2015/04/24(金)04:20
ナイジェリアのボコ・ハラム、大量殺人と性的暴力の惨状;現代史
先ごろイラク政府軍がシーア派民兵・イラン革命防衛隊とともにイスラム原理主義テロリストISIL(「イスラム国」)から奪還した中部ティクリートで、数百人分の遺体を埋めたとみられる穴が複数見つかった。ISILが昨年6月に近郊の軍基地で拘束した兵士の遺体とみられ、最大1700人分にのぼる可能性があるという。
まさに現代の「カティンの森」虐殺である。
◎少なくとも5500人殺害
ISILと連動するイスラム原理主義テロリストによる残虐さは、これに留まらない。ISILに忠誠を誓うナイジェリア北東部を拠点とするボコ・ハラム(写真)も、負けず劣らずの残虐性を発揮する。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが14日に発表したところによると、ボコ・ハラムによる大量殺人と性的暴行により、昨年初め以降、市民少なくとも5500人の命が奪われたと推計されるという。
◎女性2000人を誘拐
またボコ・ハラムは昨年初め以降、女性と少女約2000人を誘拐し、その多くに性奴隷となることを強いた。
1年前のこの頃、ナイジェリア北東部の町チボクで女子生徒200人余りがボコ・ハラムによって拉致されている。いまだに彼女らの消息は、分かっていないが、戦闘員との強制結婚と性奴隷とするために、イスラム過激派思想を吹き込んでいるとみられる。
◎「イスラム国西アフリカ州」建設の阻止を
成人男子などは虐殺されるが、少年もまた、「少年兵」に仕立てるために過激なイスラム原理主義思想を吹き込まれ、軍事訓練を施される。
ボコ・ハラムの狙いは、「イスラム国西アフリカ州」の建設だろうが、そうなった時の一般民衆が受ける地獄の惨状は計り知れない。
文明国は、このような「悪魔」を討伐できるのか、それとも「悪魔」の襲撃にいつ遭うかに恐れながら暮らさなければならないのか、今、岐路に立たされている。
昨年の今日の日記:「南部アフリカ周遊:ヴィクトリア・フォールズ探訪記 8;細るレインボーフォールズやイースタンフォールズ」