賞味期限が切れたら食べない方がいい15の食品とは?
賞味期限が切れたら食べない方がいい15の食品とは? 専門家が危険性と見極め方を解説!4つの見極めポイントとは?賞味期限って気づいたら切れてない? もちろん賞味期限内に食べるのが一番だけど、すぐに捨ててしまうのももったいないから、食べてしまいたい……。食べられるか食べられないかの見極めがとても大切になってくる。今回は、賞味期限切れの基本的な見極め方と賞味期限切れで特に危険な食品を管理栄養士の荒井名南さんに解説してもらった。冷蔵庫や食品棚に眠っていた食品を取り出して、ぜひチェックしてみて!(下記「」内荒井さん)。賞味期限切れで特に注意が必要な食品15選賞味期限と消費期限の違いとは賞味期限切れの見極め方基本的なポイント安全な摂取方法賞味期限切れで特に注意が必要な食品15選「賞味期限が切れてからどのくらいの日数が経過しているか、未開封なのかなどの保存状態によって「危険」かどうかは変わってきます。以下に挙げるすべての食品が賞味期限が切れてしまうと必ずしも食べてはいけないというわけではありません。このことを前提に、注意したい食品をご紹介します」。①牛乳「開封後は雑菌が繁殖しやすく、腐敗臭や異常な酸味が感じたら廃棄してください。飲んだり料理などに使ったりする分を注いだら、そのまま放置せず、注ぎ口をきちんと閉じて冷蔵庫で保存。開封後は賞味期限にかかわらず、早めに使い切りるのが大切。製氷皿やフリーザーバッグに入れて冷凍保存も可能で、冷凍した牛乳は、1ヶ月以内にシチューなどの加熱調理する料理に使いましょう」②ヨーグルト・チーズ「カビや異臭、変色がある場合は危険。ヨーグルトは蓋をしっかり閉めて冷蔵庫で保存します。食べる分を器に移し、残りはすぐに冷蔵庫に入れましょう。冷凍保存も可能で、無糖のものはヨーグルトに対して10%の砂糖を加えて混ぜてから保存袋に入れて平らにして冷凍庫に入れると、解凍後の分離が防げます。冷凍後は1ヶ月を目安に使い切りましょう。チーズは乾燥を防ぐためラップでぴったりと包み、密閉容器や保存袋に入れて冷蔵庫で保存。1回に使用する分をラップで小分けにし、保存袋に入れて冷凍も可能だ。ピザ用チーズはフリーザーバッグに入れて平らにならし、空気を抜いて口を閉じたら冷凍庫に入れ、1時間後に全体を揉んでまた冷凍すると、パラパラのまま使えて便利です。1ヶ月を目安に使い切りましょう」③卵「卵の賞味期限は、生で食べられる期間。賞味期限切れの卵はサルモネラ菌のリスクが増大。水に浮く場合は廃棄しましょう。ドアポケットに卵を置く場所がある冷蔵庫もありますが、ドアポケットは冷蔵庫の中でも扉の開閉による温度変化が起きやすい場所であるため、温度変化の少ない冷蔵庫の奥の方で保存するのがおすすめ。卵の尖った方を下にして保存すると、割れにくくなり鮮度が長持ちします。殻のまま冷凍存もできますが、冷凍することで殻が割れるため菌が繁殖しやすくなるので加熱調理がおすすめ。錦糸卵や炒り卵は、小分けにして冷凍しておくと使いやすいです」卵の賞味期限切れ、いつまで食べて大丈夫? 見分け方と長持ちする保管方法④ハム・ソーセージなどの加工肉「表面にぬめりが見られたり、異臭がしたりする場合は危険。パックから出したものを保存するときは、ラップでぴったりと包んで密閉容器や保存袋に入れ、チルド室で保存。冷凍も可能で、スライスハムの場合は1枚ずつラップに包み保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう。ブロックの場合は使いやすい大きさ・形に切って1回分に小分けにしてラップに包み、保存袋に入れて。使うときは冷蔵庫で解凍するか、凍ったまま炒めたり焼いたりして使ってください。ソーセージも同様で、1回分に小分けして冷凍しましょう。凍ったままボイルすれば手軽に使えます。