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2011.09.07
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カテゴリ:旅行紀行

kawanobu日記/非武装地帯(DMZ)の向こうのはげ山と都羅展望台;ジャンル=旅行、現代史 画像1

 

kawanobu日記/非武装地帯(DMZ)の向こうのはげ山と都羅展望台;ジャンル=旅行、現代史 画像2

 

kawanobu日記/非武装地帯(DMZ)の向こうのはげ山と都羅展望台;ジャンル=旅行、現代史 画像3

 

 板門店と第3トンネル見学、そして新羅王朝時代の慶州古墳群を見るのが、今回の訪韓の最大の眼目だったのだが、もう1つ、非武装地帯(DMZ)で見たことをあらためて書き留めておこう。付録のようなものだが、付録は付録でも写真と共に多少の感想を本日記に留めておくのも、意義はあるだろう。

◎北に最も近い都羅展望台ももやに煙る
 第3トンネルと必ずセットになっているのが、北朝鮮に最も近い場所にある非武装地帯(DMZ)内の都羅展望台である(写真上=画面左側が展望バルコニー)。
 前にも述べたが昨年夏の訪韓では、台風で第3トンネルなどの見学が中止になって、代わって非武装地帯の外の統一展望台に案内された(2010年9月16日付日記:「統一展望台から見た北朝鮮の山ははげ山:イムジン川」を参照)。今回訪れることのできた都羅展望台は、非武装地帯内にあって北朝鮮を見渡せる唯一の展望台である。
 ただあいにく霞んでいて、よくは見えない。500ウォン硬貨を投入して、望遠鏡で見たが、視界が悪いことは望遠鏡などで補えない。ただうっすらと北朝鮮領内の唯一の韓国側の「窓」である開城(ケソン)工業地帯が見えた。そしてその向こう側の北朝鮮の山も。
 ただここでは、写真撮影することができない。展望台バルコニーのはるか後方に黄色い線が引かれていて、そこからバルコニーまでの間で写真撮影は禁止されているのである。撮影禁止を徹底するために、韓国軍兵士が常時、監視している。

◎北朝鮮の山河は荒廃
 黄色い線からカメラを高く掲げて撮っても、脚立がない限りほとんど写らない。北朝鮮領内の様子は、配布されたリーフレットの写真が一番分かりやすいので、代わりにそれを複写して掲載しておく(写真中央)。右側に韓国側の国旗掲揚塔が、左側に時々、テレビに映る例の巨大な北朝鮮の国旗掲揚塔が写っている。
 注目していただきたいのは、北朝鮮の山の様子である。うっすらと望遠鏡でも見えたが、樹木がほとんど生えていないはげ山である。
 はげ山であるのは、主に2つの理由が考えられる。
 軍事境界線に至近の一帯だけに、逃亡を図る北朝鮮国民と南から侵入するスパイを監視するため、というのが1つだ。もう1つは、燃料不足のために山の木を伐採し、植林もしないで放置しているため、である。

◎農業を崩壊させたはげ山化
 北朝鮮国内の様子は、特に平壌外の地方の事情は、立入が厳重に制限されているために西側にはほとんど知られていないが、全国土がはげ山であることはほぼ確実である。国民や軍が炊事や暖房用燃料として乱伐していること、数少ない外貨獲得源として伐採して中国に輸出していることなどが知られているからだ。
 木が生えていないので、山から表土が流出し、また山林として最も重要な保水力も失われている。このため北朝鮮国内ではちょっと晴天の日が続けば干ばつ被害が起こり、ちょっとした豪雨で大水害、となる。
 かつては韓国をしのぐ工業国だったのに、今では電力不足と機械部品の不足のために肥料すら生産できない。よって肥料も投入されないので、農業生産性は低い。李明博政権登場以前は、毎年のように韓国から数十万トンも肥料を支援してもらってやっと息をついていた。その肥料支援も、今はない。

◎韓国はコメ余剰に悩み、北はトウモロコシすら欠乏して慢性的饑餓
 北朝鮮国民を毎年危機的な饑餓が襲い、「慢性症状」となっているのは、これが理由である。生産の安定しない米作を諦め、山の斜面でも収穫ができるトウモロコシ作付が奨励されているが、農村部ではこれすら欠乏している。
 対して韓国では、かつてはコメを輸入するほどだったのに、現在は日本と同様にコメの生産調整をして余剰米発生を防ぐのに大わらわである。
 国民生活の最も枢要な部分である食糧供給にあっても、体制選択がいかに重要であるかをこの事実は教えている。
 農業とは、農民個々人の工夫と努力が日常的に要請される産業である。降霜しそうになれば、風を起こしたり、タイヤを燃やしたりして霜害を防がねばならないし、台風などの接近があれば、排水管理や施設管理を徹夜で行う。
 お役所仕事よろしく、(どうせ国有財産であり、オレの物でないからと)何が来ても夕方5時で仕事は終わり、という社会主義農業など、そもそも成功するはずはないのだ。
 ちなみに今では世界でも有数のコムギ輸出国となっているロシアも、旧ソ連時代はアメリカから毎年、大量のコムギを輸入する国だった。スターリン主義体制下では農業が衰退することは歴史的に証明されている事実と言えよう。

◎ヨーロッパへの架け橋も今は「真夏の夜の夢」
 さて都羅展望台の後は、親北派大統領だった金大中時代に建設された都羅山駅である。ここは韓国最北端の駅であり、広軌であるレールは北朝鮮と直結されている。金大中は、ここから北朝鮮最北端の中国国境に接した新義州駅まで列車を走らせ、南北融和の象徴にするつもりだった。
 しかしやはり親北派大統領だった盧武鉉の退任後、直結されたレールは閉鎖状態となっている。1日3便、ソウルとの間に列車が走っているだけという。
 駅舎の巨大な看板(写真下)には、ここから北朝鮮内の軌道をへて、遠くシベリア鉄道経由でヨーロッパまで行けることが表示されている。もちろん北朝鮮経由の場合、バカ高い通過料を取られるだろう。金大中と盧武鉉は、こうやって北朝鮮に対する外貨獲得手段を韓国民の税金で提供していたのである。

昨年の昨日の日記:「ソウルで体験した物価安とバラマキスト民主党の『コップの中の争い』の不毛」(注 昨日の日記では1日ずらして掲載してしまいました、昨年の9月6日付日記を掲載します)

昨年の今日の日記:「南山公園の朴正熙大統領名の安重根顕彰碑とNソウル・タワーへ」





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Last updated  2011.09.07 05:27:02



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