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前門の虎、後門の狼 <年子を抱えて>

前門の虎、後門の狼 <年子を抱えて>

年棒はどこまで高騰するのか

「年棒はどこまで高騰するのか」 (2001.11.22)


 Jリーグ発足時、三浦カズなど1億円プレーヤーが現れた。競馬では武豊。しかしプロ野球では、三冠王・落合と、常勝球団として優勝をくり返した西武のレギュラー選手くらいで、プロ野球選手は一般的に年棒が低いと言われていた。

 その後、FA制度が導入されたが、各選手は自分の希望球団へ移籍する手段としてだけでなく、自分の年棒を引き上げる手段としても利用するようになった。FA権を取得するような有名な選手がいるからといって客足がのびるわけでもなく、そういう選手を抱える(または流出を防ぐ)ために莫大な資金が必要となったのである。例えば近鉄では中村が来年FA権を取得するが、メジャーおよび他球団への流出を防ぐためには単年でも5億円必要だと言われている。年間150万人も入らない球団にとって、1人の選手に5億円も出すのは、いわば自殺行為である。中村だけでなく、ローズ、礒部、吉岡、大塚など、金のかかりそうな選手は他にもいるのだ。どこかにしわ寄せが発生するのは当然の結果といえるだろう。球団が払える額には限度があるので、中堅クラスの選手を解雇せざるを得ないという噂もある。かといって、一旦上がった年棒の相場を下げるというのも難しいだろう。

 しかし、出費がかさんで球団身売りになったりしたら、もっと困る。不況の世で生き残るには、つらい選択を余儀なくされることもあるのだろう。情けをとるか、現実をとるか…。

 不況と無縁なのは巨人くらいだ。ホームランは多いし、守備もうまいが、一度も3割打ったことがない、三振が多くて四球が少ない、1番バッターなのに7番バッターみたいな選手に1億8千万円も払うくらいだから!

 会社員をローリスクリターンとすれば、野球選手はハイリスクリターンの極致である。結果を出した者だけがリターンを得られる世界である。それにしては、何の実績もない新人に払う金額が高すぎる。二軍選手の年棒も総じて高いと思う。二度と二軍には戻りたくないと切実に思うくらい安くでもいいのではなかろうか。相撲界では、幕下以下は力士養成員と呼ばれ、小遣い程度の僅かな手当てが支給されるだけである。

 FA制度は、今まで行きたくても行けなかったチームに指名して行くことができる最高のシステムだと思っていた。掛布に憧れ、子どもの頃から阪神ファンだった松井が縦じまに袖を通すことができるシステムだとばかり思っていたのに(笑)。





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