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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

must vs have to

must と have toはどう違うの?

mustとhave toも、しばしば中学英語などでは「書き換え」させられる定番です。ですがやっぱり、mustにはmustの、have to にはhave toの「キモチ」があります。

「キモチ」という点について言えば、mustのほうがより強いキモチです。

一般に、「助動詞」(must, can, will. may etc.)というものには、「キモチ」が強く入っています。というか、キモチを表す「ためにある」のが助動詞です。

mustには「~なければならない」というキモチが強く込められている、と言えます。(だから、「こうでなければならない」=「こうであるにちがいない」という非常に強い推測の意味もあります) 話し手の意志がとても強く込められています。mustは「主観的」なのです。助動詞というのは「主観的」なものなのです。

それに対し、have to~というのはもっと「客観的」です。一般に英語というのは、主観的(話し手の気持ちが大いに反映している)か、客観的かということにこだわる言語だと思います。このことはよく頭に止めておいてください。
have to~は、自分やだれかの意志に関わらず、客観的に「~しなければならない」状況になっているのです。


事態は同じでも、
I must go there.
と言えば、「そこに行かなければ」、と自分も主体的に思っている感じだし、
I have to go there.
と言えば、気持ちはともかく、状況的には、ともあれ行かなければならない、という感じです。

だからmustは、
医者が患者に責任を持って言う
You must stop drinking.   あなたは酒はやめなければいけません。
とか、お母さんが子どもに
You must do your homework first! まず宿題をやっちゃいなさい!

などと、自分が自分の意志で相手に何かを命じる文に使われます。

You must try this ice cream! It’s so delicious. 
このアイスクリームぜひ食べてみてよ。すごく美味しいよ!


こんな文でも、自分の意見、意志が強く出ているのでmustのほうが自然ですね。
まあhave toでも強めに発音すれば強い気持ちは表れます。お医者さんがYou have to stop drinking.と言っても別に間違いではありません。ただmustを使う方が親身になってくれている感じはしますね。

もっと詳しく分解してしまうと(かえって頭がこんがらがるかもしれないから、面倒な人は飛ばしてね)、
「have to+動詞」というのは、意味的にはむしろ
「have  + to 動詞(不定詞)」
と捉えるべきもの。
haveというのはそもそも、「ものや状況が、主語と『ともにある』」ことを表します。まあ「持っている」と日本語化してもいいですけれど。そしてto動詞(不定詞)は、
とにかく「これから~する」「~すべき」という意味を含んだ
名詞と考えられます。
「『これから~する(~すべき)』という状況を私(主語)は持っている」
ということなのです。キモチにはさして関わりがありません。
ついでに言えば、現在完了形が<have+過去分詞>であるのも当然同じ
理屈です。「~してしまったという状況を私(主語)は今持っている」わけです。

でもこのように考えると、don't have to ~も理解できます。「『これから~する(べき)』という状況を私は持っていない」のです。だからしなくてもいいわけで。それに対して、mustを否定にしてmusn'tにすると、「~してはいけない」という意味になるのです。さあ、ここまで読んだら....これからは上のことは忘れてけっこう!(^_^;)あとは感覚として慣らすのみ、です。音読が最も効果があるでしょう。ただ、感覚を捉えるためには、読むときにもちゃんと、mustにはキモチを込めて、強めに発音しましょう。have toは弱めでも構いません。「ハフトゥー」などというより「(ハ)フタ」ぐらいでいいのです。自分の生活の中で、しなければならないこと(客観的&主観的)、しなくてもいいこと、してはいけないこと(たくさんあるでしょう?)、を考え、英作文してみましょう。そしてそれを口に出して練習します。自分のことだから感情も込めやすいでしょう。そういう練習が一番効果的です。



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