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カテゴリ:国内政治
今日は、クリスマス・イブ。それに先駆け国民にふんだんなばらまきを組み入れた、35兆9800億円余りと過去最大となる補正予算が20日、成立した(写真)。 ただこの補正予算は、同時に大量の毒まんじゅうも仕込んでいる。歳入に巨額の赤字国債の発行を予定する。赤字国債頼みの補正予算では、国債22兆円余りを新規発行するのだ。補正予算と当初予算の発行額を合わせると、21年度の国債新規発行額は65兆円を超す。 ◎国債依存度46% 国債依存度は当初予算から5ポイント上がって、46%にも達した。要するに、財政支出の半分弱は、借金でまかなったということだ。 昨年20年度よりはいいが、それにしても異常である。ちなみに20年度は武漢肺炎パンデミック対策として3度も補正予算を組み、決算ベースで国債依存度は73.5%にもなっていた。 この異常値が前年にあったから、慣れっこになって46%もの国債依存度も、政治家どもはさほど気にならなかったのか。 ◎税収増も追いつかず それにしても1000兆円を超す国債発行残高を、どう返済していくのか。 国債は満期10年の長期国債、20年、30年の超長期国債、さらには2年とか3年の短期国債などがある。満期になっても償還資金は、新たな借換債を発行するから、すぐに返済に行き詰まらない。 それでもいずれは返さなければならない借金だ。それが国債だけで1000兆円を超す。ちなみに税収は堅調で、補正予算では当初見積もりの57.4兆円を6.5兆円も上方修正し、63.9兆円を見込む。しかし上方修正した税収を全額返済に回しても、10数年もかかる。 まさに気の遠くなるほどの借金の山だ。 個人ならとうに自己破産だろう。 国家も破綻するのは、ベネズエラ、ムガベ時代のジンバブエ、第一次世界大戦直後のドイツなど、あり得ないことでは無い。 ◎金利急騰ならどうするのか 深刻なのは、かつて目指された基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の2025年度達成(今年はさらに2年先に後ずれさせた)がいつの間にか投げ捨てられ、今や誰も言わなくなったことだ(図)。 毎年、国債の新規発行額が増えていけば、どうなるか。今はゼロ金利だから、国債の利払い額も8.5兆円程度で済んでいる。 しかし2011年の時のギリシャのように国債償還が危ぶまれる局面になったら(写真=財政危機で市中にデモが頻発した)、国債金利も急上昇する。そうなれば、国債価格は大幅下落=暴落だから、利払いもできず、新規国債・借換国債も誰も買ってくれないことになる。 それ以上に、国債に依存した予算など、不健全そのものだ。将来世代につけ回しし、子・孫・ひ孫にまで返済負担を押しつける。今の世代がいい思いをするために(例えば10万円給付など)、すき焼きや外食のために、まだ生まれない子どもにまで借金を負わせるなど、どう考えても健全ではない。 停滞する東京株式市場は、そうしたことも懸念しているのではないか、と思うのである。
昨年の今日の日記:「長崎・五島、世界遺産の旅⑦:江上天主堂を支えた集落は廃屋目立ち、小学校も閉校」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202012240000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.12.24 04:51:27
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