ハム・ソーセージのどちらも冷凍保存の目安は1ヶ月程度です」⑤ジュース「未開封のジュースは直射日光を避けて常温で保存できますが、開封後はしっかりとキャップや注ぎ口を閉じて冷蔵庫で保管し、賞味期限にかかわらず早めに飲み切りましょう。ペットボトルの場合、直接飲まずにコップなどに飲む分を移して残りはすぐに冷蔵庫に入れるのがおすすめ。製氷皿や保存袋に入れて冷凍も可能です。ペットボトルが冷凍できるものでない場合、ペットボトルごと冷凍すると破損の原因になるためパッケージをよく確認して判断しましょう」⑥アルコール飲料「ビールや発泡酒は酸化し、風味が著しく変わります。光が当たらず涼しい冷暗所で保存し、早めに飲み切りましょう。ワインの場合、直射日光を避けて冷蔵庫保存がおすすめ。コルクが入らない場合、市販の栓を使用するか、清潔な小さい空瓶に移し替え、できるだけ酸素に触れないように密閉しましょう」⑦缶詰食品「未開封でも缶が膨らむ、液体が濁る場合は廃棄を。未開封の缶詰は直射日光を避けて常温で保管できますが、涼しく風通しのよい場所が望ましいため、暖房・加湿機器の近くは避けるのもポイント。開封後は別の密閉容器に移して冷蔵庫で保存し、早めに食べ切りましょう。缶詰のままラップをかけがちですが、酸素に触れると劣化の原因になるため密閉容器に入れるのがおすすめ」⑧瓶詰食品「液体が濁っている、カビが見られる場合は廃棄しましょう。開封後はしっかりと蓋をするか密閉容器に移して冷蔵庫に入れて保存し、清潔なスプーンを使って中身を取り出すよう注意しましょう。瓶詰食品は保存がきくイメージがありますが、それは開封前のこと。開封したら早めに食べ切ることも大切です。また、賞味期限が長いことからつい使うのを忘れてしまいがちなので、定期的に期限をチェックしてきましょう」⑨冷凍食品「冷凍焼けや異臭、表面に氷が大量に付着している場合は注意。再冷凍された可能性もあり危険です。食中毒の原因ともなる雑菌は、10℃以上で増殖を始めます。一度解凍した食品は、解凍による温度の上昇で雑菌が増えた状態です。その状態でまた冷凍・解凍することで、どんどん雑菌が増えていくことになり食中毒のリスクが上がります。食中毒の原因菌は冷凍すれば死滅するというわけではないので、一度解凍したものは食べ切るようにしよう」⑩焼き菓子「カビが生えるリスクが高く、見た目に異常がなくても湿気で細菌が増える場合もあります。湿気を避けるため一つずつぴったりとラップで包み、密閉容器に入れ涼しく乾燥した場所で保管しましょう。密閉容器に入れた状態で冷蔵庫に入れると、常温より数日長く持つこともあります。冷凍保存も可能ですが、冷凍庫内の他の食品の臭いが移りやすいため、ラップに包んでから保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍庫に入れるのがおすすめ」⑪油類(食用油、バター、マーガリンなど)「酸化が進んで異臭がしたり、変色したりしている場合は廃棄しましょう。サラダ油やオリーブオイルなどは、開封後は酸化を防ぐため直射日光を避けて冷暗所で保存を。ガスコンロの近くは温度が高くなりやすいので適していません。また、冷蔵庫に入れると油の中の成分が結晶化してしまいます。使えなくなるというわけではありませんが、使いにくくなるため常温保存がおすすめ。バターは開封後、ラップや付属の銀紙でぴったりと包み、冷蔵庫で保存しましょう。使いやすい大きさに切って一つずつラップし、保存袋に入れて冷凍しておくのも便利。マーガリンは冷凍すると、解凍した時に水分と油分が分離してしまうため冷凍には不向き。冷蔵保存しましょう」⑫乾物(乾燥パスタ、乾燥しいたけ、粉末スープなど)「湿気を吸収し、カビや虫が発生することがあります。開封後は特に注意が必要。開封後はラップに包んで密閉容器や保存袋に入れて保存を。