カテゴリ:undifferentiation
日曜日の夜、永遠の眠りについた祖母。とうとう別れの時がやってきた。
化粧をされた顔は、心なしか口角が上がり微笑んでいるようだった。 伯母の1人が「仏様の顔になったね」と言った。 棺を花でいっぱいにして、最後に祖母が大好きだったビールをかけた。 祖母は酒豪で、毎日 夕食の前に350mlの缶をあけることが楽しみであった。 15年前に祖父が亡くなってからは、唯一の楽しみだったといっていい。 私は祖母の誕生日プレゼントといえば必ずビールにしていた。 その唯一の楽しみも、心臓を患ってからは 自粛せざるを得なくなったのだが…。 父も母も、伯父も伯母たちも、いとこたちも泣いていた。 祖母との思い出はそれほどないと思われる いとこの子ども(小学生)も泣いていた。 しかし内孫である私や妹は、不思議と涙は出なかった。ただただ呆然としていた。 火葬して骨だけになっても、まだ実感が沸かなかった。 物が少ない時代に生まれ、戦前、戦中、戦後という激動のなかを生き抜いてきた祖母。 6人の子どもを育てあげ、孫の世話(特に私)をし、ひ孫の顔を見て喜んだ祖母。 91年の天寿をまっとうした。 祖父が亡くなってからは僻み根性が激しくなって伯母たちとの間にトラブルが絶えず、 苦労したわりには報われない人だなぁ…などと同情したものだが、 極楽浄土で祖父と再会し、本来の明るくて気さくな性格を取り戻すだろう。 おばあちゃん、天国ではドクターストップはないから好きなだけビールを飲みなよ。 ただし飲みすぎて酔っ払っておじいちゃんに呆れられないようにね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/04/13 10:34:18 PM
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