生成AIの発展、どこまで? シンギュラリティーは意外に近いか
世界に先駆けて生成AIを実用化して公開したオープンAIの「チャットGPT」の衝撃は、大きかった。ただ公開以来1年もたたずに起きたお家騒動には、やや呆れたが。◎不気味な「Q*」開発 お家騒動の元になったのは、オープンAIのサム・アルトマンCEO(写真)らが開発を進めていた「Q*」だったと言われる。Q*の実態は不明だが、数学的な思考能力の向上が目的だったようだ。 人工知能のQ*と人間との大きな差だったAIの論理的思考や数学的思考能力を飛躍させた可能性があるらしい。「汎用人工知能(AGI)」に1歩近付いたかもしれないそうだ。 これまでの人工知能は、「チェスを指す」、「人間の顔を識別する」など、特定の情報処理を担っていた。そしてその面では、すでに人を抜いた。◎2045年よりもっと早くに前倒し しかしそれまでだった。 だがAGIでは、自律的に学習を重ね、試行錯誤の末に無数の課題を処理したうえ、問題の最終解決ができるようになるともいう。 もう、こうなると、並みの研究者は、マシーンの下働きに甘んじかねない。AGIなら、夜間も眠らず、休憩をとることもない。大まかな課題を与えれておけば、すべてやってくれる。 考えようによっては、恐ろしい世の中になる。 AIが人間の知能をしのぐ転換点でシンギュラリティーは、2045年頃といわれていた。しかし、それはずっと前倒しで、明日にでも実現するかもしれない。◎独裁国がAGIを手にする悪夢 もしテロ国家ロシアやスターリニスト中国のような人権を何とも思わない独裁国が、この技術を獲得し、ロボット兵器と組み合わせれば、それこそ映画『ターミネーター』のスカイネットと殺人ロボットが登場する(写真=映画に登場する殺人ロボット)。自国民を何ら危険にさらさず(だから国内で誰の反対も受けない)、他国を武力侵略できる。 野放図な発展への歯止めをかける試みも、西側自由社会でしかなされない。独裁国は、全くのフリーパスだ。 独裁国がAGIの力を借りて西側自由社会への全面攻撃を開始するシンギュラリティーもまた早いのかもしれない。それを危ぶむ。昨年の今日の日記:「ベラルーシのマケイ外相の唐突の急死に潜むロシアのプーチンと秘密警察FSBの影」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202212060000/