安倍首相は、電撃的辞任表明とそれに続く総裁選、首班指名などの一連の政治イベントの効果を見定めていたかのようだ。だが実際は、持病の潰瘍性大腸炎の再発が辞任理由なのだが、それだとしても実に効果的な辞任表明だった。
◎「壊し屋」小沢も参加、新味全くなし
これで立憲民主党などの離合集散による新党立ち上げの反響とその効果を効果的に消し去ったからだ。
まさにその陰に隠れて7日、合流新党の代表選が告示された(写真=立民代表の枝野幸男と旧国民民主党政調会長の泉健太)。
立憲民主党と国民民主党多数派、そして無所属の野田前首相や岡田元副首相のグループが参加する合流新党は、149人となる(衆院106人、参院43人)。野田氏や岡田氏は、自分たちより下っぱの枝野たちの下に入るわけだ。
そして、「壊し屋」小沢も参加。小沢は民主党在籍時、子分を連れて党を割った元凶だ。それが数年前の分裂を忘れたかのような合流参加。理念もへったくれもない。
なぜ今、3年ぶりの合流なのか。
◎破産したかつての社会党への回帰
それは、もちろん近々予定される衆院選を前にして、選挙互助会を組む必要がどうしてもあったからだ。特に小選挙区ではとうてい勝てない若手の比例復活組は、議員バッジを着けていられるか否かは、合流新党に加わって初めて展望が開けるからだ。
しかも合流新党は、さもしいことに共産党の票を当てにしている。次の総選挙で、共産党は合流新党の立つ選挙区には原則として候補者を立てない(その代わり京都、大阪など小選挙区でいい勝負になりそうな所では、見返りとして合流新党に支援を求める)。
共産党と共闘するなど、合流新党は完全な社会党の復活である。かつて政権交代可能な党を目指した旧民主党の理念は忘れ去られた。社会党化によって、合流新党は万年野党を運命づけられた。
◎保守系は国民民主党に
その共産党の票目当て・当選目当ての合流新党を認められない保守派は、少数とはいえ国民民主党の旗の下に集まる。
もう1つの保守野党に、日本維新の会は、もちろん合流新党に距離を置く。将来的には、国民民主党と維新の会は、合同することになるかもしれない。
つまり左に共産党と合流新党(名称は立憲民主党になる可能性大)、そして右に国民民主党・維新の会、自民党に再編されるということだ。
昨年の今日の日記:「ジンバブエ国民の苦難再び、ムナンガグワ新政権でもハイパーインフレが再燃、商店の棚から商品消え、電気も水もほぼ止まる」