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2020.10.08
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カテゴリ:リバティ応援団
リバティホールの黒田さんの壁画が壊されるまでと決めて始めたこの記事、7月末にはめどが立つと予想してたのですが、何と今は、10月。数えると50本以上書いたことになります。長い間お読みいただいた方に感謝します。まだまだ書くことはあるのですが、読み疲れなさってるのではないか?と気になっていました。そこでこの辺で一旦閉じたいと思います。
 壁画解体の事は必ず早めFacebookでお知らせします。その時は、是非立ち会って壁画のカケラをお持ち帰りくださいね。

さて、最後にと思い、45年前に聞いた取って置きの話を書いて閉めます。
それは、堺の被差別部落に江戸時代住んでいた忍者の話です。これを話してくださった泉谷さんはすでにお亡くなられています。
「私、オジーちゃん子でね。毎晩酒を呑んでるヒザ元に座らされて、昔話を聞いたもんですわ」と始まりました。

 ムラに、雪踏直しの男がいてな。毎日堺の街に出て、決まって大きな商家の軒先で、直しをしてた。
ところが、ある大店の主人が、何かと嫌がらせをする。時には「ドエッタ」とののしる。一度は仕返ししたる!と思ってた。その主が娘や家族を連れて伊勢参りに行くという話を小耳にはさんだ。当時、お伊勢参りには7日ぐらいかかったんや。この男、主人たちが出発して、七日目、いつも通り軒先での仕事を早めに切り上げると、家に帰り旅支度。伊勢に向かって駆け出した。
 その足の速い事。風を切るような速さや。夜になってお伊勢さんでは、例の主人以下家族みんなが娘を連れて夜の出店へと繰り出していた。そこへ、雪踏直しの男、黒装束に黒い覆面で顔を隠し、懐に短刀を忍ばせ、ススッスッツ、と主人の背後に忍び寄った。娘と女房が土産物をのぞき込んでいる後で。主人は立ってニコニコ笑っている。主人の背後にスス、スッとすり寄った男。主人の口を後ろから封じると、ブスと一刺し。サッと刃を抜くと懐に入れ、闇夜に消えた。アッという間の出来事やった。
 翌朝のことや。雪踏直しは、いつものように店の軒先に座ってコツコツ仕事を続けた。
 伊勢の出来事は、すぐに店にも伝えられ、店は大騒ぎ。早速、堺奉行所が動いてな。やがていつも来る雪踏直に嫌疑が掛けられたたんや。雪駄直は白洲に呼び出されるが、なんせ、事件のあったその日も、又翌朝もチャンと店先に座っていた。それは店の者の知るところ。何の証拠も出てこなんだ。
 奉行もあきらめてこの雪踏直無罪放免となったんや。

 「ジーサンは、何回もこの話をするんですわ。ホンマの話かウソの話か知らんけど、あれほど毎晩話してくれるのは、自分らがいつも受けてた差別がよっぽど口惜しかったやと思います。」

 話は少しそれますが、堺出身で有名人に与謝野晶子の話です。明治期の「新しい女」、自立した女性の代表ともいわれ作家・歌人です。この晶子が友人でもる島崎藤村の小説『破戒』(「エタ」出身教師丑松が主人公)への読後評を書いています「私は『穢多-新平民』と云ふものを、此通り全編の骨に用ゐてある事が、何うも快い感じが致しません。」と言い、その後次のような意味のことを付け加えます。娘のころ家の番頭が店先にいた「穢多」を見ると汚らわしいから、「見てはいけませんと、と申しておりました。」こう書くんです。これって、藤村への応援でしょうか?あの晶子にしてこの程度の認識だったことに驚きます。また彼女の詩「君死にたもうことなかれ」は日露戦争に出征した弟を思った詩,反戦詩としてよく紹介されます。しかしこの詩のくだりに「の街のあきびとの 舊家をほこるあるじにて 親の名を繼ぐ君なれば、君死にたまふことなかれ、」と書きます。晶子にとって、老舗和菓子屋「駿河屋」を後に継ぐ「君」だから「死にたもうことなかれ」と言いたかった。この程度の認識だったのでしょう。今の時代から過去人物を指弾する気はありません。今の自分たちの教訓にするのが歴史というものでしょう。
 実は橋下の指示で大阪府がリバティの常設展の一コーナーをいじった中に「大阪偉人伝」みたいなパネル一覧がありました.聖徳太子から司馬遼太郎までの大阪の(誇る?)「偉人」写真一覧です。その中に与謝野晶子も入っていました。館側は一切口をはさむことのできない展示です。これが橋下のいう「明るい差別展示?」なのでしょう。
 先に書いた泉谷さんのジーサンの話と与謝野晶子の想い(認識)の落差見比べながら、泉谷さんのジーサンの想いを忘れないように今も思っています。
このシリーズ最後の私の「ホラ話」!

※雑誌『部落解放』10月号:表紙は黒田征太郎画「きずな」小特集:朝治館長が今後のリバティの展望を、私は、黒田さんの壁画につて書きました。








最終更新日  2020.10.10 10:52:06
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