2005/06/17(金)05:02
BAR SABIR
スープを食べさせてくれるお店。日によってメニューは違うが、だいたい4~5種類のスープが日々のメニューだ。主には野菜、魚などを基本にしたもので、その日に仕入れた材料によってメニューを決めるのだそう。
この日、私たちsoleil(ソレイユ)二人がいただいたのは魚スープと野菜スープ。魚スープはトマト味がベース。魚はすっかり姿かたちはなく、スープに溶けこんでしまっている。けれど魚の味と香りはしっかりと残っていて、まろやか。仕上げはハーブのフェンネルがのっていた。
野菜スープはシンプルに長ねぎ(英語=leek、仏語=poireau)、セロリをじっくりと煮込んだもの。まさに具だくさん。そしてABCパスタとイタリアンセロリが盛りつけられている。(写真:バターとヒヨコ豆のパテ(左)、野菜スープ(上)、魚スープ(右))
味は塩辛くなくやさしい。もちろんヨーロッパサイズなので、昼食はこれでお腹いっぱいになる。パンも酸味のきいたものとブラウンブレッド、そしてバターとヒヨコ豆のパテがついてくる。
これで、この日の値段は魚スープ4.5、野菜スープ4ユーロ。冬は肉類のスープも出すという。この場合は8~12ユーロだそう。
お店の雰囲気はしいてシンプル。そのシンプルさは単に店内の装飾だけでなく、テーブルセットにも表れている。4人がけのテーブルにはスプーンがそれぞれ各自にひとつずつ。そして真ん中の中央にパンのバター用ナイフが一本。
私がこれまでベルギーで入ったカフェやバーには、必ずナイフは各自あった。しかしここでは日本の菜箸のようにひとつのナイフをみんなで共有する。また、メニューはボードのみ。テーブルで見るものはない。しかもこのボードメニュー、暖房ヒーター兼用となっている(!)
大学時代、一緒にロシア語を勉強していたという二人が約1年半前(2004年1月)、このお店を始めた。コックさんであり、オーナーであり、そしてまたウエイター役でもある。
宣伝を派手にしない、いや、したくない、というオーナーさん二人。自分たちから進んでアピールはしない。つまりお店を手あたり次第に、人前にさらさない、ということだ。これはお店をとても大切にしていると私には感じられる。
それでも、私たちの取材をこころよく引き受けてくれ、最後には写真撮影のポーズもとってくれた。
こだわりがスープのようにたっぷりとしみこむお店とオーナーさんたち。宣伝よりも何よりも最後は「メイン」のスープの味に惹きつけられて来るお客さんがほとんどのように感じた。ちなみに昼食時は満席だった。
メニューはフランス語とオランダ語表示のみだが、オーナー二人は英語ももちろん話せるので、メニューを尋ねることは可能。そしてもちろん、ロシア語もOK。(kux)