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2021.01.10
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カテゴリ:リバティ応援団
​                                                                ​​ホーム​​
あの「橋のない川」のモデルとなった奈良県御所市・小林の部落の話です。
竹皮草履は今も奈良県の特産品ですが、小林がヘップサンダルの発祥の地だとは知っていますか?昔、娘たちが草履を編む宿があって、夜なべ仕事しながら歌われた唄が残っています。
 夜、この宿に男たちが毎晩訪ねてくるのです。すると戸の外で男が唄を歌い出します。気に入った声なら娘たちが返し唄で応えます。いやな男だとだと息を潜めて、パスさせます。男は次の宿へ。主導権は女にあります。
「金三郎」が守り子たちの当て唄合戦だとすると、小林では大人の女と男唄がそれにあたります。そこで恋を語るというロマンチックな文化があったのです。これを聞いて第二回の部落解放全国文化祭(奈良県)の時に舞台で実演していただきました。男の人は抜きでしたが、小林の婦人部の方がこの歌を披露してくださったのです。残念なことに歌ってもらった記録(テープ)が残っていません。ただ頂いた小林支部の歌詞が載った刷り物が、私の手元に残っています。
 さてさて、扉を挟んだロミオとジュリエットよろしく唄の掛け合い?
ところがこれが、生活観あふれ、それに守り子と違って大人世界です。色っぽくて、単刀直入なのです。
 即興で作られる唄ですが20の歌詞が記録されています。ほんの一部だけの紹介です。

小林みたよな山がでも 主さん見たよな花が咲く 私も女のうまれきて あの花おらずにおくものか
いくら夜なべが辛くても 居眠りだけはしてくれな あなた一人の恥でない 作り子一同の恥となる
手紙見るたび親うらむ なぜに学校にやらなんだ 高等学校は及ばねど せめて尋常(小学校)終わるまで
私しゃこんなにやせたのも あなた想いの恋やまい もっとやせよと思ったけど 骨がじゃましてやせられぬ
畳たたいてこれこちの人 わたしゃ臨機で云うじゃないが 一人さしたる傘なれば 片袖濡れるよな筈はない
片袖に濡れても臨機すな 昨夜の連れは男連れ 聞けばそなたの古なじみ 臨機するのはこちらこそ
器量良いとて高ぶるな そんなに偉がるわけはない ごてんに咲いた八重桜 散ればお庭のごみとなる
(これ以上はかなり危ない展開で、書く勇気なし。知りたい人は私まで。最後、締めに二節ほど)

好きな主さん来た夜は 電気も消えな夜も明けな 夜明けな カラスも鳴いてくれな 寺の坊んさん鐘つくな
一銭、二銭のハガキでも千里万里もとどくのに なぜに私と主さんと一夜の枕もままならぬ
(どかで似たような歌詞が「19の春」にありましたね。)

  各地で似たような光景はあったでしょうが、小林は何とロマンチックで艶っぽいことか。
 もう一つ、この歌の題名が「四つ節」というのです.「四っ」とは部落民を四つ足の動物と同じと、侮蔑した差別語である事は間違いありません。自分たちに向けられた差別的言葉をも飲み込んで、楽しんでしまう。そんな下高さが小林にはあったのです。もちろん、無原則であるはずはありません。お互いの関係性を図りながらであることは断っていきます。部落の「Soul Music]」はしたたかで、大きい!



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最終更新日  2021.01.14 10:05:26
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