2011/01/03(月)22:13
彦根へ
一般的な現代人は「言葉」で物事を考える。
これはまっとうな社会生活をするためには必要不可欠なのだ。
しかし、“副作用”もある。
例えば富士山を描いた絵を見て、「富士山だ」と「言葉」にすることで納得して、
一枚の絵の中にある、「言葉」に置換できない情報を切り捨ててしまう。
これでは豊かな創造力は育っていかない。
かように、「言葉」とは諸刃の剣のよーなものなのだ。
稀に、この「言葉」で思考しない人種が存在する。
例えば、見たものを「言葉」にせずに「見たまま」で思考を膨らませてゆく。
一緒に仕事をしているU嬢が、この手の人種であることに気がついたのは最近のこと。
まったく知れば知るほどナイスなお嬢さんだ。
過日、彼女の展覧会を観に彦根へ出掛けた。
人通りの少ない商店街を過ごして、
城下町の風情が残る通りにある、
オリジナルのスィーツと珍しいお茶のお店。
もとは表具屋だったという、築200年の建物。
ここが展覧会場。
日本ではこの店にしかないという、
タイの何とか(名前忘れた)というチャイをいただく。
お店の常連さんや友人たちが集まり、
憩いのひと時を過ごす場に飾られた絵の数々。
そこに描かれているのは、
どこか分からない場所であったり、
ありえない姿をした生き物であったり。
美術館や画廊で見られるような“アート”ではなく、
生活の中に一緒に住んでいるような“アート”。
それがU嬢の絵のスタンスなんだろう。
技術的には未熟なのだが、
どこまでも自然体な彼女の絵にテクニックは似合わない。
今のまま、のびのびと描いていってほしいと思う。
19日までやってるので、お近くの方は是非!
『alive』 JUN art exhibition
場所:ナチュラルスイーツ&旅のお茶「Ruwam」
JR彦根駅から南のほうに15分
http://ruwam.web.fc2.com/
日時:8.22(日)~9.19(日)
11:00~17:00
(最終日の展示は16:00まで)