基本的には常温で良いですが、梅雨時や夏場など、湿度や温度が上昇する時期には冷蔵庫に入れておくのがおすすめです。季節にかかわらず、密閉容器や保存袋に入れた状態で冷凍庫で保存すると長持ちする傾向にあります。乾物は湿気を避けたいので、どの保存方法であっても『なるべく空気を抜く』というのがコツです」⑬ナッツ・種子類「酸化が進み、異臭がする場合は危険。カビ毒(アフラトキシン)のリスクあります。ナッツは光や熱により酸化が進むため、開封後は密閉容器や保存袋に入れて、直射日光を避け湿度が低い冷暗所で保存。冷蔵・冷凍保存も可能。ナッツは水分が少ない食品のため、冷凍しても解凍の必要はなくそのまま食べられなくなります」⑭菓子類「変色したり、カビが生えている場合は廃棄をしましょう。風味が劣化しているだけでなく安全性も保証できません。開封後は密閉容器や保存袋に入れて、冷暗所で保存。小分けのお菓子は小袋のまま密閉容器に入れて保存するのがおすすめ。風通しの良い冷暗所で保存しますが、冷蔵庫に入れるのもよいです」⑮乳児用食品(粉ミルク、離乳食)「乳児の免疫が弱いため、特に注意が必要。賞味期限が切れているものを食べるのは避けましょう。粉ミルクは蓋をしっかりと閉め、直射日光を避けて常温で保存。冷蔵庫に入れると温度差により結露が生じて粉ミルクが湿気を吸って固まりやすくなるので、冷蔵庫には入れないようにしましょう。ベビーフードは清潔な容器に小分けにして冷凍できるものもあり、必ずパッケージの記載をよく読みそれに従った保存を。食べ残しを保存すると雑菌が増える原因になるためやめましょう」賞味期限と消費期限の違いとは賞味期限は「おいしく食べられる目安」です。未開封・適切な保存環境であれば期限を過ぎても安全な場合があります。スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品など品質の劣化が比較的穏やかな食品に表示されます。これに対し消費期限は「安全に食べられる期限」を示しており、過ぎた場合は食べない方が良いです。弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、食肉、生めん類など品質が急速に劣化しやすい食品が対象となります。賞味期限切れの見極め方基本的なポイント初めに挙げた15個の食品以外でも、下記の基本的な見極め方を身に付けておこう。見た目:カビ、変色、膨張などがないか確認しましょう。臭い:通常と異なる臭いがする場合は要注意です。触感:表面にぬめりがある、粘り気を感じる場合は廃棄しましょう。味:視覚的、嗅覚的に異常がない場合も、食べてみて「酸っぱい」などの違和感を覚えるときは廃棄しましょう。安全な摂取方法先述した見極めポイントをすべてクリアしており、食べられると判断した場合でも、加熱してから食べるのがよいでしょう。細菌による食中毒のリスクを減らすことができます。(スナック菓子などの加熱できないものを除く)食べてからもしも体調に異変が現れた場合は、直ちに医療機関を受診し適切な処置を受けてください。まとめ賞味期限切れは「おいしく食べられる目安」であり、過ぎても食べられないものはないが、見極めが重要。特に上記で挙げた15個の食品の場合は注意して、見た目・臭い・触感・味から食品の状態を見よう。お話を伺ったのは……株式会社エミッシュ荒井名南(あらい・めいな)さん管理栄養士、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー1992年、千葉県生まれ東京医療保健大学卒業後、保育園で5年間給食管理に携わり、独立。現在は「親子のしあわせごはん」をテーマにWEB媒体の記事執筆・監修・レシピ提供をする他、地元の農産物を使った商品開発などを手がける。2児の母。