トランプ政権が迷走するアメリカは、政治の混乱をよそにニューヨーク株式市場の株価が好調に新高値を更新し続けている。ダウ平均も、ナスダックも、共に勢いがいい。
◎新高値のアメリカは絶好調、対して日本はバブル後高値すら遠い
牽引するのは、ニューヨーク市場の時価総額ビッグ5(アップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック)である。このIT系ビッグ5が調整すると、銀行株が高くなったりして、ダウ平均を支え、そしてIT系ビッグ5にバトンを渡して……と、うまく循環している。
それに比べれば、わが日経平均は、いまだにバブル崩壊後の高値(1996年の2万2750円)を抜けない。日経平均株価が過去最高値をつけた1989年末の3万8915円は遠い高嶺である。
ちなみに日本の株価が21年前の高値すら抜けない体たらく状態は、海外マーケットを睨むと奇妙である。前記のニューヨーク株価ばかりでなく、隣国の韓国、ブレグジットのイギリス、インドなど多くの国の株式市場も過去最高値をつけているからだ。特に韓国は、北朝鮮リスクを抱えているのに、文在寅政権後に新高値をとった。
◎「アベは大丈夫なのか?」、海外投資家の懸念
国内的にも、日本の環境は悪くない。東京・銀座の一等地「鳩居堂前」(写真)の地価は、バブルの余韻の残る1992年の史上最高値を超えた。
人の需給のタイトさを示す正社員の有効求人倍率も、物の荷動きの活発さを示す宅配便の取り扱い個数も、そして上場企業の純利益も、いずれも過去最高で、バブル期をしのぐほどなのだ。
それでも株価だけが上がらないのは、怪奇、と言うしかない。
アナリストなど事情通は、いろいろと理由を並べる。
特に最近、注視されているのは、海外投資家からの問い合わせに「アベは大丈夫か?」というものが多いということだ。
投資家、特に外国人投資家は、政治リスクに敏感だ。政治の混迷を、特に嫌う。
◎作られた「世論調査」
言うまでもなく海外投資家は、安倍政権の支持率がメディア各社の世論調査で軒並み30%台に落ち、不支持率と逆転されていることに不安を抱いている。したがって日本企業の業績は絶好調なのに、腰を据えて買ってこない。
ちなみにこの「世論調査」なるもの、朝日、毎日、NHK、週刊文春など、大手メディアによって作られたものに過ぎない。
問題の「加計学園問題」など、そもそも長年の獣医学部新設の申請をはねつけ続けて歪めてきた文科省の行政が、特区の議論で糺されたのに、逆に本質はねじ曲げられて報じられ、さらに奇々怪々にも違法天下りを問題視されて退官した前文科省次官の買春・前川某の「行政が曲げられた」という居直り発言にフットライトが浴びせられる始末だ。
◎安倍首相退陣となれば、「株価5000円暴落」
ことの本質を知らない一般国民は、「安倍さん、おかしいよ。お友達に肩入れして」とすり込まれ、電話調査で問われると軽いノリで不支持を表明したものに過ぎない。
しかしそのように政治危機でも何でもないものが、海外メディアにも報道されると、日本の経済の「売り」につながってしまう。
ちなみに市場関係者の中には、今の日経平均株価はアベノミクスの後押しを受けたものだから、もし安倍首相退陣などとなれば、株価が5000円近くも暴落する恐れがある、と唱えるむきもある。
当然に為替も、超円高となるだろう。
◎国益損ねるメディアと民進党のデマを排撃
好調な日本経済は腰折れし、再び失業率も高まるだろう。
民主党政権時の不況の再来である。あの時、経済低迷ばかりでなく、外交もスターリニスト中国(尖閣諸島の奪取陰謀)、韓国(大統領李明博の竹島上陸)、ロシア(大統領メドヴェージェフの北方領土上陸)と、いいように蹂躙された。
日本が戦後味わった最悪の屈辱期であった。
その再来を、日本人は望んでいるのか? 国益を損ね続ける朝日新聞や民進党のデマを、今こそ排す勇気が求められているのだ。
昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(55):窓上に『ゴンダールの十字架』意匠のあるメントゥワブ女王の城」