あんなに好きだったのに
今月に入ってから、小姐は一度もスイミングに行っていない。1日は、GWのためスクール自体が休みだった。8日は、行く直前に頭痛を訴えたため休ませた。15日は、私が不在だったので夫に連れて行ってもらったのだが、着替えて出て行く時に、どうしても嫌だと言って結局入らずに帰宅したという。22日は、運動会のため 休まざるをえなかった。そして今日。スイミングは3時からだが、午前中から「スイミングに行きたくない」と言う。理由を尋ねると「せっかくの土曜日を無駄にしている気がするから」。無駄だと?その言い方が気に入らん!とカチンときたが、努めて冷静に「好きでやっている習い事だから、無駄ということはないよ」と言うと「でも…」とゴニョゴニョ。なんとなくわかる気がした。というのも、クロールの級までは楽しかったけど、バタフライになって時間も変わって、大きい子ばかりの中に混じって気後れしているように見えた。クロールの級でも半分以上は年上の子だったけど、レッスン自体がまったりしていた。バタフライ以上になると、平泳ぎや選手コースの子たちも一緒にやるから今までとは雰囲気が全然違う。途端に厳しくなるのだ。4月のテストでは合格には程遠くて、しょんぼりしていたが、このレベルまできたら、初めての挑戦で合格できるほど簡単な内容ではない。それは本人もわかっていたようだ。しかし それよりも私は、厳しい雰囲気に小姐が ついていけそうにないと感じた。楽しそうには見えなかったのだ。必死でついていこうとするが、苦しそうなだけ。スイミングに行っている間、夫と坊は公園などで遊んでいる。自分は苦しい思いをしているのに、弟は遊んでいる…と うらやましくなって、それが「せっかくの土曜日を無駄にしている気がするから」という発言になったのだろう。クロールの頃までは、そんなことは一言も言わなかった。坊は確かに楽しそうだけど、自分はそれ以上に泳ぐことが楽しかったのだから。せっかく続けてきた習い事をやめるのはもったいない。しかし、まだ6歳の小姐にとって、楽しくないなら意味がない。「おばちゃん(私の妹)みたいに選手になりたいって言うから続けさせたけど、小さいうちからそんなに頑張らなくてもいいよ。1年生にバタフライは無理だよ。何なら、やめてもいいけどね。もう少し体が大きくなって、またスイミングに行きたいと思ったら 入り直せばいいんじゃない」小姐は、あっさり「じゃぁ、やめる」と答えた。やはり あの中で頑張るのはつらかったようだな。でも自分から「やめたい」とは言い出せなかったのだろう。今思えば、8日に頭痛を訴えたのもSOSのサインだったのかもしれない。学校に行きたくなくて、精神的に参っている小姐。土曜日のスイミングまで苦痛となれば、息を抜くところがなくなってしまう。あんなに好きだった(今でも好きだとは思うけど)水泳そのものも嫌いになっては困る。とりあえずクロール25mは合格しているんだから既に3~4年生のレベルだよ、学校で困ることはないし(1年生の目標はバタ足5m)、それこそバタフライなんて学校では習わないからさ!