2006/08/19(土)09:08
● つまらないけれど、とにかく仕上げる?
絵を描くということは、自分にないものを付け加えていくことでなくて、自分にあるものを見つけて磨いていくこと。自分の良さを磨いていくことです。自分にないものを付け加えていくと、一見、見慣れた上手い絵ができ上がってくるかのように思ってしまいます。…
いきなり、この言葉で始まりました。
『絵を描く悦び』 千住博の美術の授業
光文社新書
絵を描いているわけでも、
描いていたわけでも ありませんが、
その周辺を歩いてきたような部分はあるので、
この本の言葉は、沁みてくるところが、
多々ありました。
だから、これ、
自分のためのメモ、みたいなものですが…
面白いと思って描きはじめた。それが最後に緊張や集中力が続かなくなって、どうでもいい、という感じになってしまったという経験は私にもあります。結局大切なことが伝わっていかないのです。なんでこれを描こうと思ったか分からない。そんなつまらない絵、無感動な絵は描いてはいけません。
だから一番ダメな例は「どうやったら苦労しないで成功するか?」というようなことを平気で聞いてくる人です。端から見ると大変な苦労に見えるでしょう。しかし本人は夢中なので、苦労とは思っていない。しかしまあそこまで、という感じに見える。一流と言われる人にはこれが共通しています。
うんうん、苦労しないで成功したい… ^_^;
と、いつも思っているわけではないけど、
まあ、そういう気持ちだってあるな。身辺に・・・
これは私の経験上わかったことですが、一流の芸術家に趣味をあれこれやっている人はいません。やれ土日は画商とゴルフだ。仲間の画家とマージャンだ。よくそんな話を聞きます。しかし、そんな人に世界に通じる作品がつくれるわけがありません。
ハハ、これはとってもよく分かります。
なんて偉そうですが。
「趣味をあれこれ」できない、不器用で一途な、
立派な方がいることは、確かです。
画家として大成するには、とにかく好きで夢中になれることが大切ということです。でも、それだけではありません。同じくらいに大切なことがもう一つあります。それは「伝えたい心」を持っているということなのです。
伝えたい心ですか。
いろんな意味で 胸がちょっとくすぐられます。
ちょっと痛い。
私の経験から言えば「私は個性的だから」と言っている人が個性的であったためしはありません。ただ癖っぽく、わがままで、思い込みが強いだけなのです。超一流の国際展のレセプションに出席してみると実に面白いことに気づきます。芸術家っぽい変わった服装をしている人は、まず出品している作家ではありません。そうなりたい二番手の連中や「とりまき」です。
うふふ、これも状況が目に浮かんでしまって
苦笑であります。
私は出品者でも、変わった服装の人でもありませんが…
何か人の役に立ちたい。孤独で震える人にあなたは一人ではない、と伝えたい。とにかく生き続けることだと伝えたい。そんな一枚があなたの描いた一枚かもしれないのです。
石膏デッサンをやると個性がつぶれるのでは、という声も耳にしますが、それはあり得ません。画家が目の前のものを正しく描けなくて、いったい、心の中の複雑かついまだ形にすらなていないイメージをどうやって描けるのでしょう。
ふむふむ、当然ながら、
抽象的なフォルムも、写実的に正確に
描ける人が描くから、いいんですよね~
すしがニューヨークではやっています。「日本風だから」受けているのではなく「美味しいから」です。
そして、一番、 ずっきん ! は、これでした。↓
見てあまり面白くないな、と思う場合、描いていてもつまらないけれど、とにかく仕上げた、という体験が一致しているのではないでしょうか。いやいや描いて他人からも共感されるわけなどないのです。
何故 ずっきん! かというと、
「つまらないけれど、とにかく」というのは、
そんな事態は避けたいけれど、
しかし目の前の仕事を片付けないといけない。
個人の好みで、「これ! もう、止めましょう!」
と言えない、切ない日常につながるから かな。
作っている(作業している)人が感動しない本を、
だれが、読んで感動するか !
と、大声で言えないから、
ひっそり、
内緒で書いている。
って、 まあ、読み流されたし・・・
の独り言、でした。 ^_^;
どんな仕事にも、「仕上げなければならない」
という側面はあるし、個人の意思は関係ないし、
まあ、それはそれ。
ただ、可能な枠の中で、できる限り、
関わっている者も、その感性にふさわしい
気持ちを備えながら、仕事したいと思ったわけです。
おしまい。 めもでした。
@土曜日のまだ何もしていない朝。
よい週末をお過ごしくださいね~
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【本日の同音異義語の驚き(o^^o)】
賀正とゴルフに行ったのです。
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