

被曝線量が年間1ミリシーベルト以上のすべての地域を国の責任で除染するという
、バラマキスト民主党政権の計画する無意味で高コストの人気取り政策が動き出す。
福島第1原発から放出された放射能を除染するというのがいかに無意味かは、昨日
の日記で述べたとおりだが、それがもたらす先のことまで見通していないその場しの
ぎのトンデモ策は、将来の地域社会と国家財政に大きな禍根を残すことになろう。
◎低線量地域まで広げると広大なエリアに及ぶ
自然放射能線による被曝線量が毎年1.5~2ミリシーベルトに達している日本で
、たかだか1ミリシーベルトがオンされたところで、人体には全く無視できるものだ
。それは、昨日も紹介した低線量率放射線医学の専門家である稲恭宏氏が「低放射線
をめぐる嘘の数々 西部邁ゼミナール」で縷々説明しているとおりである(
http://www.youtube.com/watch?v=LLm...)。
一方で年間1ミリシーベルト以上と基準を極端に下げると、除染地域は広大になり
(関東から中部地方の一部まで含まれる)、そもそもバックグラウンドが年間1.5
~2ミリシーベルトの所を微量除染するなど困難だ。つまり「やりました」と体裁を
取り繕うだけで終わることは目に見えている(
写真は、地域住民が自主的に「除染」
している一部地域での様子。除染といいながら、作業に当たる人たちの被曝対策はほ
とんど無きに等しく、いかに気休め的であるかをよく物語っている)。
◎IAEA調査団も「過剰な除染は避けるよう」助言
実際、バラマキスト民主党政権の求めに応じて来日したIAEA(国際原子力機関
)調査団は、10月半ば、過剰な除染対応を避けるように助言する報告書をまとめた
。
第1に挙げられているのは、前述のように「効果がない」からである。バラマキス
トどもの方針は、ただヒステリー主婦とマスコミへの気配りしただけのものであるこ
とを、IAEA調査団に見透かされた。
さらに作業に困難の伴う森林や線量の低い所での除染は、膨大な時間がかかり(そ
の間セシウム137の半減期は約30年なので、少しずつ減衰していく)、そもそも
途方もない費用がかかる。数兆円単位に達する可能性がある。
いったいこのムダ金をどこから出すつもりなのか? 野田ドジョウやそもそも過剰
な危険性を煽ったボケ菅や枝野が出すわけはない。つまり我々の税金から、である(
将来的には東電につけ回す気であるらしい)。
単なる気休めのために数兆円も支出できる余裕があるのか? あるわけない。
◎もう1つの「普天間」を作る気か
さらに除染で生じた比較的高線量化した廃棄物(土壌、植物、灰など)の保
管場所に苦労することになる。さっそく福島県自治体の首長や住民の間から、反発が
噴き出ている。誰でも、そんな廃棄物は受け入れたくないので、けっきょくは廃棄場
所を決められない恐れがある。何とかカネで黙らせて、「一時貯蔵」を納得させても
、永久貯蔵になる可能性が高い。そもそも中間貯蔵施設や他県に造るという最終処分
地など、決められるわけはない。
候補地にのぼっただけで反対運動が起こり、けっきょくは「一時貯蔵」場所から動
かせない。
普天間基地のように、バラマキスト民主党政権はさらに1つ、福島県にも八方美人
的な問題地を作り出す気だ。
現在、航空機による汚染マップが作成中だが、これに対して新潟県の泉田知事が、
カリウム40による自然放射能の強い山岳部を抱える同県で、どうやって正確に原発
からの放射能を測れるのか異論を呈したことがある。
◎カリウム40を除染しない根拠を示せ
そもそも年間100ミリシーベルト以下では、放射能障害が出るとは分かっていな
い。それを1ミリシーベルト以上の地域を全除染など、ムダもいいところなのだ。
バラマキスト民主党の野田ドジョウ政権は、ただヒステリー主婦とセンセーショナ
リズムのメディアの反発が怖いだけだ。それで、国費のムダ遣いなど許されるはずも
ない。それをIAEA調査団からも指摘されて、今頃、頭を抱えているだろう。
野田ドジョウ政権に問いたい。人体に最初から含まれているカリウム40や炭素1
4、タバコに含まれているポロニウム210は、放置するのか、と。放置するのだと
したら、なぜセシウム137だけ特別視するのか、合理的根拠を示せ、と。
お金はもっと生きたことに使うべきだ。
昨年の今日の日記:「温家宝が日中『首脳』会談をドタキャンした背景を読む;脱『
韜光養晦』し、新体制をとった中国」