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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

「主語だけ英作文」のススメ

まあそうはいっても自主的なトレーニングは難しい。合っているのかどうかも確かめられないから挫折しがちだ。

語学の勉強はやはりだれかと実際にしゃべる機会がなければ完成はしない。その点でもやはり英会話学校に通ったり、だれか先生に見てもらったりすることは必要なのである(もちろん友人などにネイティブがいてしゃべる機会があるならそれもいいのだが)。
ただしそれはそれで、「それだけではだめ」でもある。教師であってもすべていちいち生徒の間違いを直しきれないし、友人であればなおさらだ。

実際に話す、という機会を補完する手段としては、シミュレーションで「トレーニング」するしかない。そのときに一番有効なのは、ひとつにはもちろん「音読」であり、「文型の暗記(頭でなく口で!)」だが、応用のためにはやはり「英作文」が有効である。

会話の時よりは若干冷静に時間をかけて文を組み立てることができる。ここでできないものは会話ができるはずがない(ブロークンな状態で身振り手振り交えて意志疎通するというのはまた別だが)。
英作文を練習することで、少しずつ英文の組み立て方に慣れていく。そうすると、会話のようにある程度スピードが出てきたときにも対応できるようになるはずだ。

しかしボキャブラリーの問題、というのは大きい。英作文などと言われても途方に暮れてしまう、という人の方が多いだろう。だがとにかく、まずは英語の組み立てかたに慣れる必要もあり、とりわけ「主語」をどうするか、ということを意識しなければならない。

そこで(中途半端ながら)日本語混じりでトレーニングをする。なんでもいいから、対訳のある本を用意しよう。そして日本語だけを見て、それぞれの文について、完全に英訳することは無理であろうが、「主語はどうするか」ということだけを考えてみて欲しい。それからもうひとつは、文の冒頭の言葉は何か、ということ。つまり疑問文であれば疑問詞が冒頭に来るであろうから。

主語を考えるにあたって、「~は」「~が」に惑わされてはいけない。すでにしつこく述べているように、
「きのうは忙しかった」という文で「きのう」が主語なわけではないからだ。
ちなみに、「は」「が」を反射的にbe動詞(am/are/is/was/were)にしてもいけない(いい場合もあるが)。日本人はどうしてもそうしがちである。これについてはまた項を改めて話したいと思うが。

会話ができることが目標なら、会話主体の対訳テキストがいいだろう。すこし難しいが(いずれにしても全訳を目指すわけではないから多少難しくてもOKでしょう)映画のシナリオなども面白いかもしれない。「スクリーンプレイ」というシリーズがお勧めだ。これならDVDを手に入れれば音声学習もできる。ただし犯罪モノなどではないほうがいい、あまりスラングや省略などが多いのは考え物なので。
私のお勧めは「Back to the future」シリーズである。けっこうスタンダードで分かりやすい英語だと思う。

ここでほんの一部を抜き出して例を挙げてみよう。ただし著作権などの問題もあるので、和訳のほうはスクリーンプレイの本ではなく私のオリジナルだ。説明しやすいように各文に番号をつけた。(自称)発明家のドクの家に遊びに行ったマーティが、ドクの発明した変わった(自動的に朝食を作ったりなどの)装置は全部動いているのに、ドクが1週間も不在であったことをいぶかしんでいるところに、ドクが戻ってきたという場面。

マーティ:(1)いったいどうなってるの? (2)この1週間どこにいたのさ?
ドク:(3)仕事だよ。
マーティ:(4)アインシュタインはどこ? (5)いっしょなの?
ドク:(6)ああ、ここにいるよ。
マーティ:(7)ねえ、ドク、装置もみんな、ずっと点けっぱなしだったよ?
ドク:(8)装置…それで思い出した、マーティ、アンプの電源はいれないほうがいいぞ。(9)オーバーロードする可能性がわずかながらある。
マーティ:(10)うん。気に留めておくよ。

これらについて、とにかく「主語」、及び「冒頭の語」「だけ」を考えてみて欲しい。


以下は、少し考えてみてから読んでね。

(1)のっけから「決まり文句」系なので難しいと思うが、これはさすがに「人」が主語にはならない。「何が」起こっているのか、と考える。
(2)当然、ドクのことを言っているので、主語はyouである。だが冒頭に来るのは疑問詞whereだ。
(3)「仕事」が主語なのではないことに注意。(2)でyouで尋ねているからIで受ける。とはいえ、実際のせりふではこの文においては主語は「省略」されているのだが。
(4)主語はもちろんアインシュタイン(犬)だ。だが冒頭にはwhereがくる。
(5)アインシュタインのことなので引き続きそれが主語だ。ただし2度目以降なので代名詞で受ける。だが疑問文なので主語と助動詞(ここではbe動詞)は入れ替わる。
(6)これもアインシュタインを受けている代名詞が主語。
(7)「装置が」つけっぱなしだったのだが、点けた主体はあくまでドク(つまりマーティから見たyou)。もっともこれは、「装置が」「点いていた」と解釈して装置を主語にすることもできる。
(8)「それで思い出した」は決まり文句系なのでちょっと難しいだろう。普通に考えれば「私が」思い出したわけだが、ここは英語においてはしばしば「それが」私に思い出させた、という言い方をする。これはおいておいて、アンプの電源を入れない方がいいというのは当然マーティ(ドクから見たyou)が主語である。
(9)これは説明が難しい。「~がある」という文は、ごく基本的だし簡単そうに見えるが、日本人にとっては文の組立に一番迷うタイプのものである。これについては項を改めて詳しく説明しなければならないが、「○○がある」ということを表す文のひとつの可能性として、いわゆるThere is[are]~構文があるので、これを使うことができるととりあえず言っておこう。ただしこの場合「主語」は「可能性」である。「アンプ」を主語にしてIt has~のような言い方にすることもできる。
(10)気に留めておくのは自分だから主語は「I」


以下、実際のシナリオの一部。

Marty: What's going on? Where have you been all week?
Doc: (I've been) Working.
Marty: Where's Einstein, is he with you?
Doc: Yeah, he's right here.
Marty: You know, Doc, you left your equipment on all week.
Doc: My equipment, that reminds me, Marty, you better not hook up to the
amplifier. There's a slight possibility for overload.
Marty: Yeah, I'll keep that in mind.


全部を訳せなどと言われたら「そりゃ無理」と思う人でも、せめて「主語だけ」「文頭だけ」という課題を自分に課してみると、ただ漫然と読むよりも刺激があり、トレーニングになる。文の組み立て方に意識も向いていくだろう。

主語を確かめたら、その主語に対する「動詞」はどれだろうか、と意識して英文を見てみよう。isやare、amももちろん含まれる。

そして慣れてきたら、日本語を見た段階で動詞もある程度考えてみよう。

全部いちどに把握しようとしても無理である。だが一番大事なところからポイントを絞って押さえていけば、映画のシナリオだって怖くない。まず主語、そして次に動詞。その後は文型→時制等々と着目点を拡げていきたいところだが、一度に欲張るのは挫折の元なので、とりあえずは「主語だけ英作文」プロジェクトを試みてみてほしい。

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