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カテゴリ:現代史
アメリカ下院が14日、スターリニスト中国の新疆ウイグル自治区からの輸入をすべて禁止する法案を全会一致で可決した(下の写真の上=可決に意欲を示していたペロシ下院議長)。翌日、上院も全会一致で可決した。バイデン大統領の署名で、成立する(下の写真の下=ホワイトハウス前で北京冬季五輪ボイコットを求める人権活動家たち、7月)。 ◎すでに主要製品は輸入禁止だが、包括的に全面禁輸へ 可決された「ウイグル強制労働防止法」は、新疆ウイグル自治区からの全輸入品を「強制労働で作られた」ものとみなし、輸入が差し止められる。強制労働で生産されていないと「明確で説得力のある証拠」を提示すれば輸入は認められるが、企業が証明するのは、現地調査もできないので、実際は不可能だ。 アメリカは、トランプ政権が今年1月に同自治区で生産された綿製品とトマトの輸入を禁じ、バイデン政権になってからも6月、太陽光パネルに必要なシリコン部材の輸入も禁じた。これら3つは、新疆ウイグル自治区の主要製品だが、今回の法律で輸入禁止は全製品に拡大する。 対象は、アメリカ企業以外も含まれる。日本企業も、アメリカに輸出する製品の部材などに新疆ウイグル自治区産のものが含まれていないかどうか、確認する必要が生じる。 ◎日本もアメリカに促される前に全面禁輸を 新疆ウイグル自治区産の締め出しは、これに留まらない可能性も強い。可決された法律は、強制労働の阻止に向けた取り組みを他国にも働きかけるよう、アメリカ政府に求めている。バイデン政権が本腰を入れれば、日本も新疆ウイグル自治区産の全製品の輸入を止められる可能性が出てきた。 もとよりアメリカ政府に強制されない段階で、日本も自主的に全禁輸に踏み切るべきである。 確かに製品の中には正常な労働環境で製造されたものもあるだろうが、それを確認することは外国企業には不可能だ。製品の部材にまで、強制労働生産品が含まれてないかどうか、調べなければならないからだ(写真=ウイグル族が閉じ込められて強制労働させられている強制収容所)。 ただ企業は、岸田媚中政権が判断する前に、自主的に輸入を止める確率が高い。人権侵害に無頓着と消費者や投資家に判断されると、不買や株式の売却の懸念が高まるからだ。 ◎ドローン世界最大手のDJIなど証券投資の禁止に これとは別に16日、バイデン政権はドローン世界最大手のDJIなどスターリニスト中国の8社のアメリカ人による証券投資を禁じるリストに追加した。 すでに顔認識大手の商湯集団(センスタイム)がこのリストに加えられ(12月13日付日記:「ソフトバンクグループの株価低迷の憂鬱:チャイナ・リスクが直撃中」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202112130000/を参照)、センスタイムはこの措置で17日に予定していた香港取引所に新規株式公開(IPO)の延期に追い込まれている。
昨年の今日の日記:「長崎・五島、世界遺産の旅⑤:海辺の小さな集落の小さな教会:久賀島の旧五輪教会堂と五輪教会」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202012180000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.12.18 06:22:33
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