼計画”彼らは人類が自分の手で空を飛ぶことのみを考え、そして実験してきた。はじめは手に羽をつけた。もちろん失敗している、そんな程度じゃ飛べない。次の時代は勢いをつけた。これも失敗、飛ぶのではなく、跳んでいるだけである。次は風を利用した。これは今やハングライダーと呼ばれるものとなっている。次に永続的な機械による勢いの発生を目論んだ。ここで飛行機やジェット、はたまたロケットなどが生まれている。さてさて、ここで話す”翼計画”とは根本的に筋道が違う。彼らはこう考える。”全ての生物は進化する。ならば空にのみ食料を得る手段を用意すれば、人は空を飛ぶために進化するのではないか?”と。彼らはさらに考えた。”まずは地上の食物を消そうか?それではいけない、それでは動物は空とて生きていけない、ならば意図的にそんな環境を作り出そう。”とそんな彼らの思想のままに作られた施設、地下深くに作られたドーム型の擬似地表環境空間科学者の間では”エイトワールド”縦に作られた永遠に無理な世界を皮肉ってそう呼ばれている。さてさて、こんな長い話をしてきたがこの計画、今年を持って12000年目を迎える事となる。現在地上は放射能が蔓延り、それらから人を守るための防御壁によって守られてた場所で生物は暮らしている。皮肉にもそこは”エイトワールド”。科学者が笑い続けた場所、そして今や空が無い世界に存在する機関が研究している施設である。